百合 2人劇 想定5分『夢と現実と私と私』 作 沖ママ
『夢と現実と私と私』 作 沖ママ
月城 美幸(つきしろ みゆき) : 女性
鮎川 真由(あゆかわ まゆ) : 女性
《雨音》《5秒》
《エコー効かせて重ねます》
鮎川真由
『私じゃ、ダメだって言うの!?』
月城美幸
「なんで……。なんで……こんな……。」
鮎川真由
『どういう事!?』
月城美幸
「だって、私!」
鮎川真由
『そうやって私から逃げるんだ。』
月城美幸
「ま、まゆ……ちゃん……。」
鮎川真由
『だから今回だって!』
月城美幸
「え……ウソ……。」
鮎川真由
『はぁ、はぁ……。』
月城美幸
「ご、ごめんね……。」
鮎川真由
『うわあぁぁぁぁぁ!』
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《日常 ほんわかしたBGM 3秒程度》
《BGM 継続(小さめ)》
月城美幸
「ま~ゆ~ちゃん。」
鮎川真由《独り言のように》
『……あれ、何だったんだろ……。』
月城美幸
「真由ちゃんってば!真由ちゃ~ん。聞いてる~?」
鮎川真由
『うわっ!?……み、美幸!?』
月城美幸
「真由ちゃん?どうしたの?大丈夫?」
鮎川真由
『え?あ、うん……大丈夫。』
月城美幸
「もう、顔真っ青じゃん!」
鮎川真由
『大丈夫だから!』
月城美幸
「……ごめん……。」
鮎川真由
『わ、私の方こそ……。その、ごめん。何か変な夢、見てさ!』
月城美幸
「真由ちゃん……大丈夫じゃないよ……。今日は私が居るから、ね。保健室……行こう。ほら、私さ。保健委員だから。」
鮎川真由
『……うん。』
《BGM終わり》
《ガラガラ 保健室の戸を開ける》
月城美幸
「せんせー!あれ?居ないのかな?おかしいなぁ、いつもは居る時間のハズなんだけど。」
鮎川真由
『美幸、カレンダー。見て。』
月城美幸
「カレンダー?どれどれ?……あちゃ~。今日休みか。」
鮎川真由
『どうやら、そういう事らしいよ。で、これからどうする?』
月城美幸
「どうするって……。ふたり……きり……だね。保健室で。」
鮎川真由
『う、うん。そ、そうだね。あ、あの、あのさ、美幸。』
月城美幸
「なぁに?真由ちゃん?」
鮎川真由
『あ……と……その。私、いつの間にベッドに……?』
月城美幸
「いつの間にって、保健室に来た時に先生探してる時にはもう、ベッドに座ってたわよ。」
鮎川真由
『そ、そうか。そうだったっけ?あはは、あはは。』
月城美幸
「真由ちゃんったら、変なの~。」
鮎川真由
『最近、眠れてないからかな。うん、きっとそうだね。』
月城美幸
「ねぇ……一緒に……寝る?」
鮎川真由
『一緒に寝るって……ここで?』
月城美幸
「そう、ここで。一緒に。」
鮎川真由
『ここでって、保健室だよ保健室!』
月城美幸
「うん、そうだよ?何か問題でも?私は真由ちゃんが好き。真由ちゃんも私を好き。でしょ?」
鮎川真由
『まぁ、あぁ……。うん……。そうだね。』
月城美幸《陶酔した感じ》
『それなら、一緒に寝ても問題ないんじゃない?愛する2人が同じベッドで……あぁ……なんて破廉恥(はれんち)な。』
鮎川真由《呆れる》
『美幸。あ、あのさ。今どきの学生は破廉恥(はれんち)なとか使わないと思うよ。』
月城美幸《陶酔した感じ》
「真由ちゃんからの視線が痛い。私は罪な女!愛しの真由ちゃんを手篭(てご)めにしてしまおうだなんて!」
鮎川真由《前のめりに》
『手篭(てご)めとか普通使わないから!』
月城美幸《むくれる》
「真由ちゃん!」
鮎川真由
『は、はぃぃぃぃ!』
月城美幸《真由の目の前に近付く》
「んんん……。」
鮎川真由
『美幸、ち、近い……。』
月城美幸《からかいながら》
「ふふふ。顔、真っ赤だよ。ま~ゆ~ちゃん。」
鮎川真由《照れ》
『そりゃあ、だって……息が……。美幸が……近いんだもん。』
月城美幸《顔を指でなぞる》
「本当に、可愛いよねぇ……。」
鮎川真由
『は、恥ずかし……。』
月城美幸
「恥ずかしがらないで。私とだって初めてじゃ、無いでしょ?」
鮎川真由
『そりゃあ、美幸とは……その……。』
月城美幸
「そうだよね。この間の休みの日だって、真由ちゃんったらさ。」
鮎川真由《美幸を押し倒す》
『あ、あ、あぁ……ああぁぁぁぁ!』
月城美幸《真由に押し倒される》
「きゃっ!」
鮎川真由《興奮して》
『はぁはぁ……。美幸が悪いんだからね。私の事、こんなにして……。』
月城美幸
「それでいいの。私の大好きな真由ちゃんは、女の子を好きになっちゃう女の子なの。」
鮎川真由
『はぁはぁ……。美幸……。』
月城美幸《冷静に》
「真由ちゃん……。いいんだよ?」
鮎川真由
『前は逃げられたんだ……だから。今回こそは!』
月城美幸
「前……?。あ、もしかして……夢って……。」
鮎川真由
『私は美幸を離したくない!』
月城美幸
「真由ちゃん……。」
鮎川真由
『私から美幸が逃げたから!だから私は美幸を!』
月城美幸《真由を抱きしめる》
「真由ちゃん。焦らないで。大丈夫。私はここに居る。真由ちゃんから逃げないよ。」
鮎川真由
『美幸……。』
月城美幸
「真由ちゃん、身体、あっつい。熱……あるんじゃない!?大丈夫!?」
鮎川真由《美幸に倒れ込む》
『み、みゆ……き……。』
月城美幸
「真由ちゃん!?ちょっと!?大丈夫!?」
鮎川真由《寝息を立てている》
『すぅ……すぅ……。』
《BGM 穏やかな曲》
月城美幸
「寝ちゃった……のね。もう、仕方ないなぁ。真由ちゃんは。ふふふ。おやすみ。」
鮎川真由《寝言》
『えへへ。だ~い好き。』
月城美幸
「私の大好きな真由ちゃん。私が守るからね。だから、安心して。一緒に寝よう……。このまま一緒に……。」
鮎川真由《寝言》
『……ぎゅ~って……して……。』
《BGM キリのいいとこまで再生の後、フェードアウト》
終わり