2人声劇 想定3分『X'masを真っ赤に染めて』作 沖ママ
季節声劇~冬~
ナギ
「はぁはぁはぁ……。」
《SE タバコ取り出し火をつける》
ロマ
「ふぅ~。」
ナギ
「ごめんロマ君!待った!?」
ロマ
「待ってないよ。ちょうど俺も今来たところ……なんて言うわけないだろ!」
《BGM 不穏・ダーク系》
ロマ《静かにキレてる》
「待ち合わせ、何時だと思ってんの?待ち合わせ時間より前に来て俺を待ってるのがお前の約目だろ。」
ナギ
「ご、ごめん……。」
ロマ
「ごめんで済むと思ってる?何で俺が待たなきゃならん訳?あ?俺の事、何だと思ってんの?だいたいナギ、お前は連絡してくんのが遅せぇんだよ。この俺を待たせるとか、いい度胸してるよな!?」
ナギ《前のセリフ途中からエコーで被せる》
「デートの日に限って何でこうなっちゃうんだろ。今日こそはって気合い入れて仕事も終わらせたハズなのに……。ロマ君、めっちゃ怒ってるよ。どうしよ。」
ロマ《タバコ吸い終わり》
「ふぅ~。で?今日どうすんの?帰る?」
ナギ
「あ、えと、その……。」
ロマ
「ハッキリしろっていつも言ってんだろうが!そういうグダグダしたの嫌いなんだよ。」
ナギ
「デート……行きたい。」
《SE 革靴で数歩、歩く》
ロマ
「……店は?」
ナギ
「え?」
ロマ
「今日クリスマスなんだぞ!?予約もしないでメシとか無理だろ。」
ナギ
「一緒にいたいと思ってただけで……。」
ロマ
「お前何?バカなの?クリスマスって知ってるか?世の中の浮かれた連中が、わざわざ高い店予約してメシ食ったり、普段泊まんないようなトコ泊まったりすんだよ。もういい、俺帰るわ。」
ナギ
「待って!……お店予約とかしてないし、今からじゃアレかもしれないけど、家(うち)でもいいよ。」
ロマ
「ったく、最初からそういえば良いんだよ。ほら、行くぞ。」
《SE 革靴で歩く》
《SE ヒールで歩く》
《SE 扉閉める》
ナギ
「直ぐに用意するから待ってて。」
《SE 缶ビール開けて飲む》
ロマ
「早くしろよな。メシとかなんか適当でいいじゃねぇか。お楽しみはその後、だよな?期待してんだろ?」
ナギ
「も、もう。期待は、してるけどさ。」
ロマ
「だったら待たせんなよ。」
《SE スリッパで歩く》
ロマ
「おい。」
ナギ
「え、何?もう少しで出来るからね。」
ロマ
「そうじゃねぇって。これ、もう無いんだけど?」
ナギ
「あ~、ちょっと待って。確かここに……。あれ、無い?」
ロマ
「はぁ!?お前ふざけてんのかよ!?俺が来てんだぞ?醒めたわ。帰る。」
ナギ
「そんな!?」
ロマ
「それとも何か?別の事で俺を楽しませてくれるのかな?あ、やっぱいいや、もう別れよう。」
ナギ《エコー》
「今日はクリスマスなんだよ!?好きな人と一緒にご飯食べたりデートしたりしたい!私だって女なの!」
《ロマ電話かける》
「あ、俺。そうそう、今日空いてる?あ~、別れた。」
ナギ
「……もういい。もう無理。耐えられない。」
ロマ《電話継続》
「今から行く。待ってろよ。」
《電話切る》
ロマ
「そういう事だから、じゃあな。」
ナギ
「うるさい!」
《SE ぶっ刺す》
ロマ
「お、おま……え……。何してくれてんだよ。い、痛ぇ……。」
ナギ
「はぁはぁはぁ。うるさいうるさいうるさいうるさい!黙れ黙れ黙れ!」
ロマ
「嘘、だろ……?俺……ここで……。」
《SE ぶっ刺す》
ナギ
「あ、あはは。あはははは。真っ赤に染まっちゃったね。メリークリスマス。ちゅっ。」
終わり