3人声劇 想定20分『第3話 ディストピア』

🖊沖ママカーニバル2024

『No Limit(ノーリミット)』 作 沖ママ

第3話 ディストピア

犯人 ユカワ フミヤ : (男性)
会社員 ツキシロ ナナミ : (女性)
会社員 アイザワ ナオコ : (女性)
ガヤ1 : (女性)※ツキシロ ナナミと兼役
ガヤ2 : (女性)※アイザワ ナオコと兼役

-以下本文-

ユカワ フミヤ《演説風に一人語り》
「この世界は不条理に満ちている!平等?なんだそれは!?そんな夢物語なんてある訳がない!あるハズ無いんだ。所詮ネットだろ?リアルなんて知らないネットにいるお前らに、俺が何をした?なぁ、俺がお前らに何をした?」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「今日来てたアレ、なに?」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「マジで有り得ないんだけど。」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「引くわー。」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「何様のつもりなの?」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「もう来ないで欲しい。」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「また来たらスルーしよ。」

ユカワ フミヤ
「コイツらなんだよ!?推しにギフト投げて何が悪い!?俺の推しだぞ!俺が1番投げてるんだ。俺が、俺が!俺がいなかったらイベント勝てないだろ!?お前らで勝たせられるのかよ!出来るんならやってみろよ。さぁ、さぁ!」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「うわ、来たわ。」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「配信より板の方がコメント多いのウケる。」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「SNSも反応早いよね、この人。」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「前にヤバい書き込みしてたね。」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「拡散しようか?」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「やろやろ。」

ユカワ フミヤ
「許せない、許せない。許せない許せない許せない許せない許せない!開示請求してやろうか。……待てよ、確かこのアカウント……。ふふふ、み~つけた。馬鹿だよねぇ。ぜ~んぶ紐付けしちゃってさ。ネットとリアル結びつけちゃダメだよねぇ。何だろうなぁ、承認欲求の塊なのかなぁ。あ、鍵アカ発見~。鍵アカなんてさ、ツール使えば簡単に突破出来ちゃうんだからね。鍵かけてりゃ安心だと思ってるのかなぁ。」

《別の日 会社にて》

ツキシロ ナナミ
「おはようございます。」

アイザワ ナオコ
「あ、おはよ~。今日もお仕事たくさんだよ~。大変だ~。」

ツキシロ ナナミ
「今日は何かありました?」

アイザワ ナオコ
「何か知らないけど、クライアントからの変更指示が重なっててさぁ。」

ツキシロ ナナミ
「あら、それは大変ですね。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさんは?大丈夫なの?」

ツキシロ ナナミ
「私の担当してるクライアントさんは……まぁ、なんと言うか。よく分からない指示の出し方をされる方が多くて……。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさんとこも大変そうだねぇ。」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさんのところに比べたらマシ、かなぁ。」

アイザワ ナオコ
「はぁ~。誰かに引き継いでもらって、任せようかなぁ。」

ツキシロ ナナミ
「それがいいんじゃない?抱えててもいい事ないよ?」

アイザワ ナオコ
「え~、じゃあナナミさん、お願い!」

ツキシロ ナナミ
「私は嫌で~す。お断りしま~す。」

アイザワ ナオコ
「えぇ~!?何でよ~!?1件だけでもいいから!ね?」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさんのところのクライアントさんがなぁ。」

アイザワ ナオコ
「分かった!ケーキ!あ~、今度一席設けるから!」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさん!」

アイザワ ナオコ
「はい!」

ツキシロ ナナミ
「男を見る目は、養えてる?」

アイザワ ナオコ
「あ、うん。えーっと、多分?」

ツキシロ ナナミ
「前に飲み会やった時、見事に3Bが揃い踏みだったじゃない。びっくりしたわよ。」

アイザワ ナオコ
「でもさぁ、顔は良かったでしょ?顔は。」

ツキシロ ナナミ
「顔だけ良くてもねぇ。だから、男見る目、養いなさいよって言ってるじゃない。」

アイザワ ナオコ
「そうだけどさぁ~。」

ユカワ フミヤ
「おはよーございまーす。」

ツキシロ ナナミ
「あ、ユカワ君。おはよう。」

アイザワ ナオコ
「おはよーございまーす。」

ユカワ フミヤ
「ツキシロさん。」

ツキシロ ナナミ
「はい?」

ユカワ フミヤ
「この間の、計画書の計算。直すとこは直しといたんで、あとはあれで大丈夫だと思います。」

ツキシロ ナナミ
「ホント!?ありがとう!」

アイザワ ナオコ
「ちょっとナナミさん!こっちこっち!」

ツキシロ ナナミ
「あ、ごめんね。はいはい、なぁに?」

ユカワ フミヤ
「さ、自分の仕事しよ。」

アイザワ ナオコ
「ねぇ、なに?ユカワに手伝わせてんの?」

ツキシロ ナナミ
「たまにね。ユカワ君、細かいところまで見てるし、計算得意みたいだしさ。私の名前で出す計画書なんだもん。失敗はしたくないじゃない?使えるものは何でも使わないとね。」

アイザワ ナオコ
「うっわ、そういう考えだったのか。」

ツキシロ ナナミ
「そりゃそうだよ。誰がどう手伝おうとも、私の計画書の立案者は私の名前しかない。だとしたら全ては私の成果って事になるじゃない。わたしが考えて、私がチェックして、私が作った計画書なんだもん。」

アイザワ ナオコ
「最近、ぐんぐん成果上げてると思ったら、そんなカラクリがあったのね。」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさんも頼んでみたら?」

アイザワ ナオコ
「えぇー!?だってあのユカワだよ、ユカワ。大きな仕事は回されないし、仕事中でもパソコンの画面見ながらニヤニヤしてて、同僚の女子はおろか、男子だってあまり近寄らないあのユカワだよ!?」

ツキシロ ナナミ
「まぁ、そうかも知れないけど。利用出来るのなら、利用すべきじゃない?こんなご時世だもの、使える手駒はあってもいいと思うけど?」

アイザワ ナオコ
「そうかも知れないけどさぁ。」

ツキシロ ナナミ
「使えないと判断したら切る。それだけよ。ビジネスなんだから。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさんて、すっごくドライなんだね。」

ツキシロ ナナミ
「何言ってるの?男なんてね、使わなきゃ損よ損。ちょっとおだてたら尻尾振って付いてくるんだから。」

アイザワ ナオコ
「え、じゃあさ。見返りなし?」

ツキシロ ナナミ
「無い無い。見返り求めてくる時点で下心丸出しじゃない。そんな男には仕事は任せないわ。」

アイザワ ナオコ
「あ、そう……なんだね……。あはは。」

ツキシロ ナナミ
「……もしかしてナオコさん。」

アイザワ ナオコ
「あはは、何もないよ~?お茶したりご飯とか、デートとか……。そんなのする訳ないじゃ~ん。あはは。」

ツキシロ ナナミ
「あ~ぁ、これはやってるわね。真っ黒だわ。」

ユカワ フミヤ
「ツキシロ ナナミ。コイツは要注意人物だ。こういうタイプの女は自分のことしか頭に無い。ありがとう。とか言ってはいたが、微塵にも思ってないだろう。細かい計算ミスも多く、簡単な誤字、脱字も目立つ。こんなのでクライアントが納得しているとは到底思えないが、クライアントからのウケはいい。何かあるハズだ。まぁ、表立っては言えない事でもやっているんだろう。今まで散々協力してやったんだ。調べたら面白いものが出てくるかも知れないな。」

アイザワ ナオコ
「あ、あの……。」

ユカワ フミヤ
「ん?……俺?」

アイザワ ナオコ
「そ、そう。ユカワ君にお願いがあって。」

ユカワ フミヤ
「俺じゃなくても他にいるじゃないですか。」

アイザワ ナオコ
「ナナミ、ツキシロさんから聞いたの。ユカワ君、頼りになるって。だから……その。手伝って……もらえないかな~?と思って。」

ユカワ フミヤ
「手伝うのはいいんですけど、少し離れてもらっていいですかね?何でそんなに近寄ってくるんですか?」

アイザワ ナオコ
「あ、ごめんね。嫌、だった?」

ユカワ フミヤ
「嫌とかそういうんじゃなくて、必要ないでしょ。で?何するんですか?」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさん。ああやって男、落としてんのね。なるほど。」

アイザワ ナオコ
「クライアントから計画変更の指示が来てて。いくつか重なっちゃってるんだよね。」

ユカワ フミヤ
「分かりました。データ、送っておいて下さい。それから、資料とかあったら共有しておいて下さい。あとは俺、やりますんで。」

アイザワ ナオコ
「ホント!?お願いしていい!?助かる~!お礼にさ、今度飲みに行こ。ね?ユカワ君、そこそこイケメンだし、メガネだし?今、メガネ男子って人気あるのよね。それじゃ、お願い!」

ツキシロ ナナミ
「あ~ぁ、知~らな~い。」

アイザワ ナオコ
「やった!やったわ。ナナミさん、やったわよ!全部押し付けちゃおっと。」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさ~ん。どうなっても知りませんよ~。」

アイザワ ナオコ
「え?何が?」

ツキシロ ナナミ
「何が?じゃないですよ。お礼にさ、今度飲みに行こ。ね?ユカワ君、そこそこイケメンだし、メガネだし?今、メガネ男子って人気あるのよね。とか言っちゃって。責任取れるの?」

アイザワ ナオコ
「せ、責任……?」

ツキシロ ナナミ
「そこそこイケメンの今人気のあるメガネ男子と飲み会。約束しちゃっていいのかなぁ~?」

アイザワ ナオコ
「……あっ。そか……。」

ツキシロ ナナミ
「はぁ……。」

アイザワ ナオコ
「ヤバい!?ねぇ、私ヤバいかな!?大丈夫だよね!?」

ツキシロ ナナミ
「知りませ~ん。」

ユカワ フミヤ
「アイザワ ナオコ。コイツは何なんだ?声色変えて近付いてきたと思ったら。そんなんで手伝ってもらえるとか思ってんのか。協力を仰ぐ時に女を武器に使うとか程度が知れてる。しかも何だよこの資料。これが資料なのか?クライアントからの変更じゃなくてミスの手直しじゃねぇかよ。どうせそうやって色目使ってクライアントとも打ち合わせとか、してんだろうな。これ手直し大変だぞ。」

ツキシロ ナナミ
「部長~、外回り出てきますね~。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさん、私も!クライアントさんとこ行かなきゃ!」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさん、資料とか揃ってるの?」

アイザワ ナオコ
「あぁ!資料!ちょっと待って……。えぇっと……。これとこれと、あ!あとこれだ。良し、おっけー。」

ツキシロ ナナミ
「はいはい、それじゃ行ってきま~す。」

アイザワ ナオコ
「アイザワ、行ってまいります!」

ユカワ フミヤ
「……行ったか。ちょっと探り入れてみよう。えっと……スケジュールは……っと。」

ツキシロ ナナミ
「ナオコさん、大丈夫なの?」

アイザワ ナオコ
「大丈夫大丈夫。何とかなるって。」

《時間経過 間を開ける》

ユカワ フミヤ
「さてさて、今日の推し活っと……。あれ?ログイン出来ない。え?なになに?どういうことだよ!アカウント凍結!?はぁ!?マジかよ!……そうだ、掲示板!」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「今日来なかったねー。」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「ファンの団結力の勝利!」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「ここ、見られたりしてない?」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「見られたって何にも出来ないって。」

ガヤ1《ネットの書き込み》
「それもそうか。」

ガヤ2《ネットの書き込み》
「そんな度胸ないでしょ。」

ガヤ1
「確かに。」

ユカワ フミヤ
「何だ何だ何だ!?コイツらが俺を!?クソッ!許さない。許さない許さない許さない許さない!何かないか、何か!……そうだよ!あるじゃないか!秘密厳守の闇サイトが。確かここに……リンクが保存しておいたはず。あぁ、これだよこれ!金さえ手に入ればって考えているやつはどこにでもいるんだよ。」

《時間経過 間を開ける》

ツキシロ ナナミ
「ナオコさん、おはよ~。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさん、おはよー!」

ユカワ フミヤ
「ふはははははは、遂に来た。これだよこれ!これを待っていたんだ。くくく、ははは、あははははは!スーパーキラーT細胞!やっと手に入れられた。培養キットまで付いてくるとは……。売人はどこかの研究員かなにかか……?まぁいい。これが手に入ればあとは実験あるのみ!秘密厳守の闇サイト……。おっと、来てる来てる。掲示板の書き込みしていたヤツ。こいつだよ。まずはこいつからだ。俺をバカにした罪、その身を持って償ってもらおうか。」

ツキシロ ナナミ
「ねぇ、今朝のニュース見た?ヤバくない?」

アイザワ ナオコ
「見た見た。人気なのか知らないけどネットのアレでしょ?」

ツキシロ ナナミ
「そうそう、変死だって。しかも同じ子を推してたファンが狙われたって噂になってる。」

アイザワ ナオコ
「ネットアイドルだっけ?その子が疑われてたよね。アイドルとファンのイザコザが原因じゃないかって。」

ツキシロ ナナミ
「怖いよね~。」

ユカワ フミヤ
「おはよーございまーす。」

アイザワ ナオコ
「あ、ユカワ君!」

ツキシロ ナナミ
「おはよ~。」

ユカワ フミヤ
「おはようございます。俺に、何か?」

アイザワ ナオコ
「この間の、ありがとね。助かった~。」

ユカワ フミヤ
「別に、いいですよ。大した事はしてないし。」

ツキシロ ナナミ
「ホント、頼りになるよねぇ~。」

アイザワ ナオコ
「それで……なんだけど。また、頼んでも……いいかな?」

ユカワ フミヤ
「いいですよ。データ、送っといて下さい。」

ツキシロ ナナミ
「あ、ナオコさんずるい!私もユカワ君に頼もうと思ってたのに~!」

ユカワ フミヤ
「ツキシロさんも、データ送っといて下さい。あと、やっとくんで。」

ツキシロ ナナミ
「いいの!?ありがと~。助かる~。」

ユカワ フミヤ《小声》
「コイツら、どんなけ俺に仕事させようってんだよ。」

アイザワ ナオコ
「ユカワ君?なんか言った?」

ユカワ フミヤ
「いや、別に。何も。」

ツキシロ ナナミ
「ユカワ君にデータ送ったら、新規クライアントさん獲得に行くわよ、ナオコさん。」

アイザワ ナオコ
「そうだね、新規開拓しなきゃね。」

ツキシロ ナナミ
「じゃ、あと宜しくね、ユカワ君。」

アイザワ ナオコ
「お願いしま~す。」

ツキシロ ナナミ
「さぁ、行くわよ~。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさん、待って下さいよ~。」

ユカワ フミヤ
「やっぱり……。これで何度目だ?俺に仕事押し付けてどこで何してるんだかな。……さてと、時限爆弾でも仕掛けておこうか。あとは長期の休暇取らなきゃだな。くくく、これからもっと忙しくなるぞ……。目障りなヤツはこの俺が、この社会から排除する。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさん、これバレたらヤバくないですか?」

ツキシロ ナナミ
「バレないわよ。アポ無しで押しかけて、ちゃんと門前払い食らってるんだもの。実績は残してる。」

アイザワ ナオコ
「平日の昼間に、優雅にランチしてカラオケとか完全にサボりじゃないですか。」

ツキシロ ナナミ
「会社に戻ってもいいのよ?その代わり、部長のご機嫌取ったり聞きたくもない同僚の愚痴聞かされたり、飲み会の誘いとかもうウンザリ。ストレスはちゃんと発散しないとね。」

アイザワ ナオコ
「まぁ、それもそうですけどね。」

ツキシロ ナナミ
「資料はそれなりに作ってあとはユカワにやらせればいいのよ。そうすれば実績は私のモノ。」

アイザワ ナオコ
「ナナミさん、頭いい~!」

ツキシロ ナナミ
「さぁ、今日も歌うわよ~!」

《時間経過 間を開ける》

ユカワ フミヤ
「俺が、俺がこの世界を変える。この不条理に満ちた世界を!なぜ誰も疑問に思わないんだ?なぜこの俺が不当な扱いを受けねばならん?この世界こそが間違っているんだ。俺が何をした?なぁ、何もしていないんだぞ!?狂ってる。あははは、狂っているのは俺か?いや、この世界だ!!!」

ガヤ1《井戸端会議》
「ねぇちょっと。」

ガヤ2《井戸端会議》
「ん?どしたの?」

ガヤ1《井戸端会議》
「最近さぁ、変な声が聞こえない?」

ガヤ2《井戸端会議》
「変な声?例えば?」

ガヤ1《井戸端会議》
「なんかね、夜な夜な叫んでるのよ。どこかの部屋だと思うんだけど、聞いたことない?」

ガヤ2《井戸端会議》
「ないない。私は全然聞いた事ないわよ?」

ガヤ1《井戸端会議》
「えぇ~、何か怖いのよ。旦那も普通に寝てるし、取り合ってくれなくて。」

ガヤ2《井戸端会議》
「旦那さんも気になってないなら、別に気にすることないんじゃない?」

ガヤ1《井戸端会議》
「何か怖いなぁ~。」

ガヤ2《井戸端会議》
「大丈夫だって。」

ガヤ1《井戸端会議》
「あら、ユカワさん。おはようございます。」

ユカワ フミヤ
「あ、どうも。」

ガヤ2《井戸端会議》
「おはようございます。」

ガヤ1《井戸端会議》
「凄い荷物ですね、ご旅行ですか?」

ユカワ フミヤ
「えぇ、まあ。そんなところです。」

ガヤ2《井戸端会議》
「いいなぁ~。ウチなんて何年も旅行とか行ってないわ。」

ガヤ1《井戸端会議》
「ウチもそうよ~。ちょっと買い物に遠出するぐらいだわ。」

ガヤ2《井戸端会議》
「ウチなんて遠出もしないわよ。」

ユカワ フミヤ
「あ、俺……。行きますんで。」

ガヤ1《井戸端会議》
「あぁ、そうそう。それでね。」

ガヤ2《井戸端会議》
「うんうん。それってさ、アレなんじゃないの?」

ガヤ1《井戸端会議》
「アレじゃ分かんないわよ。」

ユカワ フミヤ
「ったく、朝からうるせぇよなぁ。この世界に、そんなに不満があるなら俺がこの手でやってやるさ。首を長くして待ってな。半年……いや、1年でこの世界は変わる。くくく……。」

第3話 ディストピア 終わり

幕間へ続く


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