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織木真々
2020年7月28日 20:01
都会とは暮らしやすく生活に不便はない。不便はない、と言いながらも不満はある。ジリジリと照りつける太陽の下でアスファルトがしっかりと照り返し熱を溜め込むというコンボを繰り出し、ビルに、家庭に、店舗に備え付けられたエアコンがその存在を誇示するかのように温風を放出する。更に言えば無尽蔵に走り続ける車の車列がまた熱を生み、熱を放出する。街頭のテレビは連日の気温を発表し、猛暑だ酷暑だと連呼する。立ち並
2020年7月29日 21:31
「今年の夏休み、どうする?」「どうするってもなぁ。」今年は例年と違い、色々あって。本当に色々な事があって夏休みが極端に短い。そんな部活終わりの残り少ない夏休み前の平日。俺はいつものようにお前と共に帰る。「お前は?」「俺は、、、なんもない。」そんな会話を交わしながら自転車に乗り、いつもの帰り道を帰って行く。普通の高校生に何か特別な事が有るわけでもなく、ただ毎日を淡々と過ごしている。これに
2020年7月30日 20:46
「ねぇ今度の休み、プラネタリウム見に行かない?」「プラネタリウム~?」目の前の椅子に座り、ニコニコと微笑みながら唐突に切り出される話題に俺は面食らい、すっとんきょうな声を上げてしまった。小さな町のオープンカフェの一席。幸い周りに客はおらず、俺達のとぼけたやり取りは聞かれる心配はない。「いいじゃ~ん。行こうよ、ね。」「あ~、しゃあない。行くか。」「やったぁ♪」プラネタリウムだぞ、プラ
2020年7月5日 17:34
「私、結婚、、、するんだ。」彼女と別れてから3年の月日が経とうとしている。部屋のカレンダーを見ると改めて3年と言う年月が過ぎた事実が心に刺さる。「色々あったね。」付き合いださしてすぐのケンカ。理由など大した理由ではない。彼女が楽しみにしていた約束の日を僕は仕事の都合でドタキャンした。付き合いはじめてしばらくたったある日、僕は仕事を理由にデートの誘いを断った。仕事が終わらずに残業し、上司