飼育員の勉強会
皆さんお久しぶりです。
今回は飼育員の勉強会についてお話したいと思います。
実はこの1年間たくさんの飼育員や獣医の勉強会(会議)がありました。
実際にどのような勉強会があるのかというとゾウ会議やキリン研究会、種保存会議、大型動物麻酔研究会などなど、全国の飼育員や獣医と情報共有や飼育環境や飼育方法の問題解決に向けて討論します。
その中でも私が参加したゾウ会議とキリン研究会について少しお話します。
まずゾウ会議は、全国の動物園(JAZA加盟園館)のゾウ担当が集まりこの1年の出来事(病気や治療、エンリッチメント、繁殖、ゾウの移動、導入、餌など)の発表や、海外のアジアゾウ飼育管理専門家の講演などなど内容盛りだくさんです。
初めて参加したゾウ会議ではしたが、新たな飼育環境の改善や沖縄とは違ったエンリッチメント、トレーニング方法、病気への対処法など学ぶことがたくさんありました。
次はキリン研究会についてのお話です。
ブログのネタがモリ飼育員と被ったので説明は省略したいと思います(笑)。
キリン研究会では沖縄こどもの国がホーム園館としての開催となりました。私も実際に午前中の獣舎紹介のライブ配信のADとして、午後のグループ討議では飼育者として参加しました。
今回のグループ討議の議題は理想のキリン舎について討議を行いました。
キリンにとっての幸せとは?どんな獣舎にするといいのか?と飼育者としての考えをグループごとに意見を出し合いました。
北は北海道から、南は沖縄と様々な環境の中、飼育者、教育普及員、獣医と分野を超えたグループ討議となりました。
実際に各グループで発表された理想のキリン舎についての一部を紹介したいと思います。
・キリン舎は台風や寒い冬などにも対応できる全天候型の広いドームで群れを飼育するために複数の広大なパッドクを作りたい!
・自然採食ができるようにたくさんの植物を植えたい!
・自動給餌器や給水器たくさんの種類のフィーダーが欲しい。
・トレーニング用のシュートやサブパドック、体重計を設置したい!
・キリンと同じ目線や足元からなどキリンの大きさ体感できるような作りにしたい!
・キリンを見ながら一日中過ごせるようなカフェやレストランが欲しい。その収益を野生のキリンへ還元できる仕組みを作りたい!
・災害時にも運用できる太陽光発電や風力発電などを設置したい!
・動物が隠れることができる場所も設置したい!
・寝室の床はコンクリートではなく砂やおが粉などを敷き詰めたい!
などなど書き出すときりがないくらいたくさんの意見が集まりました。
理想を現実にするために各園館で少しずつ現在の獣舎の改善を行ったり、新しい獣舎を建て替える際には、こうした意見を踏まえて計画を進めてている動物園も増えています。
このキリン研究会やゾウ会議に参加して動物たちにとっての幸せとは?と考えさせられる1日となりました。