食事制限してるのに全然痩せない方は見て!(カロリー計算の基本)
Q1 成人男性・成人女性が知っておきたい「カロリー」のポイントは?
A. カロリーには、「摂取カロリー」と「消費カロリー」があります
「カロリー」とひとことでいっても、「摂取エネルギーのカロリー(摂取カロリー)」と「消費エネルギーのカロリー(消費カロリー)」の2つがあります。ダイエットのためにカロリー計算をするなら、それぞれを分けて理解することが必要です。
成人男性&成人女性の「摂取カロリー」
摂取カロリーというのは、食事から摂るエネルギーのカロリーのこと。人間が生きていくためには常にエネルギーを使いますが、そのエネルギー量≒必要な摂取カロリー量の目安となります。
成人男性&成人女性の1日あたりの摂取カロリー目安量を抜粋したものです。表にある「身体活動レベル」というのは、それぞれ次のような基準で分けられています。
表からわかるように、必要なエネルギーの目安量は年齢や性別・身体活動レベルなどによってさまざま。たとえば35歳の男性で、仕事はデスクワーク、通勤や軽い散歩以外に運動習慣はない方の場合は2,700キロカロリーです。
ぜひ、ご自身の摂取カロリーの目安を確認してみてください!
成人男性&成人女性の「消費カロリー」
消費カロリーというのは、身体機能の維持や運動などによって失われるエネルギーのカロリーのこと。こちらの円グラフは、その内訳を示したものです。
「カロリー消費=運動」とイメージされる方も多いかもしれませんが、実は私たちが毎日消費しているエネルギーの約60%は、基礎代謝によるものなのです(平均的な体形で、平均的な生活をしている方の場合)。
基礎代謝とは、運動をしなくても消費されるエネルギーのことで、筋肉が消費するエネルギー量が最も大きく(約22%※)、それとほぼ変わらないくらいの割合で肝臓、脳が続きます。
では、次は、基礎代謝でどれくらいのカロリーを消費しているのか具体的に見ていきます。
上の表は、成人男性&成人女性の平均基礎代謝量を示したものです。男性は1,500キロカロリー、女性は1,100キロカロリー程度で、どちらも50歳頃からゆるやかに減少していくことがわかります。
Q2 「カロリー計算」で気をつけたいことは?
A. 毎日の摂取カロリーを現在より100kcalずつ減らしても、痩せ続けることはできません
皆さんご存じのとおり、体重の増減や維持にあたっては、摂取カロリーと消費カロリーを以下のようなバランスに調整する必要があります。
しかし、
「現時点での1日の消費カロリー」-「現時点での1日の摂取カロリー」=100キロカロリー
になる状態を続ければ、継続的に少しずつ体重が減り続けるのかというと、実はそうはなりません。
生活スタイルを変えず食事制限のみによって体重を減らすと、脂肪だけでなく筋肉も減少します。また、摂取カロリーを減らすと食後の熱生産(栄養素が分解され、その一部が熱として消費されること)の量も低下。
すると、体重の減少に比例して消費エネルギーも減少していくので、どこかで「摂取カロリー=消費カロリー」になります。
そこからさらに体重を落とすには、消費エネルギー量を増やすか、摂取カロリーをさらに減らすかという対策が必要です。
Q3 自分の適正摂取カロリーの範囲なら、なにを食べてもOK?
A. 栄養バランス次第では“太りやすく痩せにくいからだ”になる可能性があります
炭水化物や脂質で摂取したカロリーも、たんぱく質で摂取したカロリーも、数字だけで見れば同じです。
一方、私たちのからだは常に代謝していて新しく作り変えられています。もちろんこれは筋肉にもいえることで、筋肉量を維持するためには、たんぱく質の摂取が必要になります。代謝をするとき、食事から摂るたんぱく質が不足していると、筋肉の分解だけが進み筋肉量は減ってしまうんです。
Q1でお話ししたとおり、基礎代謝量を高くキープするためには筋肉量の維持が欠かせません。食品のカロリーの数字だけを見て栄養バランスを考えないと、いつの間にか基礎代謝量が減り、摂取カロリーは増えていないのに太ってしまう“太りやすく痩せにくいからだ”になる可能性があります。
Q4 食べる量が変わってないのになぜ体重が増えるの?
A. 多くの場合、筋肉量や運動量が減ることが原因です
「基礎代謝量」の表でご紹介したように、私たちの基礎代謝は加齢に伴いゆるやかに減少していきます。また、年齢とともに、一般的には身体活動量も減りやすい傾向にあります。
一方で、食の好みや食べる量は意外と変わらないもの。結果、年齢を重ねるほどに「摂取カロリー>消費カロリー」となりやすく、「食べる量は同じなのに体重が増えた」という現象が起こりがちになります。
そんな事態を避けるために必要なのは、20代や30代のときよりも運動量を増やすこと。筋トレと有酸素運動のどちらもバランスよく行うのが理想的ですが、太りにくいからだを目指すなら、基礎代謝量を増やす筋トレがおすすめです。
Q5 「カロリー計算」は正直めんどうくさい。意識しない方法は?
A. “はかる”ことを習慣にし、数字を見て考えるのが効率的です
「太らないための、食事と運動量」を体感でつかめれば、細かくカロリー計算をする必要はありません。そのためには、まずは自身のからだを「はかること」がおすすめです。
体重の増減をチェックし、増えたら原因を振り返り、生活を変える……これを繰り返せば、からだへの理解は深まっていくはず。できれば体組成計を使い、細かくはかれるといいですね。基礎代謝量や筋肉量、体内年齢、体脂肪率、内臓脂肪レベルなどがわかる体組成計を活用すれば、からだの変化は一目瞭然です。
はかるだけなら、細かくカロリー計算をするよりも圧倒的にラクなはず。はかることを習慣化して、数字の変化に応じて生活を見直してみてください。
まとめ
「食事制限してるのに痩せない!」の不思議が少し解決したでしょうか?ポイントは、ただ食事量を極端に制限をするのではなく、摂取する物を栄養素中心に整えていく事、かつ体重などをはかり摂取カロリーが適切かチェックする事、また筋肉も増やしていく事です!
ぜひ1つでも取り入れて実践してみて下さいね!