よく聞く沖縄振興予算とは何?
毎年、新聞を賑わす、沖縄振興予算、近年は3000億円に到達し
やれ、3000億円を割っただの増えただのと言われていますが
そもそも沖縄振興予算とは何なのでしょうか?
基地とは無関係な沖縄振興予算
沖縄振興予算というと基地とバーターであるとか、
沖縄だけの特別な予算が上乗せされているとか考えられがちですが
それは誤解で、他の都道府県が出す予算の要求と同じです。
ただ、沖縄だけは関係省庁ではなく
内閣府の中に沖縄担当部局があり
そこが担当しているのが違いです。
他の都道府県は米軍基地がなくても、予算を貰えていますから、
当然沖縄も仮に米軍基地がゼロでも沖縄振興予算を受け取れます。
インフラ整備が遅れた沖縄の本土並みを目指して制定
沖縄振興予算は沖振法という法律に基づいて支給されていて、
他の都道府県より補助率が高いなど、有利な点もありますが
それは、復帰後の沖縄のインフラ整備が日本より大幅に遅れている事を
取り戻すという名目からそうなっています。
元々、沖縄の復帰後、政府は沖縄の経済を他府県並みにする事を
掲げていましたから、そうなったのです。
沖縄振興予算は二つに分かれている
平成30年度内閣府の沖縄振興予算総額は3,010億円となっています。
これは2つの予算から出来ており
・沖縄振興一括交付金が1188億円
・国直轄の公共事業関係費が1420億円
後者の公共事業関係費は
今まで通りの使途が決められた紐付き公共事業で
前者の沖縄振興一括交付金は、
沖縄振興に資する沖縄の特殊性に基因する事業等を
県が自主的に実施できる制度として創設され
その使途を県が決める事が出来る自由度の高い予算です。
沖縄振興一括交付金はさらに2種類に分かれる
沖縄振興一括交付金は、2002年に制定された
沖縄振興開発特別措置法により定められさらに二つに分かれています。
1沖縄振興特別推進交付金・・県が行うソフト事業用予算
2沖縄振興公共投資交付金・・県が行うハード面の公共投資
この中の1沖縄振興特別推進交付金は、
これまでの国庫補助制度のような限定された
補助対象事業のメニューの中から事業を選択するのではなく、
沖縄振興に資する沖縄の特殊性に基因する事業を
自主的に企画・立案することが可能な交付金です。
自由度が高いながら事後評価が厳しい
自由度が高いと言いながら、
沖縄振興特別推進交付金は補助金適正化法の対象になっており、
事業執行後に厳しい査定があります。
それを恐れてか、沖縄振興特別推進交付金が交付されても
沖縄県は使い切る事が出来ず、なんと2012年までは
50%が返却されていました。
投資した金額に見合う成果が上がらないと怒られるという事で
これを怖れて、なかなか新しい事業に取り組む事が出来ず、
既存のNPOや民間企業に補助金を出す等でお茶を濁しています。
しかし、これではベンチャー起業などには危なくて予算を付けられず
一体何のための補助金か分からない制度でもあります。
これも県から文句言って改正すべきでしょう。
琉球・沖縄の歴史を紹介しています。
http://blog.livedoor.jp/ryukyuhattuken/