
「縦読みマンガ」への変化に対して、マンガ家として大切なこと
韓国発祥で、スマホで縦スクロールしながら読むフルカラーの「縦読みマンガ」が、中国や日本でも人気で、世界中に広がっているようです。
ユーザー層が拡大しグローバル展開へ
「縦読みマンガ」は1話あたりのコマが少なく、コマが大きくスマホで見やすいので、読者が自分のペースで読めるのが特徴。
スマホの普及でデジタル化は進み、マンガは2017年から紙よりも電子書籍の方が読まれているとのこと。
雑誌など紙媒体ではなく、スマホでマンガを読むユーザーが増えていること、フルカラーで読みやすいことでマンガのライトユーザーに人気の背景も。
しかも、海外の読者は、縦スクロールマンガのほうがフルカラーで読みやすいので、グローバルに展開へ広がっているようです。
ビジネスモデルが大きく変わり集団制作へ
「縦読みマンガ」のビジネスモデルは従来型と大きく違い、予算も手間も従来の3倍かかるため、スタジオでの集団制作へ。
マンガとアニメの中間のような作り方。映画に近い描き方や表現。大きな資本を持つ大手企業が参入しています。
フルカラー、高いクオリティーが求められるので、その違いに合わせて、「縦読みマンガ」作家の育成も課題になっているようです。
デジタルとアナログの大きな違いによる課題
従来のマンガから「縦読みマンガ」へ、媒体のデジタルとアナログの大きな違いがあります。
●従来のコマ割りによる横読みマンガは、スマホの小さな画面では読みづらいので横幅が決まっているのでコマ割りせずコマが大きくなる
●1話当たりコマが少ないので何話も先まで準備が必要。
●デジタル化でフルカラーで高いクオリティーが求められる。
絵、コマ割り、フキダシ、余白などで、時間や場所・キャラクターの関係性を、物語として表現してきた従来のマンガに対し、「縦読みマンガ」特有の課題も見えてきています。
●1話あたりのコマが少ないので、登場するキャラクターや、物語ストーリーをどう展開させるか
●集団制作なので作家の個性が出にくい
●同じような作品(競合)が増えることで市場の壁もある
マンガ家にとって大切なこと
作家の個性が出にくい、作家性とオリジナリティ、従来マンガの空間的な広がり、ストーリーやキャラクターの世界観、余白が持つ余韻など・・
縦読みマンガへの変化の中で、作家には様々な課題が出てきます。
では、作家(クリエイター)として、漫画家はどう取り組むのか。
マンガ家にとって大事なのは、コマ割りではなく、ストーリーやキャラクターの世界観が作れること
縦読みに読む形は変わっても、マンガ家として、作家として大切なことを、マンガ家の東村アキコさんは伝えています。
ストーリーに世界観を作る。
クリエイターとしてとても参考にしたいです。