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廃墟百景1

伊是名島でなかなか表面化されない空き家問題

 伊是名島は人口減少から移住促進を促すものの、住める家が少ないという問題があります。空き家はたくさんあるけれど、家の持ち主が亡くなったり本島に引っ越したまま放置されそのままになった家がものすごく多い。
 観光向けの「キラキラした海とのんびりした時間」とは裏腹に、冷静になって見てみれば島内はどこもかしこも廃墟だらけという現実が住民を悩ませています。

独身は住めるけど、家族は住めない

 伊是名村は移住者・Iターン者の若者向けに「定住促進住宅」という、ワンルームタイプのアパートを建設しています。が、結婚したらこの住宅を出る(入居は40歳未満)という制限付き。
 つまり結婚すると島内では住める家がほぼない状態なので、自動的に島から出ていかなければなりません。定住促進とはこれいかに…?

 家族で住めた幸運なタイプは、たまたま前の住民が引っ越したタイミングで滑り込んで入居できたり、家主が諸事情により本島に引っ越して「誰かに貸してあげよう」という奇特な方が家を貸してくれた場合など。
 家族が増えて家が手狭になったとしても、島内で引越しなんて夢のまた夢で、島民同士でもとにかく「いい家ない?」と情報交換している状態。

 新しく家を建てようにも、離島では材料の輸送費もかかる上に建築を本島の業者にお願いした場合は宿代もかかり、昨今の物価高騰も加わって新築という選択肢はとても難しい。もう八方塞がりとはまさにこのこと。

 もちろん空きがあれば村営住宅にも入居できますが、所得により家賃が変動するため人気の物件とは言いがたいです。

いっそ廃墟を見どころにしてはどうだろうか

 廃墟だらけなのだから、いっそ廃墟を愛でようではないですか。
 見どころとしては、「いかにも沖縄の古民家」という家から「沖縄の戦後を象徴する鉄筋コンクリート」という家が混在しているところ。小さな島なので、点在していてもイッキ見できるというのが利点だと思います。好きだったら廃墟なんて一日中見てられますからね‼︎
 かつてここにあったもの、その生活を想像して廃墟萌えを楽しみましょう。ちなみに100件いったら終了する予定。(多分、余裕で100件以上あるけど…)

※空き家ではありますが、人さまの家なので敷地内には入りません

No.001
お庭が綺麗なシースルータイプ。というか廃墟としてはやや綺麗め。(奥が)見えそうで見えない…あーっ!見たい!という廃墟のチラリズム100点満点。廃墟度:★★★★☆
カッコ良さ:★★★★★

No.002
な〜んも残っていないタイプ。ほぼサラ地だけど奥に小屋が残っていて、真ん中には立派な家があったんだろうなと想像したり。敷地広っ。
廃墟度:★★☆☆☆
カッコ良さ:★★☆☆☆

No.003
ぼっさぼさタイプ。とにかく緑が侵蝕しているので家自体はあまり見えないのでチラリズムは少めでガードが硬い感じ。
廃墟度:★★★☆☆
カッコ良さ:★★☆☆☆

古い建物は過去が見られる貴重な存在

沖縄で現存する最古のコンクリート建築は大宜味村にある「大宜味村役場旧庁舎」。以前は自由に見学可能でしたが、現在は入れないのだそう。建物が風化すればするほど、観察できる機会はどんどん減っていきます。貴重な過去を見逃さないよう、古い建物を愛でていきたいと思います。

伊是名郵便局ももうすぐ見納めです。

対のシーサーかと思ったらネコだった。

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