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屋良ムルチの大蛇
ひさしぶりの「沖縄異界散歩」を書きます😊。
「沖縄異界散歩」では、観光地ではないけど、ちょっと怖くて不思議な沖縄をご紹介します。
今回は、嘉手納町(かでなちょう)にある「屋良(やら)ムルチ」です。大蛇の伝説がある池です。
まず嘉手納町の「道の駅かでな」へ向かいました。国道58号線を車で、まっすぐ北上します。
すると右手の道沿いに高いフェンスが見えました。
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「なんだろう~?」
フェンスの向こう側は、よく見えません。
そうこうしているうちに「道の駅かでな」に到着しました。
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「道の駅かでな」には展望台があり、そこからフェンスの向こう側をみることができます。
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米軍の「嘉手納空軍基地」が見えました。とっても広いです。
「道の駅かでな」に展示されていた、航空写真です。赤い線で囲まれた部分が嘉手納町です(*線が細くて見えづらかったので上書きしました)。
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Wikipediaによると「現在も嘉手納町の面積82%が米軍基地に占有されている」そうです(2022年3月現在)。町民が住める面積が2割も満たないなんて…これが現実です。
「道の駅かでな」に車をとめて、「屋良ムルチ」へ向かいました。歩いて5-10分くらいの場所にあります。
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こちらが屋良ムルチの看板です。
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わかりづらい…。車からだと、見落としてしまいそうです。
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屋良ムルチの看板には大蛇の伝説が書かれていました。看板の背後には嘉手納基地があります。
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屋良ムルチは、比謝川の沖縄市との境界部分にある淵(クムイ)で、大きさは、1934年(昭和9)に沖縄県耕地課の測量によると長さ49間(89m)、幅21間(38m)、深さ48尺(14m)となっている。 屋良ムルチには、「人々に災いをもたらす大蛇が住んでおり、生贄として若い娘が差し出されたが、天の神様が娘を救い、大蛇を退治した」という伝説が残っており、この伝説をもとに、18世紀初め頃に玉城朝薫が創作した組踊「孝行の巻」が作られたといわれている。また、18世紀中ごろに作られた沖縄各地の口碑伝承を集めた『遺老説傳』にも、屋良ムルチに大蛇が住んでいたと記されている。 現在でも字屋良集落では、村の繁栄と豊作を願うムルチ祈願が旧4月14日以内に行われている。
屋良ムルチの大蛇の伝説は、沖縄の「組踊」にもなったのですね。組踊「孝行の巻」見てみたいものです。
こちらが屋良ムルチの入り口です。
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なんか怖い・・・。
ハブ(毒蛇)が出たらどうしよう・・・。
でも、せっかく来たし・・・。
そんなことを考えながら、思い切って入ってみることにしました。
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ハブではなくてワニガメに注意の看板がありました。
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ハブがいたら逃げてもらおうと、わざと道ばたの草を「ガサガサ」音を鳴らしながら、階段をおりていきます。
ふと、頭の上を見上げると・・・!
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なにこれ・・・謎のつる植物の実がありました。
なんという植物でしょうか・・・?
ご存じの方いませんか?
→後日分かりましたが、「イルカンダ」という花のようです😊
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階段をおりると、わりとすぐに池が見えたので、ほっとしました。なんか神秘的。
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「ムロキノ嶽神名アキミウハリミウノ御イベ」と書かれていました。石碑に関して、ネットで調べてみましたが、よくわかりませんでした。詳しい人に教えてほしいものです。
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比謝川の上流、嘉手納町と沖縄市の境の山中に屋良ムルチと呼ばれる池があります。昭和9年の観測によると、広さが715坪あったと記録されていますが、戦後米軍基地の拡張工事のため約半分が埋められました。
https://www.town.kadena.okinawa.jp/kadena/historic_sites.html
嘉手納町のホームページによると、屋良ムルチは、米軍基地の工事で、半分埋め立てられたようです。もっと大きな池だったのですね。
屋良ムルチのさらに奥は、深い森が広がっています。しかし森は、米軍の基地になっているので、入ることができません。残念。
ぼんやりと、池をながめていると、水の中を黒い影が横切りました。
「もしかして・・・大蛇!?」😨
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どきどきしていると、カメさんが水面に顔を出しました😅。ワニガメではなさそうです。
屋良ムルチの大蛇は、「ホロホロー森のキジムナ」で、そのうち登場させるつもりです😊。
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