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支援事例「従業員雇用 手続き知りたい」

令和 6 年 9 月 22 日 沖縄タイムス経済面掲載

労保や社保 加入必要

 ◆ 企業名 非公表
 ◆ 業 種 建設業
 ◆ 所在地 非公表
 ◆ 資本金 100万円
 ◆ 創 業 2022年
 ◆ 従業員 1人

【相談】
 これまで社外の方に請け負ってもらい対応してきたが、仕事が増えてきたため従業員を雇用することを検討している。雇用することは初めてなので労働条件など、手続きやルールが知りたい。

【回答】
 相談者は2008年に個人事業として木造住宅の外壁工事を始めた。2022年に法人化、順調に業績を伸ばしてきた。これまでは雇用はせず請負契約で対応してきたが、仕事の依頼増加に対応するため新たに従業員を雇用することとした。初めての雇用に際し、どのような手続きや条件を定めるべきかを知りたいと、よろず支援拠点に相談に来られた。
 まず、雇用契約と請負契約の違いについて説明。雇用労働者は会社の指揮命令の下で働き、労働保険や社会保険に加入する必要がある。一方、請負契約は仕事の完成を目的としており、請負契約の受託者は業務の進め方や時間配分を自由に決めることができ、労働法の適用対象外となる。
 その上で、これまで請負契約の受託者には日当を支給していたが、従業員として雇用し安定した収入が得られるので月給制を勧めた。また、労働条件通知書の作成や就業規則の作成についても労基法などを下回らないよう注意が必要である。労働条件通知書は労働者との約束事を明確にするために重要であり、各条件を確認しながらどのように記載するかを助言した。
 就業規則の作成については厚生労働省モデル就業規則を基に、相談者企業の現状に応じた内容とするように調整した。さらに、産休・育児休業などについては育児介護休業法に基づき、育児介護休業規定を定める必要があるため、厚生労働省のモデル規則を基に作成した。
 相談者は今回雇用する従業員に手当や一時金を多く支給したいと考えていた。従業員に対する思いはよいが、理由なく支給するのではなく、賃金規定などで手当や一時金を支給する条件や金額を決めておくことが重要であると助言した。今後賃金を引き上げるための条件などを規定に加える予定である。
 初めての従業員雇用に関する手続きや条件設定について、具体的なアドバイスを提供し、安心して従業員を雇用し事業継続できるよう引き続きサポートして行く予定である。
(県よろず支援拠点コーディネーター・平田勇次)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12797797.html


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