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支援事例「事業承継で留意すべきは何か」

支援事例「事業承継で留意すべきは何か」

自社の強みと弱み把握

 ◆ 企業名 C社
 ◆ 業 種 建設業
 ◆ 所在地 本島中部
 ◆ 資本金 非公表
 ◆ 創 業 非公表
 ◆ 従業員 20人

【相談】
 現在、当社の課長を務めている35歳の長男への事業承継を進めたい。長男の了承も得ており、株式や財産の分配についてはこれから顧問税理士と相談予定である。そのほか何に留意すればよいのかアドバイスがほしい。

【回答】
 65歳の相談者は5年後のリタイアを目標に後継者候補である長男への引き継ぎを計画中。事業承継のセミナーを受講し、情報収集を行っており承継に向けた早めの準備の必要性については認識している。
 事業承継と聞くと一般的に株や事業用資産の移転時に生じる相続税対策だと思われがちだが、実は相続税対策は事業承継の一部に過ぎない。国が実施したにアンケートによれば、現経営者が先代から事業を引き継いだ際に苦労した点について、「経営力の発揮」「取引先との関係維持」「一般従業員との関係の維持」との回答が上位にきている。このような問題点を考慮し、事業承継を行っていかなければならない。
 例えば技術力、ブランド、経営理念などは知的資産と呼ばれ数字には表れない目に見えにくい経営資源である。実は長年会社を支えてきた「競争力の源泉」はこのような目に見えにくい部分にあることが多い。そのため後継者が会社経営をしっかりとした形で引き継ぐためには、まずこの見えにくい資産を把握することが非常に重要である。
 いわゆる知的資産の棚卸し(見える化)と呼ばれるもので、自社の強みを抽出しつつ、弱みを知る作業である。この作業を行うに当たっては、現経営者と後継者が共同で取り組むことが大事である。なぜならその過程において「経営の承継」のみならず経営の磨き上げに必要な課題も共有できるからである。後継者は把握した自社の強みを継承し、弱みを補うための行動計画を立て、スケジューリングすることで、承継と合わせて業績の向上につなげる取り組みが可能となる。
 相談者にはこうした点を理解いただき、後継者となる長男と共に知的資産の棚卸し作業のサポートに入ることになった。C社の強みは長年の実績と取引先との信頼関係、現代表の持つ人的ネットワークと特殊な施工技術である。弱みとなるのは、人手不足、職人の高齢化、材料費の高騰などによる原価率の上昇である。
 今後は引き続き強みの承継と弱みの解消に向けて行動計画のサポートを行っていく。
(県よろず支援拠点コーディネーター・大城剛)

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。問い合わせや相談は同支援拠点、電話098(851)8460。

詳しくはコチラ >> https://yorozu.ti-da.net/e12742634.html

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