いなだ流「お詫び文書」フレームワーク
どうもこんにちは、inazooです。
私は故合って実に多様なお詫び文書をしたためる機会に恵まれました。
いや、こんなもの恵まれないのに越したことはありません。
しかし、縁あってこのページを閲覧いただいてる方におかれましても、もしかしたら何か過ちを犯してしまい、このような文書を会社や相手方から求められているかもしれません。
まずは、自身の犯してしまったことについて、真摯に受け止め反省しましょう。
これは大前提です。
お詫び文書の作成にあたって
反省をしましょう、なんて偉そうに述べましたが、とどのつまり、お詫び文書をご自身で書かなくても、反省はできます。あくまで始末書や顛末書、謝罪文といったものは儀式です。
そのため、私はお詫び文書代行サービスというものを行っています。↓↓↓
おかげさまで、2019年の1月にスタートした本サービスですが、様々なお客様にご用命いただいております。これまでに作成させていただいたドキュメントは・・・
始末書
顛末書
謝罪文
示談用謝罪文 でした。
いずれのお客様も決して反省していないわけではなく、どちらかというと、いなだがヒアリングの後に記述する、再発防止策や客観的な原因分析などに価値を見出していただいております。
そこで、既に何件かのお客様の文書を作成するにあたり、いくつかの法則性や謝意を込めるのに最適なフレームワークが出来上がりました。
いわゆるフレームワークのようなもので、中身を構成する要素は過ちの内容によって異なります。そのため、コピペで済む話ではありませんが、大枠を掴めれば、後は自身が把握している事実を充て込んでいくだけです。
今回はその手法の紹介となります。
この記事で得られるもの
まず、いなだ流「お詫び文書」フレームワークをご一読いただくと可能になるポイントは次の点になります。
・30分程で始末書が作れる
・自分の過ちを整理できる
・過ちを次に活かすポイントが見つかる
・いなだの始末書レビュー付き ※1
※1.
記事最下部に専用の問い合わせフォームを用意しております。そこに作成いただいたお詫び文書を送っていただければ、いなだがレビューを行います。
※無料
ご存知の通り、インターネット上で「始末書 テンプレート」と検索すれば、実に様々なテンプレートが転がっています。それは事実です。
しかし、文書のはじめ方や宛名や氏名の書き方は分かれど、肝心の反省の要素をどのように伝え、どのように再発防止策を掲げ、最終的に今後の自分をアピールすることができるのか、そういった重要な文書の中身に関するテンプレートはなかなかありません。
そこで、今回紹介するのは、あくまで形式的なものではなく、始末書が今後のチャンスに転じるような、上司や役員からの期待を煽れるようなものに昇華させるテクニックになります。そのために、いわゆる始末書のテンプレートと呼ばれるものと一線を画すために、フレームワークと呼んでいます。
ちなみに、以下の記事にいなだ流始末書の作成にあたっての基本的な考え方が纏められています。お時間ある際に一読ください。↓↓↓
重複しますが、お詫び文書を作成することにはあまり意味はありません。
しかし、作成を通して自身の過ちや今後の自分を冷静に分析できること、そして新たな一歩を早々に歩むことが大切です。
したがって、当該フレームワークを理解するまでもなく、ドキュメントはサクッと終わらせたいという場合は、引き続き下記「お詫び文書代行」までご用命くださいませ。↓↓↓
これまでの実績ベースですと、平日日中帯にご用命いただければ翌営業日には初稿を提示することが可能です。お気軽にお問合せくださいませ。
それでは早速、始末書を秒速で終わらせるための手法を解説していきます。
始末書のフレームワーク
始末書を作成する際に、簡単にでもいいので次の5要素を洗い出し、箇条書きにしてみてください。また、洗い出す順番も次の通りの順番にすると頭が整理し易いかと思います。
そして、最終的に後述する構成要素にその内容を埋め込むことで始末書が出来上がります。
❶ 起こしてしまった事象を時系列に記述
(例)
平成31年3月26日に開催された歓迎会において、○○をしました。
時系列に纏める際には、後述しますが、具体的な日程も洗い出してください。ここはビジネス文書としてのフォーマットであり、事実ベースで作成することが好ましいためです。
❷ 原因
(例)
自己管理が行き届いていなかった。
適正飲酒を超えていた。
担当者としての責任が欠けていた。
一旦は❶で記述した事実を元に、思いつくままに列挙してみましょう。後述する構成要素に充て込む際に、精査すれば大丈夫です。
❸ 誰に迷惑をかけたのか
(例)
会社、同僚、上司、取引先、顧客 等
ここも実際に迷惑をかけた箇所を列挙しましょう。後述する時に迷惑範囲についても肉付けをしてブラッシュアップしていきます。
❹ 反省したい点
(例)
社有車を破損させ、車両修復代を発生させた。
営業機会の損失を招いた。 等
❶で記述した事象によって、❸の範囲にどのような影響が及んだのか、この点を洗い出すことが必要です。即ち、その実際の影響こそが反省したい点になります。上記の例で言えば、車両修復代という実損と、営業機会損失があたります。
会社に実際の額面で迷惑をかけたのか、あるいは信用問題として迷惑をかけたのか、この辺が洗い出すべき影響になります。
❺ 再発防止策
(例)
・営業時間外での社有車を利用しない
・社有車を運転する際は、安全配慮を徹底する
・体調が優れない場合は運転しない
・いかなる理由においても、社有車処理を行います。
再発防止策についても詳しくは後述しますが、基本的には、事象の根本的な解決策を列挙するように心がけます。例えば、車での事故であれば、運転をしない等の内容です。
とはいえ、実務面ではある程度の余白を持たせるべき点もあります。その辺の再発防止策の実現性については最終的に精査します。
実は、この5つの要素を事前に洗い出す段階で、真に必要な反省という行為は終わります。文書を作成することは儀式と捉えるのであれば、事実を受け止め、何が原因だったのか、真摯に事態を反省し、次に同じことを起こさないようにする策を立てる・・・
ここまでやることができれば、本当の意味での反省は終わりです。したがって、洗い出した要素を次に記述する構成要素に充て込んでいけば良いのです。
次に実際の文書にする際の構成を解説します。
始末書の構成要素
始末書は、大きく次の構成で作成すると、スムーズであり、読み易く纏まりのあるものになります。分量としては、A4の用紙1枚ぐらいの量が適切と言えます。
それでは、一つ一つの要素について解説していきます。
Ⅰ 導入部分の謝罪
(例)
この度は、私が起こした○○により、△△に多大なご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございませんでした。本件についての経緯と再発防止策について、次の通り報告致します。
冒頭の箇所には、今回始末書を書くに至った事象を端的に明記(○○箇所)し、そのことで何処(△△箇所)にご迷惑をおかけしたのか、といった点を明らかにし、ど頭から「申し訳ございませんでした」と謝意を記述します。
また、「ここで申し訳ございませんでした。」のみで留めてしまうと、少し稚拙な印象を受けます。というのも、ビジネス文書というより学校で先生から求められる、反省文のようなニュアンスになってしまいがちです。
そのため、謝意の後に「本件についての経緯と再発防止策~」という一文を付け加えることをお勧めします。この表現があるだけで、より前向きな印象を与え、かつ、何のための文書なのかという点を明らかにすることができます。これはビジネス文書の定説、結論を最初に述べるというものです。
Ⅱ 具体的経緯
次のパラグラフでは、具体的な事象を事実のままに記述します。ここで、先述した事実の洗い出し要素をコピペしてください。
意識すべき点は、分かる範囲で構いませんので、具体的な日時を明記するようにしましょう。継続した期間である場合は、いつからいつまでといった期間も必須で記述します。
事実の列挙ですので、語尾も~しました。や、~してしまいました。といったものに統一します。~だと思います。というニュアンスはなるべく避けましょう。
Ⅲ 事象の客観的分析
恐らく、このパラグラフがいなだ流始末書の真骨頂です。そして、一番時間を要すところでもあります。
つまり、起こしてしまった過ちの具体的な理由を挙げ、それがどこまでの範囲に影響しているのか、これを考え抜くことで、より誠意のあるお詫び文書へとランクアップすることができます。
事前に洗い出していただいた内容について、❷、❸、❹の部分を組み合わせるイメージです。
まずは、原因を考える上でのコツです。
それは、物的要因と心的要因で分類することです。そして、物的要因を列挙しつつも、それ自体は回避できたこととして捉え、心的要因(つまり、原因は自分自身)を強調することで、原因分析の誠意を際立たせます。
例え決定的に物的要因が強い事象だとしても、それを強調することは、得てして他力であったり、反省をしていないようにも受け取られがちです。人や物のせいにすることはあまりいい印象を与えないということです。
そのため、あくまで物的要因を記述しないのではなく、記述こそしますが、それを包括しうる要因として、自身の心的要因がある、という構図を意識することです。
次の始末書サンプルの抜粋をご覧ください。サンプル文書になりますが、限りなく私が手掛けた始末書を依頼主様のプライバシーへ配慮した上で修正したものになります。
この一件の主旨は、会社の飲み会の後に泥酔し、社内で寝てしまい、執務室内を荒らしてしまったというものです。↓↓↓
(例)
当該行為と同様の事態を以前にも複数回起こしてしまっており、本件に到るまで、飲酒習慣等を含む日頃の自己管理について是正を試みておりませんでした。このような行為は、社内環境悪化及び当社の社会的信用を失墜させることのみならず、一歩間違えれば、取引先等を含む社外関係各所へをも多大なご迷惑をおかけしかねないことであり、決して許されるものではなく、不誠実なものだと認識しております。
前半部分に記述していることが、心的要因に関する説明です。背景のところに記述した、「会社での飲み会」といったことを特段強調していないことがお分かりでしょうか。この始末書では事実の説明箇所に、会社での飲み会という記述こそしていますが、あくまで原因はそこにはないという意図に依るものです。
この抜粋を元に、後半部分の影響範囲の捉え方についても解説をしていきます。それは、影響範囲あるいは迷惑範囲を+1で考えるということです。
例えば、泥酔状態になった結果、深夜に会社へ戻り、事務所を散らかしてしまった・・・だとしたら、会社の人に迷惑をかけたと考えるのはごく自然で当たり前のことです。
ここで、+1の迷惑範囲で捉えるとすれば、それは社外です。つまり、結果として会社に戻ってきて、執務室を荒らした程度で済んだわけであって、もしかしたら全く無関係の社外の人や、取引先にも迷惑をかけていたかもしれません。
ここは多少大げさでも、自分の行いが最悪の事態であれば、ここまで影響したかもしれないと捉えることが肝です。そのくらいアンテナを張っているということは、後の再発防止策の説得力にも大いに寄与します。
このように原因と影響範囲をしっかり明記した状態で、自身の行為を真摯に捉え、それ自体がどのようなものだったのかを明記します。例文では、「決して許されるものではなく、不誠実な行為」という言葉で締めくくっています。
Ⅳ 再発防止策
再発防止策はポーズではありません。実現可能な範囲であり、かつ、懲罰的ニュアンスの強いものを掲げることをお勧めします。
つまり、「ここまでするの?」というレベルが要求されます。
お酒に纏わる失敗であれば、最低でも1年~3年の禁酒といったレベルは意識した方が良いでしょう。
(例)
① 1年間は禁酒とし、生活習慣を見直すことで自己管理を徹底します。
② 上記解禁後において飲酒をする際には、杯数等の飲酒量制限を設け、適正飲酒を厳守します。
③ 今後、いかなる理由であれ業務外の事由で深夜時間帯に会社へは出社致しません。
こういった場合、「気を付ける」といった文言は説得力を持ちません。つまり、気を付けることができなかったために、始末書を書くはめになっているのです。
そのため、具体的な期間や、数的・量的指標を掲げることは効果的です。もし、そういった指標がないものであれば、「徹底する」あるいは「厳守する」という表現を用いることをお勧めします。
Ⅴ 今後に対する意欲と可能性
ここは会社に対してであれば、「貢献」を宣言する場所です。つまり、今後どのように心を改めて、会社に貢献するのか、むしろ今回の機会をチャンスと捉えて大きく飛躍する意思やモチベーションを明確にするところです。
(例)
上記を徹底し、二度とこのようなことを招かないことをお約束し、これまで以上に業務へ情熱を燃やし、誠実かつ真摯に取り組み、結果で信頼の損失補填をさせていただきたく存じます。
少々下世話な言い方ですが、始末書を受け取る企業側としても、二度と同じことを起こさないでもらいたいのは言うまでもなく、この件を受けても尚、あなたを雇用することで、どのようなメリットがあるのか?そこを明示して欲しいわけです。
そうなると、会社にとってのメリットで最大にして唯一なものは、結果です。売上なりの業績面で結果を出して恩返しをする、この文言こそが最も誠意ある再起のコメントです。
勿論、言ったからには実現させないといけません。そのための行動こそが始末書以上に大切なものなのですから。
Ⅵ 結びの謝罪
最後もやっぱり謝罪で締めます。言うまでもありませんが、最後の謝罪は次のようなイメージです。
(例)
重ねてになりますが、この度は、誠に申し訳ございませんでした。
理想的な納期
最後に、始末書を提示する際の理想的な納期についてです。
それは、なる早であることに越したことはありませんが、あまりに早いのも反省としては少々信憑性を欠いてしまいます。
つまり、文章を作成する能力の高い人であれば、この手のドキュメントは1時間程度あればすぐに作れてしまうものです。
したがって、よくよく熟考したことも考慮に入れ、始末書を作成するように命じられた1営業日~2営業日程度で提示するようにしましょう。
週末の場合は休みを使って、平日の場合は少なくともその週中には終える、このくらいのスピード感で作成するようにしましょう。納期については前のめりになって、上長に確認するのも手です。それくらい早期に謝意を表明したいということにも繋がります。
無論、速すぎるのはいけないとも話しましたが、ある程度早くなければ誠意は伝わりません。
いなだのレビューサービス
この度は、お詫び文書作成フレームワークの記事を購読いただき誠にありがとうございました。
この記事を参考に、実際に作られた文書が果たして始末書としての体裁をとれているのか、内容として問題ないのか?そういった不安をお持ちの方もいらっしゃると思いますので、その場合は以下よりお問い合わせくださいませ。
お問い合わせいただきました内容等で、当該記事に追記が必要なものがあれば随時追加していきます、リクエスト含めて何なりとお申し付けください。
読者様のこれからの再起、逆転をお祈り申し上げます。
UPDATE . 2019.06.01