シンプルに傷病手当金
本記事について今回から私なりにざっくり社会保険を解釈した内容をアウトプットしていきます。あくまでその制度の大枠や概略を理解し、読者の方に自分の可能性や選択肢があることに気づいていただきたい意図のため、一部簡略化している表現もあります。
厳密な内容や申請の方法等はページ下部にリンクしております、参考サイト等からお調べいただくか、メッセージ等をいただければ幸いです。
こんにちは。今回は病気やケガ、心の病などで会社に行けない場合にもらえる手当、「傷病手当金」について纏めました。
対象となるのは、健康保険の被保険者になります。
それでは、シンプルに傷病手当金を纏めていきます。
【どういった時の手当か】
当然、傷病手当金の支給を受ける前提は、「病気や負傷で働けない」ということです。当たり前やろっって思われた方、すみません。
しかし、ただ病気や怪我などが理由で働けないので、事業主に対して、「社長!!足骨折して会社行けないんで、明日からお金くださ~い。」って申出て、もらえるわけではありません。
まぁこんなライトなノリで言ってくる奴はまだまだ働けそうですが、ではどうやったらもらえるの?って問いについてはシンプルに・・・
【その手当、明日からはもらえません】
厳密に言うと、病気や負傷で働けなくなって、継続して3日間が経った後でないと、支給されません。つまり、4日間連続で休むと、4日目から支給されるという意味になります。
(健康保険法 第九十九条)被保険者(任意継続被保険者を除く。第百二条第一項において同じ。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して三日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。
この3日間を、(待機期間)と呼びます。
また、この働けない期間において、給料がもらえる場合は当然のことながら傷病手当金は支給されません。あるいは、傷病手当金より少ない給料をもらっている場合は、差額支給となります。
さて、傷病手当金を受ける上での最も重要な判断基準として、「働けない」という状態をもっと具体的に、簡単にかみ砕いていきます。
【働けないって、シンプルに何?】
何を当たり前のこと言ってるんだ!!って思うかもしれませんが、これは案外盲点です。働けなくなったとは言っても、病気やケガが原因で働けないということだけではなく、療養のため、通院などが必要で、病院が家から遠く、出勤できない場合もこれに該当します。
したがって、極論、医者が休む必要がないと判断しても大丈夫です。
法律上、問題はないということです。但し、病気や負傷のために働けないのであれば、当然のことですが、“医師からの労務不能状態の判断を受ける必要”があります。
ここはあくまで、療養のために通院が必要→遠くの病院に通院すると職場には行けない。っていうケースでの話です。
傷病手当金でいうところの「療養のため労務に服することができないとき」というのは、社会通念上、被保険者が普段の業務をするのに耐えうるものなのかを基準として判断されるものであるため、たとえ怪我や病気だといえども、これまでの業務が普段通りできれば、支給対象とはなりません。
故に、「これまでの業務はできない」ことが論点であり、代替的性格のない副業ないし内職は傷病手当金をもらっていてもやっていても問題ないということになります。
要するに、いつもの仕事ができるか、できないか、が大切です。
残念ながら、これは「働ける」ということに認定されます。
こちらは、先に述べた基準である、「普段の業務ができない」ということにはなりません。たとえ半日でも、普段の業務をしていれば働けることになります。
以上のように、傷病手当金で言うところの「働けない」を理解した上で、要件である、待機期間3日を改めて整理しますと次のようなイメージです。
ポイントは継続した3日間であるということ。つまり、飛び石で3日間ではなく、連続して、ということになります。ちなみにこの3日間は有給や公休をとっても3日間としてカウントされます。
シンプルに3日間連続で休めばよいのです。
さて、次はいくらもらえるのか?という点。
【いくらもらえるの?】
直近1年間の月給というのはあくまで目安です。厳密には次のように規定されています。ここでは概算でこのくらいもらえるのか、といったレベルでご理解いただければ幸いです。
これは日額換算なので、30で割っているということです。つまり、1日あたりどのくらいもらえるのかなぁとイメージしながら確認してみてください。
(健康保険法 第九十九条 2項)傷病手当金の額は、一日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した十二月間の各月の標準報酬月額(被保険者が現に属する保険者等により定められたものに限る。以下この項において同じ。)を平均した額の三十分の一に相当する額(その額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)の三分の二に相当する金額(その金額に、五十銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数があるときは、これを一円に切り上げるものとする。)とする。ただし、同日の属する月以前の直近の継続した期間において標準報酬月額が定められている月が十二月に満たない場合にあっては、次の各号に掲げる額のうちいずれか少ない額の三分の二に相当する金額(その金額に、五十銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数があるときは、これを一円に切り上げるものとする。)とする。
これが該当の条文ですが、マジ勘弁ッて感じでしたよね…笑
【いつまでもらえるの?】
最後に、もらえる期間についてですが、こちらはMAXで1年6カ月となります。また、この期間の始まりは、先の待機期間完了後ではなく、実際に支給が始まった日から起算して1年6カ月ということになります。
また、あくまで同一の疾病又は負傷における支給期間なので、因果関係のない別の傷病になったら新たにもらえたり、同じ期間なら額の調整などがあります。
傷病(健康保険法 第九十九条 4項)傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して一年六月を超えないものとする。
いかがでしたでしょうか?
かなりざっくりシンプルに要点だけの説明になりますので、細かい規定や条件などは、ケースによって変わってきます。これらの概要を抑えた上で、自分の条件などを細かく見てみると分かり易いかもしれません。
病気やケガなどで会社に行けなくなった時、または心の病などで会社に行きたくない時、給料がもらえない状態であればこういった手当を受けることができます。
一人で悩まず、安心して休みましょう!!
尚、細かい箇所や申請方法などについては下記を参照ください。
それでは次回お会いしましょう。