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沖縄電力の電気料金値上げについてPart3 (リアルな影響)

こんにちは。
前回は沖縄電力の値上げの概要について書きましたが、今回は「では、どんな影響があるのか?」についてまとめてみたいと思います。

  1. 実はこれまででも20%以上上がっていた!?

  2. 電気料金は消費税並みのインパクト?

  3. 実は40%も上がらない!(一時的だけど)

  4. でも今後はまだまだ不透明

実はこれまででも20%以上上がっていた!?

みなさん、今回の値上げ申請ニュースに驚かれているかもしれませんが、、、実はこの1年で20%以上も電気料金が上昇していたの気づいていました?

沖縄電力HPより筆者作成

「平均的な電気料金」として沖縄電力が発表している金額ですが、、
2021年5月分がが7156円だったところ、2022年5月分から上限値に張り付いて8847円となり、約23%も1年で上昇しています。

そうしますと、
2021年5月  7,156円(0%)
2022年5月  8,847円(23.6%)
2023年4月 12,320円(72.2%)

ということで、約2年間では70%以上の上昇になると言うこともできます。
これまでの価格上昇は「燃料費調整制度」の影響なので、今回の「値上げ」とは異なりますのでこの点はご注意を。(以下の記事で少し解説しています)

電気料金は消費税並みのインパクト?

言い方が難しいですが、、、例えばディズニーランドの入場料が値上げがニュースになることがありますが、これはディズニーランドに行ける人たち(所得だったり地域だったり)の話ですよね。
また、一部の食品や製品についても、それを買わない人は多く世の中にいるわけで、多い少ないは別にして影響される範囲は少し限定されます。

しかしながら、電気を使わない人はほとんどいないと思います。(オフグリッドで生活している人の存在も知っているので「ほとんど」としました。)
加えて、電気を使ったビジネス活動(製造だけでなく、店舗や施設でも電気を使っています)も非常に多く存在します。
まさに、電気料金の上がり下がりというのは、住民一人一人もそうですが、事業活動も含めて広範囲に影響します。

さらに電気は「我慢できる」度合いが限られます。外食はある程度我慢できますが、電気の使用を我慢することは非常に難しいです。
特に所得の低い層には非常に厳しいのではないでしょうか。
既に色々と節約をしている中で、節電のために冷房や暖房の我慢をすると、健康への被害も懸念されます。
このように、インフラとなっている電気料金の値上げは、所得的に低い層ほど影響が大きいとも推測されます。

まさに消費税の逆進性のような課題が、電気料金にも存在するのです。

実は40%も上がらない!(一時的だけど)

そんな中で「40%」も値上げなんて聞くと、もう不安で不安で仕方なくなると思いますが、安心してください。
40%もすぐには上がりません。

このようなニュースを見たかと思います。

読売新聞デジタルより

なんと国の予算(=私たちの税金)で電気料金が引き下げられるとのことです。(この点については色々物申したいのですが別の記事にしたいと思います。。。)

沖縄電力のホームページにもこのように記載されています。

沖縄電力HPより

家庭用の電気料金を見てみると、約14円/kWh の値上がり申請となっているので、値上がり分のおおよそ半分が国事業で軽減されます!!
ということで、実質的な値上がりは20%程度と捉えることも可能です。
実際にこのような記事も出ていますね!!

でも今後はまだまだ不透明

「値上げもある程度軽減されるし。燃料価格もウクライナ情勢が落ち着いて下がれば電気料金も下がるでしょ。」と安心できそうなのですが。。。。
まだまだ安心はできません。

緩和措置には期限がある。。。

まず、この国の事業ですが期間が決まっています。

沖縄電力HPより

来年10月分料金までとのこと。
ということは、それ以降は約40%の値上げがそのまま負担となります。

値上げの大きな原因の燃料価格の見通しも不透明

ウクライナ問題が落ち着けば、、、と思うかもしれないですが、既述のように燃料価格はウクライナ問題前に既に上昇トレンドにありました。
それには色々な要因があるのですが、一つには「脱炭素の潮流」が挙げられます。それによって、将来的に需要が減る化石燃料の開発がスローダウンしており、供給がそれほど増えないため価格を押し上げていると言われています。

実際に、IEAが今年発表した将来的な燃料需要も2030年ごろをめどに、ピークを過ぎる予測になっています。

IEA World Energy Outlookより

そうなると、将来的には原油・石炭の需要減少により価格が押し上げられ、電気料金も「上がったまま」か「さらに上がる」ことが考えられます。


ということで、少し暗い話になってしまいましたが、私としてはこの電気料金の上昇という事象を「一過性」のこととして捉えることはなく、今後の沖縄の地域エネルギーのあり方を議論する一つの起爆剤になってもらえたらと思っています。

次回は、今後のエネルギーの作り方について私見を書いてみたいと思います。

※追記
12月8日に沖縄電力から電気料金の元となる「託送料金」の値上げが発表されました。これに伴い、電気料金も40%を超えた値上げになる見通しとの報道です。
電気料金(消費者が使うという意味で)は、「発電費用(ここに燃料費が含まれる)+託送料金+その他費用(一般管理費など)」で構成されています。
そのため、「託送料金」の引き上げがあると電気料金にも影響が出てきます。


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