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No.1025 春よ、恋!

高校を卒業して10年目になるその教え子からE-mailが届き、心がグラリと揺れたのは、もう21年も前のことです。

「先生、私が、年賀状と暑中見舞いを毎年送ってきた理由、分かりますか?
 結婚式の時に急に呼ぶのは失礼だしちゃんと顔を覚えておいて欲しくて。
 先生は、教師になるのと、私の結婚式でスピーチをする為に生まれてきたと思います。」

教え子からのメール

親子ほども歳の差のある娘に、良いようにあしらわれて、すっかりオジサン気分の私です。それにしても、心憎いばかりの「殺し文句」にやられました。つくづく、感心しました。
「そうかぁ、あの娘のスピーチをするために俺は生まれて来たのかぁ!」
と生まれて初めての感慨に打たれました。長生きはしてみるものです。
 
御意!喜んでスピーチをさせていただきますぞ!
有ること無いこと、いや、無いこと無いことお話しして進ぜよう!
 
どんな白馬の王子様の心を射止めたか(射止められたか?)「知る権利」もある事だし…。松任谷由実の「春よ、来い」(1994年リリース)を口ずさむ毎日です。あっ、「春よ、恋」?
 
数か月後、結婚式場で初めて王子様にお会いしました。ラガーマンのような、がっしりした体つきの好青年でした。笑うと、私以上に目が線になるところがチャームポイントです。

一方、プリンセスは、借りてきた猫以上に、あくまでもおしとやかに、どこまでもお上品でいらっしゃいました。E-mailの強気発言の娘さんは、今日一日「封印」と決め込んだようです。
 
ありゃあ、尻に敷かれるな!
私は、確信しました。


※画像は、クリエイター・わたなべ - 渡辺 健一郎 // VOICE PHOTOGRAPH OFFICEさんの、タイトル「金屏風」をかたじけなくしました。お礼申し上げます。温かい結婚披露宴を思い出しました。