No.511 ものがものだけに「き」になる話?
平成20年3月17日発行の毎日学級通信には、こんなコラムを書いてありました。
「『植物の10%に血液型がある。』という驚きのTV番組を見た。
東北地方で、昭和50年に起きた殺人事件(被害者のものではないAB型の血液型が枕から見つかり、そば殻枕であったことから植物の血液型が判明)で発見されたのだという。植物に血液はないのだが、成分を調べたところ、
A型…ヒサカキ、B型…イヌツゲ、O型…ツバキ、AB型…バラ
などの代表的な花や木があることが分かったという。
血液型による気質判断などというが、医学的にはほとんど信じられていない。当然である。4種類の気質分類で人間が言い当てられるはずもない。だが、血液型A型の私に、ツバキとバラのどちらが好きかと言われれば、ツバキと言ってしまいそうだ。私は純粋なAAのA型ではなく、AOのA型のようである。あなたは、どれ?」
平成20年は、2008年です。昭和50年(代?)の殺人事件で、蕎麦殻枕から血液反応があったというデータをネット検索したのですが、殺人事件の記事はあっても、該当する東北のソバ殻枕の事件はヒットしませんでした。また、その後のテレビ番組で「占いTVニュース」(2014年9月)や「街活ABC」(日本テレビ、2016年3月)などで「植物にも血液型がある」という番組が放映されましたが、私が見た2008年の番組は探し出せませんでした。なんだか、キツネにつままれた感じです。
しかし、その東北地方の殺人事件の真相(真偽)はともかく、植物の血液型の話は嘘ではなさそうです。植物に血液が流れている訳ではありませんが、人間の血液にあたる植物のすりおろした液を抗体(抗A抗体、抗B抗体)と混ぜて反応を調べてみると、一部の植物の中には糖タンパクという血液の凝固を起こさせる物質が含まれているのだそうで、植物にも人間と同じようにABO式のA,B,O,ABの4種類の血液型があるそうです。
具体的に、植物が持っている血液型の例が挙げられていました。
A型・・・アオキ、ヒサカキ、キブシ等
B型・・・ツルマサキ、イヌツゲ、アセビ等
O型・・・サザンカ、ツバキ、カエデ(赤色)等
AB型・・・バラ、アケビ、カエデ(黄色)等
このほか、野菜のセロリはB型、サトイモ、キャベツ、ダイコン、カブはO型、ソバはAB型。果物のブドウ、イチゴ、ナシはO型、スモモはAB型なども紹介されていました。
このように血液型を特定できる植物は1割程度だそうですが、その後の報道や研究結果から実際にあることを知り、平成20年に見たTV番組が信憑性に欠けるものではないということが確認できました。
それにしても、あの時のコラムに、何と言う番組だったかを明記しておれば良かったのにと言う反省を含め、出典を明らかにしておくことの大切さを思いました。日夜、研究に没頭して励んだ先達の業績に敬意を払う意味でも。