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【レポ】トヨタ産業技術記念館

今回行って参りましたのは、愛知県名古屋市にある「トヨタ産業技術記念館」です。

1.トヨタ産業技術記念館とは

正面入り口付近

トヨタグループの共同事業として設立したトヨタ産業技術記念館は、豊田佐吉が明治44年に織機の研究開発のために創設した試験工場の場所と建物を利用して建設しました。

トヨタ産業技術記念館HPより

と、いうたいへん貴重なレンガ造りの建物が活用されています。
(引用機能があるのいいですね。オタク的に)

6年前くらいにも一度訪れていましたが、今回は開館記念日である6月11日(土)と、次の12日(日)に、28周年記念イベントを行うということで行ってきたわけです。

2.展示車の走行披露

車メーカーの擬人化をしている私のお目当てはもちろん、展示車の走行披露!!
トヨタ産業技術記念館は、豊田自動織機から続くトヨタグループの技術の進歩を貴重な機械資料をもとに楽しく学べる施設です。車に限って言えば、愛知県長久手市に「トヨタ博物館」という自動車の博物館があるんですが、ここにもかなり大規模な自動車ゾーンがあります。そこに保存されている車を実際に走らせて見せていただけるという貴重なイベント…!

トヨエースさん。旧車の少しくすんだグリーンやブルーかわいい…

ワッ…!!

古い自動車も、メーカー博物館では動態保存(走行可能な状態で整備を行い保存すること)をしてくれる所もあるので、大変だとは思いつつ、やはり「自動車」の本懐は走ることなので、嬉しい気持ちになりますね。ありがたいです。

車の走行披露のとき、旧車イベントでも結構最後尾に最新の車を走らせることが多い気がします。時代の変遷を感じられていいですよね。営業もあると思いますが(笑)、普段なかなかお目にかかれないレクサスのスポーツ車?を間近で見られてよかったです。

3.いざ入館!トヨタのはじまり


走行披露は屋外でやっていたので無料なんだな~太っ腹だな~と思いながらようやく入館。が、チケット販売機には「販売してません」の紙が。

…11日と12日、入場無料になっとる~!!!!!

と、現地ではじめて気付きました。入場料なんて一般でも500円なので全然安いんです。「記念館」という名前をしていますが、元が工場だったこともあり、建物の規模もものすごく大きいんです。内部に保管されている自動車や織機、プレス機等の数々の大型機械も、多くが動態保存されており、その動く様子も見ることができます。
その維持費と、多くのスタッフさんの人件費を考えるとめまいがしそうだったので、せめてお土産店で金を落としてきました。推しよ貢がせてくれ…(懐にねじ込む札束)。

トヨタグループの歴史は「織機(しょっき)」からはじまります。
ツルの恩返しでおなじみの手織り機からはじまり、「自動織機」という工業機械として大型化、自動化していく織機の進化を、実際の機械を見ながら体感することができます。

壁一面の年表資料

グループ創始者の豊田佐吉さん、最初は一人で色んな織機を発明しているだけだったんですが、とある商人が、佐吉さんが作った織機で作られた織物の品質があまりに良いことに注目します。三井物産の藤野亀之助さんです。

私はなぜか総合商社の擬人化もしているので…こういう繋がりの情報が出てくるとたいへん楽しいですね。

そうして豊田佐吉という男が作る織機がすごいということを嗅ぎつけた(言い方)三井物産は、佐吉さんにお金を出して会社の設立を助けました。当時の産業は紡績業の割合が高かったので、日本の殖産興業のためには猛プッシュしたかったんでしょうね。

現在では、有望な会社に商社が「投資」するビジネス形態は一般的になりましたが、当時の商社は基本的にはまだまだ「物」の取引が一般的であったと思うので、三井物産の先進性を勝手に感じてニヤニヤしています。

そもそも三井物産の前人未踏の企業形態を他の企業が真似をしていくことで名前がついたものが「総合商社」なので、製品のようなカタチには残らないものの、間違いなく文明開化の日本を支え発展させた企業の一つだなぁと感じました。

4.自動車ゾーンへ

こーんな感じで、昔はどのように車を作っていたのかが実物大模型で紹介されています。本当に、この記念館がめちゃくちゃでかいからできる贅沢な荒業ですよね…。作画資料ありがとうございます。

全部のゾーンがでっけぇんですわ。
自動車ゾーン、自動車の展示だけではなく、「産業技術記念館」の名の通り、自動車を作るためのプレス機等も見ることができます。実物を。実際に動いててガシャーン!!ゴーン!!!みたいな大きな音が響いています。大迫力です。

小さい子どもも多く、「ママ―!!!!ママー!!!!車つくってるママーーーーー!!!!!!」と大興奮していたので、モノづくりの過程を見るのは大人も子どもも楽しいですね。

トヨペットクラウンさん。色かわいい!!!

まぁ私はメカニズム的なものは分からないので、完成車の写真資料をバシャバシャ撮っていました。この日は展示車の一部に実際に乗って写真を撮ってもらえるイベントもやっていました!盛りだくさん!

ぶった切られたプリウスさん
これはぶった切られたミライさん


車の中の構造が見られる展示もあります。メカニズムは全然分かりませんが、水素自動車は水素タンクがでかくてレイアウトが大変という情報はどこかで聞いていたので見てきました。
上のプリウスと比べると、水素自動車のミライの水素タンクの存在がかなり目立ちますね。床下に収納するにも、座席とのレイアウトがシビアそう…。軽自動車はまだまだ無理かしら…。

トヨタ2000GTさん。かっちょいい~!

端っこの方にはトヨタ2000GT
場所が場所なら高確率で大看板車なのに、ずいぶん端っこにあって笑いました。自動車博物館であれば、「レアさ」や「人気度」でディスプレイされると思いますが、あくまで車を等しく「製品」として見ているようで、産業技術記念館のスタンスのようなものを勝手に感じていました。

記念館の随所に散りばめられた言葉

5.エンブレム覚書

豊田に限ったことではないですが、色んなエンブレムがあるんですよね~!トヨタは今も車ごとにエンブレムつけてたりますね。見知らぬエンブレムをつけた車を見ると「お前誰や!!??」と後ろを見たら「何だトヨタか…」と安心するわけですが、ちょっと気になったエンブレムだけ覚書をば。

カローラのエンブレム

「カローラ」はラテン語の「花の冠」という意味なので、エンブレムにお花がある時代があってかわいいんです。下のマークはカローラの頭文字のCですね。まだ豊かな時代だったんでしょうね…お金かかってる…。

トヨダトラックG1型のエンブレム

トヨダトラックG1型につけられた立体エンブレム。かなり古い車ですが、めちゃくちゃ凝ってますね…これシャチホコです。愛知県の名古屋城は天守閣の金のシャチホコが有名なんです。丸い部分は「豊田」になっていますね。これだけオブジェに欲しい。

6.おわりに

数年ぶりに行きましたが、見ごたえたっぷりで楽しかったです。トヨタグループのモノづくりの歴史に触れたい方、車はよく分からんけど、トヨタがどんな歴史を歩んできたかを知りたい方にはとてもおすすめです。あと機械がめちゃくちゃあるので、メカ好きな方も楽しいと思います。

戦利品

記念館の中にはレストランとお土産ショップもありました。レストランはカレーが有名で、お土産でレトルトも購入することができます。私はすでに6種類制覇しましたが、新たに「リーダーズ」コラボカレーなるものが出ていたので購入してしまいました(「リーダーズ」は、豊田喜一郎氏の車作りの苦難を描いたドラマです)。

また下の水色のハンカチは、記念館に動態展示してある織機で実際に織られたものです。300円!!安い!!シンプルに可愛いので記念に購入しました。お土産にもいいですね。

お会計のとき、イオンカードやその他一部のカードを使用するとなぜかお会計が5%オフになりますので、お会計前に提示しましょう。いやほんと金がかからん。

またショップの脇にガチャガチャコーナーもありました。トヨタに限らず、ホンダや日産等の他のメーカーの車のガチャもそろっています。というか、日産がガチャ大好きで商品出しすぎてるせいで半分くらい日産だったんですけどね…それでいいのか…

長くなりましたが、これにてレポ終了です。たいへん内容が濃かったですが、名古屋駅から名鉄1駅というアクセスの良さなので、名古屋にいらっしゃるときはぜひお立ち寄りになってはいかがでしょうか!

一点懸念としては、名鉄名古屋駅が3つのホームを超稼働しているせいで、目的の電車を見極めるのがシビアということだけですね。通勤ラッシュでなければ空いていると思うので、焦らずがんばってください。

ここまで読んでいただきありがとうございました!