わたしの着物修行 15
着物屋さんとのお付き合いは、楽しいのですが大変です。とにかくイベントが多く、お誘いがすごい。そしてただの季節終わりのクリーニングで着物を預けるだけで、受け取りの時にすごい攻勢をかけてくるのでそれを掻い潜るのがわたし的にはストレスでした。最初の着物屋さんも、次のところもそれは同じ。
ある時、夏着物のお手入れをお願いしに行ったとき「夏休みはどうでしたか?」的な話題で、その年は宮古島に行って宮古上布の織元で反物を見せてもらうという経験をしたのでその話をしました。(デパートなどでみるお値段より格安!でしたが、それでも高価でしたし、この値段で盛夏だけとか、私には無理!と見学だけでした)
するとタイミングが良いのか悪いのか、ちょうどその着物屋さんで沖縄の織物展みたいな大きいイベントを企画していたようで口頭で誘われたのですが、そうですね〜予定がどうかな〜と軽く流して席を立ち、二階から一階の出口に向かって階段をおりました。
見送りに来てくれていた事務のお姉さんと話をしながら靴をはいていたら、○○さん!と上からお姉さんを呼ぶ声がしたのでつい見上げて、見てしまいました。
先ほどまで旅行の話など和気藹々としていた男性店員さんが、真顔で何かのファイルを階段の踊り場からお姉さんに向けて投げ渡したのです。
それを拾ったお姉さん、中を見て、すぐ私を見て、「okikunbaさん、先ほど別のものが簡単にお伝えした沖縄の織物展なんですけど、すごくステキなものが沢山あるので、いま少しお伝えしていいですか?」と、そのファイルを広げて見せてきました。
んもう、ドン引きしてしまいました。
仮にもお客に見せるものを、そのお客の目の前で投げてよこす、その姿勢。見たくなかったです。
どんだけ楽しくお話ししても、結局はお客から搾り取ってナンボな感じが思いっきり見えてしまった気がして、一気に萎えました。
お手入れとかも得意そうな専門店なので通っていましたが、もろもろのお誘いがそろそろ負担に思い始めていたところにこの投げ渡しで、足が遠のいてしまうのでした。
そんなに必死にグイグイしなくても、欲しくなれば買いに行くから放っておいて欲しいんですよね。なんて思う人、結構居るんじゃないかと思います。
こういう営業をかけられるのがストレスで、足が遠のくお客さん、居ると思うんです。
結果、こういうお客さんから短期間に多少は儲けられるかもしれませんが、長い付き合いは出来ないんじゃないですかね・・
着物が売れないって、こことは全然別の着物屋さんのおじさんが嘆いてました。
その一因は、こういう営業をするお店にもあるんじゃないかな。怖いもの。・・なんて、素人は思うのでした。
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