⑪地元で行ってみよう~ヨシタケシンスケ展かもしれない(宇都宮美術館)に行ったら、ゆるくも想いがいっぱい詰まってた
もうぬげない。
そのイラストで私はヨシタケシンスケさんを知ることになった。
お腹を出したこどもがじたばたと、「ぬげないよ」と葛藤しているイラストに地味にツボった。
そして地元・宇都宮で巡回展「ヨシタケシンスケ展かもしれない」があるということで行ってみた!
宇都宮は宇都宮だけど北に位置する森の中の宇都宮美術館
LRTだとかジャパンカップだとか餃子祭りだとかで沸いた宇都宮。
しかし美術館は街なかでは無く、北に位置している。
宇都宮環状線をぐるりと半周、地図で言うとちょうどてっぺんくらいの場所。そこは小高い山で、帝京大学のキャンパスがあってちょっと高そうな住宅地があって、その奥をずんずんと進んだ先、行き止まりになる公園内にある。
正直地元民でもこの奥地にある宇都宮美術館は滅多に行かない。
というかいつも疑問に思うのは県立美術館、県立博物館と宇都宮美術館の3つの文化施設、どこもバラバラに位置してて正直行きにくい。
なぜこんなてんでバラバラの場所にあるんだ。
他県に行くとどこも文化施設は比較的近所にある気がするのは私だけだろうか。
ヨシタケシンスケさん
ゆるくて、日常にちょっと笑えるようなエンタメをくれる。
そんなヨシタケシンスケさんは造形、美術大学の出身らしい。
平面から立体まで作品を手掛けたようで、どちらの苦労も知ってるらしい。
その中でヒットとなった「りんごかもしれない」を筆頭に色々な絵本を世に送り出しては世界中の子どもたちに届けてる。
知ったきっかけは「もうぬげない」だったが、もう何だか、私のツボにハマったのだった。
ゆるゆるで必死な主人公。いつまでも脱げない上半身の服を脱げなくて色々試行錯誤する。時折挫折しそうになったりするけど…と物語が続く。
ゆるいのに内容がとても深い。
そんな不思議な世界が好きです。
お出迎え、アイツ。
絵本に出てくる、アイツ。威圧感はあるけども、ショルダーバッグを下げていてなんだかほっこりするキャラクターです。
宇都宮美術館の場合は第一会場・第二会場と別れていて、順にまわるようです。
思わず見て、クスッとしちゃう
ヨシタケシンスケさんは小さな6穴の紙を持ち歩いていて、気づいたりしたらその場で描く癖がついてる。クロッキー帳みたいです。
その小さな紙がずらりと並ぶ。とんでもない数です。
アクティビティも笑う
観るだけでなく、遊んでヨシタケシンスケさんの世界を体験できる展示もたくさんありました。
りんごを投げてみたり、こねこねを一緒にやってみたり、ポーズを取ってみたり…絵本を描いているヨシタケシンスケさんだからこそのアクテビティ。
童心に返ってキャッキャ楽しんでしまいました。
大学時代の作品も
ヨシタケシンスケさんは美大出身。学生時代の作品もたくさん展示されていました。
代表作・カブリモノシリーズは一見怖い。でも実は生きやすい・生きにくい機能を兼ね備えたカブリモノだった。
立体物が得意なヨシタケシンスケさん。会場のいたるところにゆるゆるな作品がちりばめられていて、近くに黄色い付箋でプチ解説。
芸が細かい。
展示にはヨシタケシンスケさんのコレクションも。
独特なものが多くて好みにちょっと同感。
ヨシタケシンスケさんの”かもしれない”想い
ヨシタケシンスケさんの独特な世界観。
ゆるいのにふいに突いてくる、生きることについて。
人間だれしも、こうしていれば、ああしたらよかった。なんて言う。言ってはあーあ、と後悔する。ああしとけばよかった。タラレバ人生。
でもヨシタケシンスケさんはこうだった”かもしれない”。と言っている。タラレバは言っていない。
言葉とはなんとも難しいことで、”かもしれない”と置き換えると不思議と前向きな言葉になる。なんだか大発見した気分。
かもしれないね、とSF的に想像してみるともしかすると、別の自分がパラレルワールドでわちゃわちゃしてるのかも。
生きる意味を考えさせてくれる、を通り越して「そうかこうしてみればいいのか~」を教えてくれる展覧会に感じた。
日常のなかで少し前向きになれるかもしれない。
ラストはやっぱり展覧会といえばグッズ。種類多くて観てるだけで楽しい!中でもヨシタケシンスケさんのクロッキー帳を真似たバインダー、是非日常に活用したい。
全国巡回、宇都宮に来た際はぜひ。ちょっと遠いですけど。
番外・実は改装工事を終えていた宇都宮美術館
そう、思い立った時にちょっと行こうかな!!なんて思った時…確か一昨年…メンタル死していて美術品を見ては死んだような顔でガン見することで心の安寧を保っていた頃があったのだけども、その時行こうとしたら「臨時休館!!改装工事!!」などとどこかで見て絶句した。
ヨシタケシンスケ展かもしれない、で「あ、改装工事終わったんだ」と感じたくらいだ。そして何が変わっていたのかはぶっちゃけ分からなかった。
改装したのはどの辺だと思うほど来てないのがバレる。
最後に来たのはいつだろうというレベルなので致し方ない。
しかし入ってるレストランが変わってたのは分かった。サンドイッチうまいで有名なパレットでした。ちなみに無き宇都宮パルコにあった頃の一度しか食べたことないです。
そんな宇都宮美術館。公園も広いので是非デトックスにどうぞ。