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私は何者か、307


頂き物の酒の粕。クリーミーで美味しい。じゃがいも、にんじん、小芋、大根、豚バラ、キャベツ、ネギ。牛蒡。油揚げ。いりこの出汁。黒豆味噌も。うふふ、嫌いなものは入っていないの。だって私が作るもの。好きなものしか入ってない。仕事が弾んだ日。もうすぐ辞めてゆく人たちと、こんなふうにずっと前からの知り合いみたいに和んだ日を積み重ねられて、今までにない私史的快挙である。短い間だったけれど、良い人たちと会えて、ずいぶん心は温められて、柔らかくなった。ありがとございました。また。いつ会えるかわからないし、もう、2度と会えないかも知れないけれど。会えて良かった。外は雨かしら。春の気配で土が水を欲しがり、天の恵みが降り注ぐ。樋をゆく水は静かな音を立てて走る。眠くて、倒れそうな私であるが、ゆく人たちにこんなに好きだったよと伝えたくて、眠らずに、こんなふうに書き留めよう。出会いとはまこと奇跡のような珠の光よ。


絶えぬ流れにありて。


絶えぬことを不思議と思へよ。


若草を摘み、その髪に挿す。


泣いたのか。


いや、


泣いてなどいない。


私は何者か。

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