私は何者か、番外編 a dozen 短歌 33
JR見知らぬ人が同じ方むいて進んで春雨ジャパン
突然の激しい雨に顔あげて悩み続ける耳の石なる
見たような識ってるようなと既視感が目から溢れて鱗潤し
つぎつぎにバスが走るよ乗り継いで次いで継がれて我どこへゆく
小さくて深くて暗い信じると言えば許されそんなわけない
不意に涙言葉を使う者の知るこころが言葉追い越したとき
昨日雨今日も霧雨点々と伝うその先怖くて見れない
話すうちその人の目に涙湧き我へ満ちくるふたり岸辺で
気持ちとはまこと頼りなげなるやけれど真白はどうしても白
袖に触れこの指に触れ髪に触れ夜を走ろうこころ隠して
ジュリアてふちょっと冥界めいていてそれで帰れなくなりそうなの
さよならを何回言った百万回それでももっと言わねばならぬ