
【スタジオ】ルームイコライザー設定02
半年ぶりにB&W805d2のイコライザーを調整しました。前回の調整記事はこちらです。
イコライザー(ルームEQ)とは、スタジオスピーカーの音響特製をイコライザーで調整する事です。理想を言うとこのような機器は入れずに、部屋の響きや音響特性、置く機材の位置調整等をして、音響調整をするのが正解とされてますが、毎日置くものが変わるスタジオでは無理があります。
スピーカーの左右特性が合ってないと、音場が広い音になってしまい、正しい音かどうかの判断ができなくなります。なのでこの作業はスピーカーの補正なのですね。
早速アナライザーを接続して、グラフィックイコライザーの調整をしてみましょう。グライコは昨年購入の以下を使ってます。今の所故障は一切ないですね。
アナライザーは前回PhonicPAA6でしたが、機種変更してPAA3xになってます。画面描写がとても綺麗になりました。アナライザー設定を3分の1表示にし、ProToolsからピンクノイズを再生して測定です。
グラフィックイコライザーをフラットにして測定したのが上です。まあコレくらいの上下はあります。スピーカーの特性というより、部屋の特定ですね。これでもかなり押さえ込んでいる方だと思います。
弊社スタジオは自分の後ろ、スピーカーの反射面に音響盤を設置しております。これはスタジオ設計をお願いした若林音響さんが作ってきてくれたものです。この角度を微調整すれば音響特性は変わり、響きを押さえたりできますが、これは施工時にかなり追い込んだので、触らないようにしてます。
なので、今回はイコライザーだけの設定です。
まずは左のスピーカーをモノラルで鳴らして、欲しい音になるまでイコライザーを上下します。そしてアナライザーを見ながら、極端なカーブがあれば調整していきます。調整終わりは以下の写真です。どうですか?かなり凸凹が落ち着いてますよね。
そしてアナライザーで各周波数値を見ながら、左と右のスピーカーの特性を同じにします。そうするとグライコの操作板はこのように上下しますが、アナライザーでは揃うわけです。部屋の広く置くものが何もなければ、イコライザーなしでもフラットに近くなると思いますが、それは紙上の理想です。実際はこのように上下します。
今回調整しようと思った理由は、ヘッドホンの新調です。
購入したものがかなりハイ上がり(高域が上がってる)と感じ、スタジオスピーカーの音響特性も見直しをしました。そのヘッドホンはHPH-MT8です。自分の耳にはかなりキンキンツンツンと聞こえますが、評価はかなり高いようなのでスタジオスピーカーもこの音に多少近づけようという訳です。
ヤマハNS10Mは上手く鳴らせなく断念した過去がありますが、スタジオによってはとても良く調整されている所もあります。サウンドシティのCスタは良い音で鳴ってますね。
最近は生放送のコンソールもヤマハが多いですし、どうしても避けられないメーカーです。なので慣れておこうという訳です。
実際には10キロ近くが上がっている感じで、スピーカーも多少同じような色付けにしてみました。
スピーカー左右の特性を合わせた所で、左右同時にピンクノイズを鳴らして、イコライザーなしのカーブを見ましょう。上がそうですが結構凸凹ですね。
そしてコレがイコライザーを入れた状態です。ピンクノイズは各帯域が5dB近くリアルタイムで上下してますので凸凹している所もありますが、理想形になってます。
言い忘れましたが、今回アナライザーはA特性です。昨年9月調整時のグライコ写真を見ても、同じようなカーブになってますね。毎日同じ音を聞いてますから、そんなに変化はないという事ですが、やはり10キロ近くが多少上がってます。
本日は以上です、皆様もグラフィックイコライザーとアナライザーを購入して、スタジオスピーカーの左右特性を合わせましょう。驚くほどセンターが小さくなり、音の判断が直ぐにでき、ミックスし易くなりますよ。
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