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沈みゆくCM音楽の世界
テレビCMの音楽効果音を担当して20年くらいになりますが
ここ数年は距離を置くようにしてます。
理由は音楽に対するリスペクトが無くなったからです。
分かりやすく、現場に「関係者」が顔を見せなくなってます。
これは、CDが売れなくなった時と同じ印象を感じです。
まず、お互い顔を見ての打ち合わせが無くなります。
そして、関係者が携わらなくなり、プロデューサーとか、制作会社とか、そういう方がどんどん現場に居なくなって行くのです。
CDの時も、いち早くそれを察知して、自分はDVDに移行しました。
DVD専門エンジニアが居なかったので、自分に仕事が多く舞い込みました。
その後、Blu-rayになり、ダウンロードになるのですが
このBlu-rayあたりで、やはり人が居なくなっていきました。
さて、テレビCMですが、10年前あたりから人が居なくなり始めて、
途中段階を見に来るクライアント、最終チェックに来るクライアント、次第に制作会社のプロデューサーすら来なくなり、最初から最後まで制作会社のアシスタントしか会わないという現場が出て来ました。
それもかなり大手CMで、テレビで多く流れるものだったりします。
最近驚いたオファーは、「2年前に作成して流したCM音楽を、別の商品CMに使いたいのですが、よいですか?」というもの。
クライアントさんとすれば、作曲料金が浮くので、よいのでしょうが、
映像に合わせて曲を作るのが一般的ですから、面白いとかグッと来るとかが減る訳ですね。でも、クライアントさんも分かってて言ってるのだと思います。テレビCMは、「それでもよい」そんな存在になってしまったのです。
弊社は創業当初から、CM音楽を多くして来ましたが「これは長くは続かない流れだぞ」と感じていたので、他の仕事とバランスを取りながら来ました。現在も既に移行しており、すでに次の船に乗ってます。
これから、このテレビCMにドップリ浸かろうとしているならば
取りやめ、もしくは早めの脱出をした方がよいです。
かなり危険地域で沈みゆく船です。
弊社は次の乗れた船の勉強をより深め、
音でさらに環境を良くする、楽しくする事で日々精進していきます。
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![沖田純之介 サウンドデザイナー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21275585/profile_c109c3ac8a6422abb92b37f854245793.jpg?width=600&crop=1:1,smart)