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WE ARE LITTLE ZOMBIES、効果音の話①

映画での効果音の役目は、
a.そのシーンを普通に見せる
b.印象的に見せる
の2つの考え方があると思ってます。

サウンドデザインを担当させて頂いた
『ウィーアーリトルゾンビーズ 』では
a.bが激しく入れ替わりながら、集中させたり注意を逸らしたりと
全て意図的に行なっております。

「映画館で見る」という事を最大限楽しんで頂こう
盛り沢山でお腹一杯になって頂きたい、、、
でも2時間ありますから、耳が疲れ過ぎないよう
最後の方にかけて、優しい音を選んだりしてます。


音の演出
多くのハリウッド作品は、音楽と効果音がぶつかりながら
最初から最後まで、凄い音圧で攻めて来ますね

でもこの作品では、無音での演出も取り入れましたし
セリフの背景にある、どうしても入ってしまったノイズとか
そういうものも、必要ないと考えられる所は徹底的に加工してます。

でも「加工臭いな」と感じさせる所と
そうでない所をワザと作ったり
音だけが映像より飛び出さないように意識もしております。

スティービーワンダーの言葉で「良い映画は音で分かる」があります。
そんな事も相当意識をしました。
といっても産みの苦しみはなく、最初から最後まで楽しんで行いました。


サウンドマップ
台本を頂いて撮影に入りますが
その時点で、どこが最大音量になるのかを、台本に書き込みます。
これをサウンドマップと呼んでますが
それを元に、撮影録音に必要な機材と人材を選出しました。

作り音が多いシーンは、撮影録音の手数を減らして予算も減らし
その分を効果音作成に使い、もちろんその逆も沢山ありました。

これが可能になったのは、監督の作る台本とビデオコンテが
既に音の余白が作られていた事が大きかったです。

きっと監督の頭の中では、音が出来上がっていたのだと思います。


効果音の種類
今作は、CM的な誇張音、アニメ的な人工音、ハリウッド的なダイナミック音をシーンにより使い分けてます。

多くは自分で録音して作ったオリジナル音で
8割くらいをスマホに刺したシュアーMV88という簡易マイクで録音してます。

これを採用した理由は、
録音した音を、その場でドロップボックスにアップでき
ProToolsやLogicという効果音編集機に直ぐにインポート出来る事でした。
メモリーカードを入れ替えたりしなくて良いのです。
これにより、圧倒的な制作スピードを出せ
監督に早くにチェックファイルをお渡しし、悩んで頂ける時間を作れました。
その分、自分も休憩もできました。


ここから先は後日書かせて頂きます〜



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