家賃保証会社を利用する賃貸物件、退去時に詰むかも
賃貸住宅の原状回復費用を巡って胸糞案件がありました。
退去時費用のトラブルについて書かれたWebの記事はたくさんあり、一般的には「消費者生活センターに相談しましょう」とか「高額請求だと感じたら国交省の原状回復ガイドラインをもとに話し合いましょう」といったアドバイスが記載されています。
しかし実際は、消費生活センターに相談しても相談員は専門知識をもっておらず電話代がかかっただけで結局解決しませんでした。また、国交省の原状回復ガイドラインには法的拘束力がないため、賃貸借者間で対等に交渉ができなければ意味をなしません。貸主側に話し合いに応じる意思がなければ話し合い自体が成立せず、貸主の言い値の費用を払わされるのです。
この記事の目的は、実体験をもとに不動産賃貸トラブルの実態を広く周知し、借り主がトラブルに巻き込まれることを未然に防止するとともに、国による法整備の促進を期待するものです。
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なにがおこったか?
エポスカード(家賃保証会社)から原状回復費用を請求されました。
業界標準ルールである国土交通省のガイドラインに従った請求であるか不明。(一般財団法人 不動産適正取引推進機構に確認したところ、ガバガバの可能性が濃厚)
貸主兼管理会社(株式会社信和不動産)もエポスカードも説明を拒否。
いちばん大切なことを最初に書きます。
賃貸物件退去時の立会いにおいて、管理会社から「もしかしたら敷金よりもオーバーするかもしれないので、追加費用請求の同意書にサインしてくれ。請求書は後日郵送する。」と言われたら、請求金額が不明の同意書には絶対サインしてはいけません。
この書類は、後日エポスカードに対して代位弁済申請する際の「原状回復費用に同意した書面(コピー)」として扱われます。
言い換えると、「修理にかかる一切の費用はそちらの言い値で支払いしますので、どうぞ好きなだけ請求してください。私は同意します」という意味を持つ書類です。
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あとは、借主が請求費用に同意しようがしまいが、一定時間が経過したら、エポスカードから請求され、口座から自動的に引き落としが行われます。
なにが問題か?
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貸主は賃貸借契約を履行する必要なし。原状回復費用を貸主の言い値で借主に支払わせることができる
本来、原状回復費用の証明義務は貸主側にあります。一般的には、話し合いで解決しなければ裁判所で貸主が請求内容を説明して、必要と認められた分だけ借主に請求ができます。これは一般的に賃貸借契約書にも記載されていることです。
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が、貸主がエポスカードの代位弁済請求を利用すると、借主と貸主の間にエポスカードが入り、貸主へ先に費用を支払ってしまいます。そのあとは(顧客の信用情報をチラつかせて)借主へ建て替えた費用を請求するだけです。
実際はこんな状態でした。
管理会社が立ち会い時に個々の原状回復箇所の説明しない。
勝手に物件内をチェックして回っていました。
請求額白紙の同意書にサインさせる
チェックが終われば追加請求の合意書(金額は記載なし)にサインさせようとします。
後日届いた請求書の根拠が不明瞭
借主貸主の負担割合や経年劣化の考慮等について記載ありません。国交省のガイドラインの様式と異なっていますし、不動産適正取引推進機構の話だと第三者がみてわかるように写真入で作成するケースもあるとのこと。
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都合良い主観的な主張を述べるのみで協議にならない
こちらから問い合わせている内容にはほぼゼロ回答であり、貸主側が主張を述べるのみで協議になりません。メールの返信も1度きりです。
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約束が守られない
請求書には下記のような文言がありましたので、電子メールにて株式会社信和不動産の代表取締役である西尾氏に連絡しました(つまり内容を承諾していない)が、無視されています。先に出した賃貸借契約書でもこういう場合は誠意をもって協議する旨記載されていますが、こちらの契約も守られていません。ある日突然エポスカードのWeb明細に請求予定が入ります。
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各関係者の対応はこんな感じでした
エポスカードに電話したら
エポスカードの役割はあくまで費用を請求しているのみであるので、請求内容の説明等はできない。請求内容については株式会社信和不動産に問い合わせするよう言われました。また、株式会社信和不動産がエポスカードに対して書面で請求を取り下げなければ、エポスカードは登録の口座から引き落としをすると言われました。
兵庫県の消費生活相談センターに電話したら
話は聞いてくれますが、スタッフはほぼ素人ですので的確なアドバイスは得られませんでした。本気なら弁護士さんに相談に行くのが一番確実だと思われます。
神戸市住まいの総合窓口 すまいるねっとに対面相談したら
わざわざ新長田の事務所へ出向いたにもかかわらず今回相談したなかで一番だめですた。こちらの話はあまり聞いていないし、アドバイスは不動産会社側の立場、非現実的かつテンプレートの回答でした。
一般財団法人 不動産適正取引推進機構に電話したら
請求書のフォーマットや具体的に請求内容でおかしなところに対して的確にアドバイスが得られたのがよかったです。専門知識を持っていたので助かりました。しかし、今回の代位弁済のケースは払わなければ良いとアドバイス頂いておりましたので、本来は支払いたくないのですが、、エポスカードが信用情報をチラつかせているので払わざるを得ないです。。
有効な対策は?
まずは白紙の請求書には絶対にサインしないことです。
また、証拠がないと戦えないので入居前に写真を撮影し、更に退去時にも写真を撮影することが自己防衛につながるのではないでしょうか。
また、管理会社へ送付した書面や記録は必ず控えをとっておくと安心です。
株式会社信和不動産の代表取締役の西尾氏の名刺には宅地建物取引士やら賃貸不動産経営管理士やら取得していると書かれていましたが、こういった問題が実際におこっています。
トラブルが頻発しているので、国土交通省にはもう少しマジメに法整備してもらいたいと思う今日このごろです。そもそも第三者のチェックを義務付けていない現状の仕組みが良くないと思いますよ。
ちなみに、この物件に住む前は大阪ガス系列のアーバネックスに住んでいましたが、全然まともでした。さすが大阪ガスブランド。素性のきちんとした物件に入居するのをおすすめします。。