たられば投資法(1)2024.1~2024.9相場
はじめに
2024年の上半期がもう終わろうとしていますが、日経平均株価が史上最高値を付けたかと思えば、日銀の7月の利上げで、1か月で1万円近く暴落するなど激しい相場となっています。
資産運用の方法として、ドルコスト平均法やリバランス法、資産クラス均一化法などが一般的ですが、今回、リバランス法によって、定期的に資産バランス(株式と現金)を変えたときに、2024年上半期の相場で最も儲かったリバランス戦略と最も損したリバランス戦略を比較してみました。
もちろん、投資は未来の株価を予測して現在の運用を変えるべきなのですが、過去の株価を使って、最善と最悪を振り返ることで学びを得たいというのが目的です。
方法
今回の検証は以下の条件で行いました。
(1)2024.1.1~2024.9.13の相場が対象。
(2)年初に100万円の資産がある。
(3)日経平均株価(レバなし)か現金かのいずれかを保有する。
(4)60日毎にリバランスを行い、資産に占める株式の比率(変数x)を変える。
(5)配当・利子は対象としない。
(6)最終日の総資産(株式+現金)の額を評価する。
変数の定義は図の通りです。
リバランスを行う時点での現金額と保有株数の変化は図の通りです。
株式比率(x)を変化させたときの例を示します。60日毎にリバランスを行い、資産を現金(money)と株式(stock)に振り分けます。
結果
2024.1.1~2024.9.13の相場で、最善と最悪のリバランスを計算した結果を示します。1段目は資産の変化(best:最善, worst:最悪)、2段目は最善と最悪のギャップ、3段目は日経平均株価、4段目は株式比率です。
上記結果から、ポイントを整理します。
(1)2024.1は全力株投資が正解であった。
(2)2024.3は中立が正解であった。
(3)2024.6は全力株投資が正解であった。
(4)2024.7は全力現金化が正解であった。
(5)2024.9はやや株保有増が正解であった。
(6)2024.1~2024.9間の最善と最悪の行動はほぼ正反対の行動(株と現金の比率)であった。
(7)2024.1~2024.9間の最善と最悪の差は26万円ほどであり、
最善投資では+20万円、最悪投資では-6万円であった。
まとめ
たられば投資法で、2024.1~2024.9の間の株(日経平均株価)と現金の比率を60日毎に変えるリバランス投資法での最善ケースと最悪ケースを比較しました。
結果として、年初100万円投資した際の9月間の最善と最悪のリターンの差は26万円ほどとなりました。
改めて、機を見てリバランスすることの大切さが浮き彫りとなりました。