大型1種2種イッキ取り―50代のオジサン運転人生、免許をいろいろとってみた#4
第3章 大型一種、大型二種を連続で
仕事柄、メンバーさんを引率して一日行事に出かけることがあり、そのたびに観光バスを借りていました。それなりの費用がかかります。
一例ですが、閑散期でも込み込みで12万円くらい。さらに、運転手やバスガイドさんに寸志を用意します。たしかにゆったり乗れますが、参加者の負担が大きくなります。
自分でバスを運転すれば、もっと安く済む!
そうだ、大型を取ろう。
何の迷いもありませんでした。
大型1種に挑戦
普通免許の教習に通った教習所はすでになく、通える範囲の他の教習所を探しました。
当時、普通免許の上は大型1種で、中型や準中型はありませんでした。
また、大型免許を練習する教習車両は、現在のような長さが12メートルもある大型トラックと違い、長さも8メートル程度、4tクラスのトラックでした。
それでも大きく感じました。
最初の時間はとにかく外周を走り、車両感覚とクラッチを練習しました。
段々と課題は難しくなり、S字クランクや車庫入れは何度もやりました。隘路はありませんでした。
ホッとしたステキな教官
所内教習のホッとした一コマ。
普通免許を取った時と比べれば、教官の接し方はずいぶん良くなってきてはいたものの、やはり古いスタイル。それなりに教官は威張っていました。
もちろん教育的意味合いもあったかもしれません。
教習生は配車になった車両に乗って教官が乗ってくるのを待ちます。ある日、助手席に乗ってきた教官がこう言いました。
「この時間を担当させていただく○○です。よろしくお願いします」
「教官にこんな人、おるんかーッ」
とビックリ。ところが、驚きはこれで終わりませんでした。
教官から指示が出ます。
「5番を左折ね」というように。
ところがこの人は、
「はい。5番を左折してください」
と、指示も丁寧です。
そして左折すると、
「イイねえ。イイねえ。イイですよ」
とほめまくり。ほめられて悪い気はしません。
「じゃあ次の交差点、右折してください」
そして右折すると、
「イイねえ。なかなかイイですよ」
なんだか運転がうまくなった気がしました。
頭ごなしに言われれば、だれだって萎縮します。萎縮すれば、できることもできなくなってしまいます。
グッと上手になった気がして、気持ちのイイ一時間が過ぎました。
「またあの教官にあたりたいな」と思いましたが、その一回だけでした。
検定合格
仮免許の検定でド緊張。1度落ちました。修了検定はなんとかうかって、晴れて大型ドライバーの仲間入りを果たしました。
早速マイクロバスを借りて
早速、仕事で使いました。マイクロバスを借りて、メンバーさんを引率しました。
最初の遠出は草津でした。ずいぶん勇気があったものだと思います。関越自動車道を走って、伊香保から中之条を通って草津まで行きました。
帰路は、関越が渋滞します。しかし、とても楽しい一日。
それから、バスを借りて引率するのが楽しみになりました。
大型2種に挑戦
「一気に大型2種を取ってしまえ」
と、心の虫が騒ぎ出しました。
当時、大型2種は、運転免許試験場に行って一発で試験を受ける以外ありませんでした。
今のような路上教習もなく、所内だけでした。
トラックやバスに日常的に乗っているわけでもありません。やはり一発で受けに行くのは自信がありませんでした。
大型2種の練習
大型2種を受けるための練習をさせてくれる教習所がありました。早速そこに入校しました。
一回の教習費用が、11,000円だったと思います。それなりにお金がかかります。
牽引免許をとったときには法規が変わり、教習所で大型2種も取れるようになっていました。
費用を確認したところ、なんだかんだトータルで50万円くらいかかるようです。それに比べれば、はるかに安く済みます。
5回くらい教習を受けました。方向転換と鋭角(V字)は何度も練習させてくれました。
検定試験
運転免許試験場に試験を受けに行きました。
まず学科です。無事合格。
実技検定は、コースの説明だけで、練習はさせてくれません。いきなり本番です。
1回目も2回目も完走はしたような気がしますが、不合格。
2回目は、試験車両のギアが床から出ている機械式で、セカンドに入れようとしてもどこに入れればよいかわかりませんでした。
3回目は、S字クランク、坂道発進もうまく行き、難関の方向転換。
「エイッ」と腹を決め、車体をバックさせました。
うまく入ってくれました!
2種に課されるのが鋭角(V字)です。これは練習の甲斐あって、無事クリアしました。
最後の踏切も通って、発着地点に無事帰還、左に寄せてポールのところに停めました。
合格発表
発表がありました。合格でした。
かなり狭い門で、数名しか合格していなかったと思います。3度目で合格したのは早いようでした。
合格発表をしてくれた警察官の方から聞かれました。
「普段、何、乗ってんの?」
うまくいったので、大型トラックにでも乗っていると思われたのでしょう。
「ワゴンに乗ってます」
と答えた記憶があります。
同じ会場で、牽引免許の合格発表もありました。
「それでは、『牽引き』の方、発表します」
運転免許試験場では、「けんいん」ではなく、「けんびき」と言うらしいです。
憧れた大型2種免許。その場で即日交付です。
帰り道、嬉しさが込み上げてきました。家族に電話をしました。
意識が変わった
2種を取るときには学科も勉強しなければなりません。それ以来、交通法規にかなり注意を払うようになりました。
バスが走っているのを見ると、こちらが勝手に思っているだけの「片想い仲間意識」がヘンに作動し、進路を譲ってあげたりしました。
メンバーさんの引率は引き続き何度もやりました。
続く ―次回は、牽引免許をとったときのことを書きます。