受け手志向の発想で―自己啓発・組織運営に効く文化人類学入門#17
しめくくりに 受け手志向の暖かさ
冒頭で、文化人類学人間になろうとお勧めしました。
そこからスタートして、文化人類学の知見を援用しながら、組織とは何かを考えてきました。
なぜ組織はギクシャクするのか。組織は一つのコミュニティー、一つの文化を形成しているにもかかわらず、文化の角度から考えることがあまりなかったからかもしれません。
特に文化人類学の公理でもある
「意味・形態論」
に着目しました。
この考え方を身につけると、問題だと思っていたことが実は問題でなかったり、気づいていなかった問題点に気づいたり、そのメリットは測り知れないものがあります。
コミュニケーションのことも考えました。
「受け手本位」
がキーワードです。
受け手の立場に立って考える、これだけで全然違ってきます。
文化人類学人間になると、リーダーは部下のことばかり考えるようになります。
組織が違ってきます。
その考え方に立って、もう一度組織全体を眺め直してみましょう。
なぜ組織はギクシャクするのか。リーダーと部下の関係はどうでしょうか。メンバー同士の関係はどうでしょうか。
立場の違いを認識し、違うからこそ自分にとって大切な存在だという理解に立ち、相手の立場に立って考える組織であったら幸いです。
グローバル化して行く時代、多様化して行く時代を先取りするように、今後発展して行ける可能性があるのではないでしょうか。
カスタマーなど外部の方が、自分の組織と接点をもってくださっただけで、
暖かい!
と思ってもらえるような組織だったら、ある意味、リーダーは仕事ができているということなのでしょう。
謝辞
稚拙な人間が数多くの失敗から学んだエッセイにおつきあいいただいてありがとうございました。
いよいよお開きです。
結局自分の失敗の原因は、他人様の気持ちがわからず、ガンバリ過ぎていた、線を越えて、やり過ぎていたことにあったと今では思います。
読んでいただいた皆さまにとって、本書が、少し肩の力を抜いて、自分の周囲を見渡し直してみるきっかけになれば幸いです。
ここまで人一倍頑張ってきたのですから、自分にご褒美を上げて少しゆっくりするのもよし、あるいは、チョットした箸休めに本書を手にするもよし、多少なりともお役立ていただければ、これ以上の幸いはありません。
了
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