スカーレット企画のその後
皆さん、こんばんは。昨日の記事でスカーレット企画のその後(現実)をお送りしましたが、今日は小説の中の世界において、スカーレット企画のその後をお送りしたいと思います。
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優は、コーヒーを飲み干すと、舞に電話をした。舞とは中学校からの幼馴染。学級委員で一緒になったことを機に、何でも悩みを打ち明けられる仲になった。一時、付き合ってると噂されたが、お互い全くそんな気持ちはなかった。
『あら、優から連絡してくるなんて久しぶりね。どうしたの?』
『聞いて欲しいことがあって。』
『いつものやつね。一話に尽き5,000円になりますが、お姉さんが聞いてさしあげましょう。』
舞はいつも明るい。そして、何故かお姉さん気取りだ。物事をストレートに表現するが、そこにはトゲがなく相手を納得させる力がある。優は、奏恵との経緯を全て舞に話した。
『ほんと、神様も嘆いてるね。優の前にいくらチャンスを与えればいいんだって。あんたね、フラグは2、3回立ってたわよ。』
『えっ、そうなの?!』
『そうなの?!って。。あぁ今夜は神様の涙雨が降りそう。』
『・・・どうすれば良かったかな。。。』
『ちょうどいいわ。今日時間ある?いつもの所でランチしない?』
『うん、分かった。』
電話を切った優は、昨日言われた奏恵の言葉を思い出していた。情熱は自分の中にないのだろうか。舞が言っていたフラグはどこだったのだろうか。考えても答えは見つからない。見つかるはずもない。今見つかるなら、その時に気が付いているからだ。
いつもカフェに着くと、入口から斜め奥の席で、舞がこちらに手を振っている。招かれるように、舞のいる席に座ると、水が3つ置かれていた。その質問をさせまいと、
『ほんと、あんたチャンスに弱いねー。次チャンスが来たら活かせる?』
舞らしい、いきなりズバッとえぐる質問だ。答えが難しい。いやその答えがないから、舞に聞いてるのだ。すると、そこに、
『何になさいますか?』
【情熱で】と答えそうになった。
タイミングが良いのか悪いのか分からない店員さんに、『アメリカンで』とだけ応えた。去っていく店員さんを目線で追っていると、
『ほんと鈍感だよね。昔っから。私の・・・こっち、こっちー』
舞が話を遮って、自分を迎えた時以上に大きな手振りで、誰かを呼んでいる。その時、水が3つあることを思い出した。誰かくる?優は、左側に置いた鞄を取る風を装いながら、振り返った。
『えっ?!』
『このチャンス逃したらもうないよ。』
人生2回目の冷凍マグロ状態。そこに浴びせられる舞の言葉。そして目の前に現れた奏恵。優の脳内に響き渡る昨夜の奏恵の言葉。あなたにその覚悟がおありで?
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