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採用におけるウェビナー活用〜サーチファンドの場合〜
1. はじめに
はじめまして。ウェビナー支援のソリューション"FanGrowth(ファングロース)”と同じエキサイトグループで、サーチファンド事業の責任者をしている岡野です。
今回はサーチファンドという新興投資手法の紹介と、ウェビナーを通じた採用強化の重要性についてお話したいと思います。
事業承継問題が深刻化する日本の中小企業セクターにおいて、新たな手法として注目を集めているのが「サーチファンド」です。
欧米ではすでに一定の実績があり、経営者の輩出モデルとして機能してきたサーチファンドが、近年日本でも導入され始めています。
私が所属するエキサイトホールディングスとM&A BASE株式会社でも、サーチファンドの設立をして、日々事業承継課題の解決に向けて精進しております。
エキサイトホールディングス、M&A BASE社を通じサーチファンドを設立
本ブログ記事では、この新興投資手法であるサーチファンドの概要や、そこで活躍する「サーチャー」と呼ばれる人材像をわかりやすく紹介します。
また、サーチファンドの認知を広げ、優秀なサーチャー候補を発掘する手段として、近年活用が進む「ウェビナー(オンラインセミナー)」の重要性にも触れます。
ウェビナーを通じることで、地理的な制約を超えて多くの人材とつながることが可能となります。
ウェビナーを活用した情報発信は、人材採用という面で、サーチファンドを加速させる有力な打ち手となっているのです。
2. サーチファンドとは
サーチファンドとは、若手の起業家候補(サーチャー)が投資家から出資を受け、買収対象となる中小企業を探索(サーチ)し、オーナーから事業を承継しながら、自らその企業の経営を担う仕組みです。(参考:サーチファンド事業について– M&A BASE株式会社)
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欧米で誕生したこのモデルが日本で注目されつつある背景には、深刻化する後継者不足と中小企業の事業承継ニーズがあります。従来、事業承継は親族やPEファンド、事業会社を通じた企業売買で行われてきましたが、サーチファンドは起業・経営志向の強い人材にとって新たなチャレンジとキャリアパスを提供します。
投資家は経営者候補をバックアップし、その成長プロセスに伴う企業価値向上を通じてリターンを得ることができるため、まさに「経営者を輩出しながら投資成果を生む」モデルとして期待されています。
また、サーチファンドは単なる投資手法ではなく、「次世代リーダー」を誕生させる機能を持つ点が特徴的です。
サーチャーは、企業承継後に自らが経営責任者となり、企業運営全般に携わることで、リアルビジネスを通じてマネジメント能力を磨きます。
こうした仕組みにより、各地域に根ざしながら新たな産業リーダーが継続的に生まれ、結果的に日本経済全体の活性化にも寄与できると考えられています。
3. サーチファンドにおけるサーチャーとは
サーチャーは、サーチファンドモデルを動かす中核的存在です。(参考:サーチャー希望者の方 | サーチファンド事業 | M&A BASE)
以下のようなスキルや役割が求められます。
事業承継先の探索:中小企業のオーナーにアプローチし、事業内容や財務状況を把握した上で買収交渉を進める力が必要です。このプロセスでは、産業理解やコミュニケーション能力、交渉力が欠かせません。
投資家への報告・リレーション構築:サーチファンドには出資者やスポンサーが存在します。サーチャーは、買収対象候補の分析結果や進捗を投資家へ報告し、彼らの期待に応えるかたちでプロセスを前進させます。投資家との円滑なコミュニケーションや信頼構築が、活動の継続と成功に直結します。
企業評価とディールメイク:買収候補企業を精緻に評価し、企業価値や収益性、成長余地を見極め、適切なディールを成立させる判断力と分析能力が必要です。
サーチャーはファイナンス、経営戦略、M&A手続き、そしてリーダーシップなど、多岐にわたるスキルを総合的に発揮することが求められます。LPやスポンサーなどの投資家は、サーチャーに対し資金面とネットワークを提供する一方、サーチャーは自身の行動力や事業家マインドを武器に次の成長企業を開拓する。こうした相互補完的な関係性によって、サーチファンドというビジネスモデルは成立しています。
こういった仕組みについて、ウェビナーを活用すれば、潜在的なサーチャーは自宅や職場からでも気軽に情報を得ることができ、投資家やアドバイザー陣との双方向コミュニケーションを通じて理解を深めることができます。
これにより、サーチャー志望者は、より具体的なキャリアパスと将来像を把握でき、サーチファンドへの参画意欲を高めることが可能となるのです。
4. ウェビナー活用の背景と狙い
サーチファンドという仕組みは、まだまだ多くの人にとって新しく、必ずしも広く認知されていません。しかし、この「認知度不足」こそ、実は成長余地を大いに秘めている状況といえます。特に日本では、事業承継問題が社会的課題となる一方で、次世代リーダーを目指す人材や、新たな投資機会を求める出資者との間に「接点」を創り出すことが急務です。
この「接点」を生み出す効果的な手段の一つが、ウェビナー(オンラインセミナー)の活用です。
ウェビナーを開催することで、以下のようなメリットを期待できます。
まず、サーチファンドの認知向上です。オフラインイベントに比べ、ウェビナーは地理的制約がなく、全国、さらには海外からでも参加可能です。SNSやウェブ告知を通じて、これまでサーチファンドに関心を持たなかった層へもリーチでき、短期間で幅広い認知を獲得することができます。
次に、潜在的なサーチャー候補や出資者への直接訴求が可能になります。ウェビナーでは、ただ情報を発信するだけでなく、参加者がその場で質問を投げかけ、回答を得られる「双方向性」がポイントです。
書籍やウェブ記事だけでは得にくい、生々しい現場感覚や細やかな疑問解消がオンライン上で実現されるのです。これにより、サーチファンドに対する理解が格段に深まり、参加者は「自分がサーチャーとして活躍するイメージ」を具体的に描くことができるようになります。
また、ウェビナー後には、個別のミーティング設定やSNSでの継続的コミュニケーションへとつなげることが可能です。これにより、潜在的なサーチャーは実際の投資家、アドバイザー、さらには現在進行形で活動するサーチャーとのつながりを深め、自身のキャリアパスや参画時期、必要なスキル習得などを的確に検討できるようになります。
言い換えれば、ウェビナーは単なる情報発信の場ではなく、「相互理解を深める場」であり、サーチファンドエコシステムを拡大させるエンジンの役割を果たします。
「聞き手」ではなく「対話者」として参加できるオンラインイベントを通じて、サーチャー候補者たちは自分の将来像を明確にし、出資者や支援者は次の才能を発掘します。
この双方向コミュニケーションこそが、サーチファンドの飛躍的な発展を支える強力な原動力なのです。
5. 過去のウェビナー実施例
これまで、M&A BASEは複数回にわたり、サーチファンドに関連したウェビナーを開催してきました。
これらのウェビナーはいずれも事業承継をテーマに、「サーチャー」という新たなキャリアパスにスポットライトを当てています。
経営者を目指す方や、地方企業への貢献を通じて新たな成長の場を探す人々にとって、これらのオンラインイベントは貴重な情報取得と交流の機会となりました。
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開催内容の特徴的なポイント
過去のウェビナーでは、各回ともテーマを明確に掲げ、自社だけでなく、多様な講師陣やゲストを招いています。
たとえば、サーチファンド・ジャパン様、山口キャピタル様、Professional Studio様、NATIONAL SEARCH FUND様、Icon Capital様など、専門性・多様性を有する会社との共催によって、参加者は多面的な視点を得ることができました。
登壇者は、サーチファンド関係者、サーチャーとして活躍する起業家、経営人材のマッチングに詳しいエージェントなど、多岐にわたります。
当日は以下のようにただ一方的に話す形ではなく、双方向性を意識した形を取っております。
パネルディスカッション:サーチャーとしての実際のキャリアステップ、地方企業の承継成功例、投資家がサーチャーに求める資質など、多角的なトピックを議論。
Q&Aセッション:参加者がチャット機能などを通じて直接質問し、講師・パネリストがその場で回答。これにより、双方向性が担保され、参加者は不明点を明確化できました。
参加者からの声・得られたフィードバック
過去参加者からは、以下のような声が寄せられています。
「サーチファンドに関する情報が世の中にまだ少ない中で、実務者から直接話を聞くことができ、理解が一気に深まった。」
「チャットで質問できるため、疑問点が解消され、自分がサーチャーになった場合の具体的なイメージが持てた。」
「地方企業の事業承継や実際の承継事例など、ネット上に転がっていない生きた情報を手に入れられた。」
こうした参加者のフィードバックは、ウェビナーが単なる情報発信の場に留まらず、参加者自身が自らの将来を再設計する上でのヒントや後押しとなっていることを示しています。
また、質疑応答や双方向的なコミュニケーションを通じて、サーチファンドに対する理解度が大幅に向上している点も、ウェビナー形式の大きなメリットといえます。
今後も、このようなイベントを継続的に開催することで、より多くの人がサーチファンドに興味・関心を抱き、新たなキャリアチャンスを掴んでいくことが期待されます。
6. 具体的な事業承継事例
サーチファンドを通じて中小企業の事業承継が成功した好例として、M&A BASEが支援した「株式会社TGK」のケースが挙げられます。
【M&A BASEのサーチファンドによる事業承継が実現】サーチャーの春山佳久氏が株式会社TGKを承継 | エキサイトホールディングス株式会社のプレスリリース
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株式会社TGKは創業以来、ふわとろオムライス専門店「神田たまごけん」と肉オムライス専門店「肉とたまご」を展開し、都内を中心に直営店7店舗、FC店4店舗を運営しています。創業から着実に店舗数を増やし、バーチャルレストランの全国展開も実現。テレビや各種メディアにも多数取り上げられ、高い知名度と確かなブランド力を有しています。
このTGKを新たに承継し、経営を担うことになったのが、サーチャーである春山佳久氏です。
春山氏は、M&A BASE主催の第一回ウェビナーに参加し、サーチファンドモデルの可能性を知りました。
双方向で質疑応答ができるオンラインイベントの特性を活かし、春山氏は直接情報を得ることができ、サーチャーとしてのキャリアビジョンを具体化する大きなきっかけをつかんだのです。
その後、春山氏はサーチャーとして積極的に企業探索を行い、株式会社TGKのオーナーと丁寧な対話を重ねながら、事業内容や組織文化、成長余地を深く理解しました。
投資家とのコミュニケーションやデューデリジェンスを通じ、承継後の成長戦略を練り上げた結果、承継が実現。
春山氏は、新たな経営者としてTGKの舵を握り、長年培われてきた技術・人材基盤を活かしつつ、さらなる発展を目指しています。
7. サーチャー募集要項
継続してM&A BASEでは、サーチャー候補として以下のような人物像やスキル・経験を求めています。
サーチャー希望者の方 | サーチファンド事業 | M&A BASE
起業家精神とリーダーシップ:新たな挑戦を恐れず、事業の成長や改善を主体的にリードできる方。
分析力・戦略的思考:企業評価や財務分析などのM&Aリサーチを通じて、戦略的な判断を下せる知見・スキル。
コミュニケーション力・交渉力:オーナーや従業員、投資家との間で信頼を構築し、Win-Winの関係を築ける方。
好奇心・学習意欲:業界知識やマネジメントスキルを日々アップデートし、新たな知識を柔軟に吸収できる姿勢。
これまでのウェビナーでは、サーチャーとして活躍するために必要な心構えや、具体的なキャリアステップ、事業承継のプロセスなど、貴重な情報が共有されてきました。
過去のウェビナー視聴を通じて、サーチャーになる上での理解をさらに深めることが可能です。
過去ウェビナー視聴を希望される方へ
過去に開催したウェビナー資料や録画動画へのアクセスを希望される場合は、M&A BASEの公式サイト内「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
以下のリンク先から、必要事項をご記入の上、資料請求・お問い合わせください。
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担当者より視聴方法や資料についてのご案内を差し上げます。
ぜひ、ウェビナーで得られる実践的な知見を活用し、サーチャーとしての一歩を踏み出してみてください。
8. まとめ
サーチファンドは、まだ世間一般に十分な認知が浸透していない新興の投資・事業承継モデルです。
しかし、そのポテンシャルは非常に大きく、経営者の育成や日本企業の成長促進、事業承継問題の解決など、多面的な価値を生み出します。
私たちは、ウェビナーをはじめとする情報発信やサーチャーの育成を通じて、着実に理解を深め、成功事例を重ねていくことに力を注ぎ続けます。
まだまだ道半ばではありますが、今後も実績を一つずつ積み上げ、「サーチファンド」という言葉がより多くの方々に受け入れられ、新たなキャリア選択肢として、そして中小企業を次の世代へつなぐ解決策として認知されるよう、着実な前進を続けてまいります。
今後も弊社の活動にご期待いただき、ぜひ皆様とともにこの新たなエコシステムを育てていければ幸いです。