1人脳内会話 俺結婚したいの?編
・最近知り合いがどんどん結婚してく感じがあるな。
「せやな」
・俺は結婚したいのかって聞かれても正直そんなにしたいとは思わないんだけどな、何というか思うところが全くない訳ではないよな。
「誰にも聞かれてないけど、そうなんだ」
・つれないな
「そんな興味ないからな」
・そっか…
「思うところってなによ」
・みんななんで結婚するんだろうってずっと考えてたのよね。世の中的には結婚して、それぞれ家庭を持つことが幸せの形、みたいな認識もある訳じゃないですか。自分はそんなにその欲求が強くはない訳だけど。
「まあそうだね…。じゃあ俺にとって結婚して家庭を持つことは幸せなことではないと?」
・いやそうじゃなくて。そういう形の幸せを感じられる日が自分にもきたら嬉しいなぁとは思うよ。でもさ、必ずしも幸せの形は一つじゃないじゃんか。とも思ってる。
「そうだね。時代も価値観も変わってく。人生のあり方も幸せの形もそれぞれだよねって世間には、たぶんなりつつあるよね。」
・そうそう。今俺には彼女とかいないしできる気配もないけど、けっこう日々幸せに生きてるようにね。
でもさ、俺が今感じてる幸せってずっと同じ幸せじゃないよな、とも思う訳よ。
「というと?」
・俺が今幸せに生きてるこの状況を構成する要素をいくつか挙げてみるとさ、
五体満足の健康な体に精神、毎日食べるご飯が美味しい、仕事はそんなに忙しい訳じゃなくてそこそこ自分の時間を確保できる、遊ぼうと思えば一緒に遊んでくれる友達が少しはいる、家族もおばあちゃんはちょっと元気とは言えないけど施設に入ることはできてその面倒は親が見てくれてる、その他の家族はまあ元気…
まだたぶんあるけど、こんな感じの要素があるわけで、それぞれの要素がけっこういいバランスで噛み合って、幸せな今があると思うのよ。
「そうだね。」
・でもさ、この幸せってずっと続く訳じゃないんだって、最近ジワジワ実感してきたのよ。
「そうだよねぇ…。
4月からはクソ忙しい部署に配属にるかもしれない、そうなったら自分の自由な時間って絶対減るし、当然友達に会う時間も減る。病んじゃうかもね。
突然事故に遭って生活に不便な体になるかもしれない。
家族だってずっと元気な訳じゃないかもしれない。
誰だってそうかもしれないけど、ちょっとしたことでひっくり返るかもしれない幸せの中に生きてるね」
・聞いてて嫌になってきた。
「言ってるともっと嫌になってくる。」
・そんないつ崩れるか分からない幸福だったり不幸だったりの中を生きる中でさ、ひとつ、ありのままの自分を受け入れてくれるこの人が自分の側にいるってことだけは変わらない、っていうことを少しでも確からしいものにするために、法律的に認められる夫婦って言う形で互いを縛り合う、のが結婚なんじゃないかと考えた。
「うわぁカッコイー」
・殺すぞ。
「怖っ、何でだよ。
でもまあ、東日本大震災の後の一時期結婚する人が少し増えたみたいな、そんな話にもちょっと通ずることろがあるかも?」
・何となくだよ。
まあ、俺が仮に将来結婚を考えるとしたらこんな理由なんじゃないかな、と思った。
とりあえず世間体のためにとか、親のためにとか、自分の家庭を絶対築きたいとかそういう理由だけではなく。
この人が一緒にいてるれるってことを少しでも確かなものにしたい、って思えるような人と出会えればいいな。
自分の面倒な性格から考えて、たぶんそんなに好きじゃない人と何年も一緒には居られないし、居たくない。
「なるほどね。
よくわかんないけど結局さ、とりあえずじゃあ結婚はしたいんだ?」
・したいと思えるような相手と出会えればしたい。でも絶対しなきゃいけないもんだとも思ってない。相手によってはしない方が幸せだった、みたいなことになる可能性が自分はそこそこ高いと思うので。
「なんか煮え切らないねぇ。
まあいーんじゃないの。間違ったことはたぶん言ってないよ。
問題はそんな都合よく相性バッチリの女の子が身近に現れて、かつ相手も俺を好いてくれるかだよな。
そんなスタンスならどうせ俺、頑張って相手を探しに行くつもりは無いんだろうから。
あと俺わりと面食いだし。」
・よくご存知で
「俺のことだからな」
・だがな、その点については可能性があるんだな。
「というと?」
・見ろコレ
「…」
・な?神様もこう言ってんだわ。
今年は来るぜ、俺のモテ期が…
「現実と鏡見てこいバカ」
・なにこのイケメン
「せやな(めんどくさ)」
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