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原点回帰の本の旅

不要不急の外出を避けなければならないこのご時世。
本屋によくいくこの僕は、ふと自分の家の本棚に目がいく。

そっか、こんなに本があったか。

いつの日からか身についた本を読む癖。そのおかげで僕の本棚は文庫やその他の本でいっぱいである。読みきったものから、読みかけのものまで、ずらりと並んでいる。いつか読む、いつか読む。そう思って、彼らは売らず捨てずにに残していた。

もしかしたら、今この時が彼らに手を伸ばすときなのかもしれない。

***

昔はよく小説を読んだものだ。歴史物に始まり、スポーツもの、その他もろもろ気になったものを手にしていった。大学に入ってからは新書なども読むようになって、縦長の本も増えた。たまに分厚い本を手に取ってみたりして、もちろんそ奴らは読みかけである。

ついつい本というのは、新しいものに手が伸びてしまう。僕も癖で本屋に行ってしまうから、お金はそちらに流れていく。それはそれでいいのだが、買って読んでからは自分ためにならなければもったいない。というか、意味がない。

今までの僕は、本を読んでただ楽しむだけであった。だが、いろいろな本好きの人と話したり、ラジオでそういう人たちの話を聞いていると、自分がいかに今まで何も考えずに読んできたのかがよくわかる。
こういうところがいい。ここの表現が好きだ、このシーンにグッときた。あそこはちょっとね。
いわゆる感想を持っていなかった。そりゃどうりで、読書感想文は書けるはずがない。昔の僕は、読書感想文が苦手だった。そしてたぶん、今も苦手だ。

考える努力をすべく、僕はかつての本に頼ろうと思う。

新しい本の前に、読むべき本がたくさんある。そしてその本の様々なことに、考えを巡らせたい。どうしてその本を当時買ったのか。受けた印象の違い。何がテーマなのか。作者は何を伝えたかったのか。

一見遠回りに見えるこの読書の旅。さぞかし遠回りだろうよ。

でも、今の僕には必要な読書方法である。


手始めは、吉川英治著の『宮本武蔵』から。

2020.4.18
おけいこさん

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