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今こそ人間の悪い癖を直すとき

人間は今日も、見えない何かを相手に振り回されている。それだというのに、雨は何も知らないかのように、ただただしとしとと、降り続いている。世間の雰囲気がどこかどんよりとしていると、こちらの空気までもどんよりとしてきてしまう。そんな時の雨の冷たさほど、気持ちがいいものはない。

人々はどこか、日常が消えゆくことに怯えているようだ。

毎朝、毎昼、毎晩。テレビも新聞も、Yahooのニュースの通知も、どこもかしこもコロナだらけ。不倫の話題以外のネタができたから、どのメディアも水を得た魚のように連日ウイルスの話題を報じる。今日は何人。どこの誰が感染した。陽性だ。陰性だ。重症だ。軽症だ。首都が封鎖されるかもしれないし、しれないかもしれない。

そんなにコロナに頭をいっぱいにされたら、そりゃ人々も不安になる。

仕事だってどうなるかわからないし、経済だってどうなるかわからない。医療関係者は、いつ日本の状況が悪化して、大量の患者が運び込まれてくるだろうかと、どぎまぎしているに違いない。先が見えないから、当然のことだ。


それでも僕たちは、今日を、明日を、信じて生きていかねばならない。


不安に押しつぶされそうだから、なんだっていうんだ。
コロナで先が見えないから、自ら死ぬのか?
コロナの不安で仕方がないから、今日も下を向いて生きるのか?
コロナで人が亡くなったから、自分も死ぬかもしれない可能性を考えるのか?

まあしてもいいが、そればかりしているわけにもいかぬだろうよ。

僕たちは、人間として生まれた。

僕たち人間は、ついつい下を向いてしまう癖がある。その悪い癖が、大いに出ている今日この頃。僕たち人間に与えられた素晴らしい能力。それは、考えることと、前を向くことと、笑うことだ。それらを遺憾なく発揮しないで、どうするんだね。

***

日常が日常で無くなりそうな今こそ、人間が能力を使いこなす時だ。

この非日常を、どう乗り越えるのか。

どうしたら見えない敵に、打ち勝つことができるのか。

どうしたら、不安で下を向く人々に希望を与えられるだろうか。

たしかに、僕を含めた多くの人々はワクチンを作ることもできなければ、ウイルスの感染を完全に止めることもできない。でもこれまでの僕たちの日常を取り戻すためにできる『何か』が、きっと身近にあるはずなのだ。

不安に怯える人に、寄り添う。
子供を、楽しませる。
家族との時間を、有意義にする。
国や県のこれからの対策を、一緒に考え議論する。
美味しい料理を、作る、食べる。

なんだっていい。少なくとも僕たちは、この非日常をいかに乗り越えるのか、今この瞬間に試されている。みんな一緒になって、前を向けるような何かをして、乗り越えていかなければならない。

そう、

何かできるんだって。

僕にも、あなたにも。


文句を言ったところで、何も始まらない。
下を向いたままでも、気分が鬱ぎ込むだけ。


ほら、とりあえずぐっすり寝て、美味しいものたくさん食べて、楽しいこといっぱいみんなとおしゃべりしてさ。

このときを強く乗り越えていこうじゃないの。


さあ、明日からどうする?

2020.3.28
おけいこさん

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