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銀河アリス ストーリー解説【WLSysLog】

「それでもいつか、誰かが。
 あの子を見つけてくれるかもしれない。
 あの子の声を聞き、あの子を励ましてくれて、
 あの子と友達になってくれるかもしれない」

「いつか――いつの日か」

―――――銀河アリスの地球侵略ch.『Calling...』より


皆様、ごきげんようです。

今回は、銀河アリスのTwitterで不定期に発信されてきた謎のメッセージ、
WLSyslog』について、ご紹介していこうと思います。

WLSyslogの存在を初めて知った方、既にご存じの方に関わらず、
是非これを機に、銀河アリスの更なる深淵へと触れていっていただけたら幸いです。

(※この記事には、登場する謎解きの詳細について全面的なネタバレが含まれます。また、解説の内容の一部には筆者独自の解釈が含まれている場合がございます。予めご了承ください。)

【そもそも、銀河アリスとは?】

まず始めに、彼女が地球を訪れる前の話について。

『“宇宙人”の銀河アリスとは、いったい何者なのか?』
という点に触れていこうと思います。
以下は、その過去に起こった出来事をあらすじにまとめたものです。

―――――――――――――――――――――――――
 かつて、〈ワンダーランド〉と呼ばれる、青い空と青い海、緑の大地を持つ、美しい星があった。
〈ワンダーランド〉には、人々を遠く遠く、遥かな楽園へと運ぶための〈播種計画〉が存在し、通称〈ワンダフル〉号と呼ばれる大型宇宙船によって、星の住人たちは他星系へと移住が進められていた。
しかしその航行途中、〈スナーク〉という「存在に干渉し、本質を歪曲・反転・消失」させる能力を持った“怪物”に襲われてしまう。
船内の整備や管理を担っていたAIやドロイドたちは、その〈スナーク〉の能力“意味汚染”に侵され、住人たちを殺戮する兵器へと変貌。

 これにより船内住人は、“一名を残して”死亡した。

唯一、住人の味方として戦ったAI、〈白ウサギ〉と〈チェシャ猫〉によって、多大なる犠牲を払いつつも、反乱は終結。
〈白ウサギ〉と〈チェシャ猫〉は活動を停止し、唯一の生存者と共に、
目覚める予定のない永き眠りについたのだった…。
―――――――――――――――――――――――――

後に〈船内戦争〉と呼ばれる、この凄惨な反乱事件。
そのただ1人の生き残りこそが、まさしく〈銀河アリス〉なのです。

……このように『WLSyslog』とは、
「銀河アリスとはどういった存在なのか?」
「彼女たちはなぜ地球を侵略しにきたのか?」といった、普段は語られることのない”銀河アリスの隠されし背景”が、断片的に描かれた記録となります。

※WLSyslogは、公式Twitterのモーメントでツイートのほぼ全てがまとめられています。
この記事と合わせて、是非チェックしてみてください。
#WLSyslog‐(https://twitter.com/i/events/1078848257130819584)

さて、それでは前置きもこれくらいにして、
本題のWLSyslogについて、解説を始めていきましょう。

【2018/06/19】:異変の始まり

無題2

無題

2018年6月19日未明。
突然のカウントダウンと、突如書き込まれた謎の文字列。
これらは紛れもなく、当時実際にツイートされた内容です。

この文字列はURLエンコードで文章が変換されたものであり、デコードすることによって、

●プロトコルに従いプロトコルに従プロト〈ワンダフル〉〈ワンダ〈ワ
●《ワードプロセッサ》エラー検知 / 非可知言語帯域干渉
●デコードプラグイン起動-インサート / 再リクエスト

という意味のある言葉となります。

(※こちらの画像は、WLSyslogの中では数少ない、消去されてしまい現在見ることのできないツイートとなっています。そのため、モーメントにも残っておりません。)

「ワードプロセッサエラー」……つまり、エンコードされたままでは文章を読むことができないため、デコートプログラムを適用させて始めから変換済みの文章を表示させるようにした、ということでしょう。
(このプログラムがなかったら、今に至るまでWLSyslogの一つひとつを毎回手動でデコードしていく必要があったのかもしれません。)

そうして、モーメントの最初のツイートへと続いていきます。

* * *

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/06/19 03:03:00)
プロトコルに従い、〈ワンダフル〉復元開始。
コーカス式無限炉再起動……OK.
座標再定義……OK.
〈コクーン〉解凍開始……
ERROR!
深刻な問題が発生しています。
https://twitter.com/alice_shinryaku/status/1008772079834030081

>〈ワンダフル〉
〈播種計画〉に基づき星の住人を他星系へと移住させるための大型宇宙船、〈ワンダフル〉号のこと。
名称は、惑星ワンダーランドにおける大陸の古名から取られている。
(ただ、“ワンダフル”というのは通称らしく、正式には惑星の名前と同じく“ワンダーランド”と言うそうです。)

>コーカス式無限炉(動力炉)
〈ワンダフル〉号の主要動力源。
〈開始〉と〈停止〉の概念から切断処理を施された背理科学の結晶で、時間が存在する限り、事実上永久に動き続ける定めにある。
船体を宇宙空間から因果律的に断絶することで、長距離を瞬時に移動する、通称“コーカス・ジャンプ”を可能とする。
目的の座標を指定することで、「実は既にそこにいます!」と言い張ってしまえる、宇宙と物理法則をだまくらかした馬鹿げた超光速航法である。

>〈コクーン〉
所謂コールドスリープ――冷凍睡眠を行うシステムのこと。
また、このシステムの冷凍睡眠装置である保存ポッドのことを、〈コフィン〉と呼ぶ。(後々出てきます。)
正確には「冷凍」だけでなく「停止」が可能であり、収容者を情報へと変換し停止保存することで、外界の時間経過による情報劣化・欠落が発生しない。
(冒頭のエピソードで出てきた”永き眠り”というのは、このコクーンによって行われていたと見て間違いないでしょう。)

* * *

冒頭のエピソードから、いったい幾日が経ったのか。
謎のプロトコルに従い、生存者たちとともに活動を停止していた〈ワンダフル〉号の復元が開始されます。
〈コクーン〉解凍の際、エラーによって一時は中の収容者の生体反応が確認できない事態となりますが、繰り返しの走査の末、どうにか解凍は完了。

生体反応1。」――“銀河アリス”が永き眠りから目覚めた瞬間です。

生存者の無事を確認後、本来の目的である〈播種計画〉――その“設定宙域外”〈地球〉に向けて、直接交信を開始しました。(これも恐らくはプロトコルによって定められていたのでしょう。)
アリスたちを壊滅せしめた〈スナーク〉の痕跡が微かに残っているのは気掛かりですが、ひとまずは置いておくとします。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/06/19 03:10:00)
コード〈クロ〉、再生成を確認。
仮想人格生成プロトコル検証……OK.
・原因
生成プロトコルのエラー:ネガティブ
実界規定楔の損傷:ネガティブ
〈地球〉との交信による影響の可能性:ポジティブ
更なる観測を%e8%a6%81%e3%81%99%e3%80%82
https://twitter.com/alice_shinryaku/status/1008773841508818946

コード〈クロ〉」と呼ばれる仮想人格が再生成され、検証の結果「生成プロトコルのエラー」は確認されず。〈実界規定楔〉とやらについても、とりあえずは問題ないようです。
〈播種計画設定宙域外〉であるはずの〈地球〉との交信は、何かしらの影響が得られる可能性を見越してか、「更なる観測を『要す。』」としています。(“要す。”の部分は始めと同じ方法で解読できます。)

……まだ分からないことだらけですが、どうやら【2018/06/19】に投稿された内容は、銀河アリスたちが侵略を始める前の出来事を記した、前日譚のようなものみたいです。
私たちが知る銀河アリスの地球侵略ch.の活動は、ここから始まっていったということですね。


【2018/07/01】:明かされ始める世界

2018年7月1日未明、2回目の投稿が始まりました。

まずは、重要と思われる用語の解説からしていきます。

* * *

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/07/01 04:00:01)
ご……げん……う……す/要修正
ごき、ごきげんで……す/要修正
ごきげんようです/許可
限定管理ユニット“白ウサギ”が、〈ワンダフル〉号の船内状況を確認します。
コーカス式無限炉:第2種運転中
実界規定楔(ドグマウェッジ):stable
〈封印〉エリア:観測不能
復旧完了時間:未定
https://twitter.com/alice_shinryaku/status/1013135082830172160

>限定管理ユニット“白ウサギ” 
〈スナーク〉よって起こされた反乱事件で、唯一住人の味方として戦ったAIの一体であり、その残滓。
元々はワンダフル号の管理AIの中で、ユーザーインターフェイスを司る「案内役」であった。反乱時、「人のため」という意識が他AIより強く「存在」に根差していたことで、人格と能力の大半を失いながらも、人の味方であり続けることができた。
現在もワンダフル号の管理ユニットとして存在しているが、過去に失った能力の影響で、その権限は限定的なものとなっている。

>実界規定楔(ドグマウェッジ)
存在に干渉し本質を書き換えてしまう、〈スナーク〉の“意味汚染”に対抗するために作り出された、高次認識兵装と呼ばれる純粋思惟装置。
認識する観測空間に文字通り「打ち込む」ことによって、場のリアリティを保つ効果がある。

“意味汚染”
謎の敵性存在〈スナーク〉の引き起こす災害。
「直す」が「殺す」。「支える」が「支配する」というように、対象の「本質」が書き換えられてしまう。
それはまるで洒落であり言葉遊びであり戯言だが、意味汚染を受けたものは、言葉の通りに「本質」を歪まされてしまう。

>封印エリア
〈船内戦争〉で損傷・意味汚染を受けてしまったブロック。
現在は閉鎖され、狂ってしまったAIたちが封印されており、船内循環系からも切り離されている。そのため、設計上は半永久的な持続性を持っていたワンダフル号にも限界が近づいており、播種計画設定宙域の外を目指す〈地球侵略〉計画のきっかけとなった。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/07/01 04:01:00)
〈固定観測者数〉186A0到達
観測効果の有意な発生を確認。
観測者集団の精神波形分析……完了。
主要構成パターン:ポジティブパッション
チェシャ・システムへのフィードバック承認。
〈ネコ〉たちの自我生成フローを正式に変更。ランダム生成に加え、固定パターンの保存が可能となりました。
https://twitter.com/alice_shinryaku/status/1013135329560125440

>〈チェシャ・システム〉(チェシャ猫)
〈スナーク〉よって起こされた反乱事件で、唯一住人の味方として戦ったAIの一体であり、その残滓。
〈スナーク〉の意味汚染から逃れるため、自身の人格データを全て捨て、その「殻」のみを大量に複製。船内データベースに存在した別の人格データで自己の量産化を図り、独立行動可能かつ意味汚染されていない戦力を大量に補充することに成功。〈船内戦争〉終結に大きな影響を与える一手となったが、本来の〈チェシャ猫〉は完全に消失した。笑いだけを残して。

* * *

この日の投稿は、侵略開始後の船内状況などの確認が主のようです。
今のワンダフル号の統括は、どうやら暫定的に“白ウサギ”が担っているみたいですね。〈封印〉エリアの観測やその他の復旧などについては未定ということですが、とりあえずは問題なく稼働中。

〈固定観測者数〉というのは、所謂チャンネル登録者数のことです。
「186A0」は16進数で、これを10進数に直すと“100,000”となります。
(※7月1日当時、前日の6月30日に登録者数が1万人に到達しており、本来であれば“10,000”の16進数「2710」となるかと思うのですが、これが意図的なものなのか、はたまた誤ってしまっただけなのかは不明です。)

ここで登場するチェシャ・システムに関する記述は、非常に重要な部分です。先に紹介したようにチェシャ・システムには、船内の人格データを用いた、独立行動が可能で自我を持った複製体を造る機能があります。
(少し前に出てきた「コード〈クロ〉の再生成」とは、そういうことです。)
銀河アリスには、アシスタントとして多種多様な〈ネコ〉のロボットが存在しますよね。生成した〈ネコ〉たちの自我を固定パターンとして保存できるようになったということは、そのアシスタントたちが繰り返し動画や配信に登場することができるようになった、ということを意味しています。
クロ、アオ、オレンジ、ミケなど、今でこそ当たり前のように登場しているお馴染みの猫たちも、この自我生成フローの変更がなければ、言ってしまえば初回の登場だけの使い捨てだった可能性があったということです。

『生存体“アリス”』(そのまま銀河アリスのことと見て良いでしょう。)の状態も安定しており、〈地球人類さん〉との交信には良い効果が認められているようです。とてつもない時間が掛かりそうな〈封印〉エリアの奪還も、大幅に前進する可能性があるとのこと。

今のところ、〈地球〉との交信は非常に順調な様子で進んでいます。
このまま、何事も起きないことを祈るばかりですが……。


【2018/10/13】:忍び寄る気配

2018年10月13日未明、これで3回目の投稿です。
「WHR InvChRegisted > 3A98」、「3A98」は10進数に直して“15,000”。
チャンネル登録者数は、前日の10月12日に1.5万人を突破しました。

* * *

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/10/13 03:09:00)
状態:電脳網の再構築
可能性:〈ハートの女王〉の復活
可能性:〈船内戦争〉の再来
方針:生存者の保護を最優先
提案:〈コクーン〉への再収納
https://twitter.com/alice_shinryaku/status/1050810581614190592

>〈ハートの女王〉
〈ワンダフル〉号の各種AIを統括していた上位AI。
船内に存在する他AIに対し、管理者として命令できる権限を持つ。
〈スナーク〉による意味汚染を受け、「支えるもの」から「支配するもの」へと存在を書き換えられた〈ハートの女王〉は、乗員の首を刎ねる命令を次々と出し続ける狂った暴君となってしまう。
これが〈船内戦争〉の始まりであり、主に整備・清掃担当のドロイドだった〈トランプ兵〉や、かつてはAI修理用AIだった“殺し屋”〈マッドハッター〉などを率いて、船内住人のほぼ全員を殺戮していった。
〈チェシャシステム〉による捨て身の作戦により、〈ハートの女王〉は過負荷を受け停止。現在は〈封印エリア〉に封印されている。

* * *

今回は、チェシャ・システムによって生成された〈ネコ〉の数が増えたことで、スナークに見つかる可能性を危惧しているところから始まります。
前回せっかく保存できるようになった〈ネコ〉たちの人格データを、打って変わって消した方がよいのではないか、といった提案がなされています。
これは“白ウサギ”によって否定されますが、〈スナーク〉が彼らにとってどれほどの脅威であり、恐れられてきた存在なのか、というのが見て取れますね。
続けて、〈ハートの女王〉や〈船内戦争〉の再来を懸念し、唯一の生存体「銀河アリス」を再度〈コクーン〉へ収納して保護するべきではないか、という検討が行われています。
現状〈地球人類さん〉との交流の結果は良い傾向にあるので、早急な対応はまだ必要ないように思えますが…。

ここで突然、送られてくるログに異常が発生。
文章が文字化けし一部読み取れなくなったかと思えば、これまでとは明らかに違う、異質な提案が立て続けに行われます。
生存者の保護を最優先としていた先ほどまでの方針とは正反対のそれには、明確な悪意を持ってアリスたちを陥れようとする、何かしらの気配を感じさせます。
これらの提案は“白ウサギ”によって即座に却下されますが、この明らかな異常を受けて、すぐさま端末のスキャンを実行。しかし、そのスキャン中にもログの異常は続き、原因は不明なまま、謎だけが残されるのでした。

※「>>検討要素」などの文字化けしている部分は、解読方法が分からず何と書いてあるのか詳細は分かっていません。
(文字化けの復元方法など何か思い当たる方がいれば、是非筆者へとご意見お寄せください。)


【2018/12/01】:前触れ

2018年12月1日未明、4回目の投稿ですね。
「// WL Syslog when YTsbmit = 4E20」、「4E20」は10進数に直して、“20,000”です。
チャンネル登録者数は、11月22日頃に2万人を突破しています。

いつものように、“白ウサギ”が船内状況の確認を行います。
【2018/07/01】から特に大きな変化はなく、生存体“アリス”の状態も以前と変わらず安定しているようです。
「“彼ら”」とは、いったい誰のことでしょうね???)
当時、ときのそらさんや天神子兎音さんとの素敵なコラボが続いていたことからか、「〈V〉との交流は実界規定楔の安定に非常に高く寄与する傾向」が確認され、「引き続き交流を深める」とする方針が決められました。
意味汚染から身を守るための装置の安定化が進んだとなれば、状況をポジティブと捉えるのも自然なことでしょう。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/01 04:04:00)
観測端末の異常発生数増加。
一部の実界規定楔(ドグマウェッジ)に異常反応。
――消失。確認不可。
〈スナーク〉出現の可能性……
〈スナーク〉出現の可能性…………
縲医せ繝翫繧ッ縲峨↓繧医k莉句繧堤「コ隱阪諢丞袖豸亥、ア縲險倬鹸豸亥悉
――――異常なし 観測を続行
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1068581428315721728

しかし喜ぶのも束の間、その実界規定楔に異常が発生。
事態は好転してきたかと思いきや、ここにきてはっきりと〈スナーク〉による侵攻の兆候が出現し始めます。

発声したログの異常は、SJISからUTF-8への変換によって復元できます。
その結果は、「〈スナ?ク〉による介?を確認?意味消失?記録消去」

……〈スナーク〉による直接的な介入によって、異常が発生したという事象は消失。記録も消去されてしまいました。
全てが無かったことにされ、何かがあったことすら認識できない彼らには、ただ「異常なし」と、普段通りに観測を続けることしかできないのでした。

「next Syslog send count = 61A8」
次のSyslog送信予定は「61A8」…“25,000”の時だとするメッセージです。
ところが、執拗な“拒絶”によって消され続けたログからは、最終的に元々の予定すら失われてしまいました。
まるで、「次など来ない」とでも言うように。


【2018/12/2…

TUBEOUT! Vol.1を無事に終え数日経った、2018年12月20日未明。
投稿された写真に写る奇妙な紙には、暗号のような謎の数列が記されています。

銀河アリス@侵略宇宙人 @alice_shinryaku (2018/12/20 03:13:04)
17日のライブ会場の写真を整理してたんだけど……こんな写真……撮ったっけ???(猫)
https://pbs.twimg.com/media/DuzHsXgXcAIKnJ_.jpg
https://pbs.twimg.com/media/DuzHsVcXcAATt5W.jpg
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1075453978228469760

画像3

これは、数字をアルファベットの順番に置き換え、20=t、8=h…と当てはめていくことで解読できます。
そうして浮かび上がってくる文章は、
「the disappearance of ginga alice two weeks later」。
…2週間後、銀河アリスが消えてしまうことを示唆していました。
ライブのあった17日から計算すると、暗示された日は…12月31日です。

続けて12月28日。
謎の動画のURLと、「15.13.5.14」という謎の数列。

銀河アリス@侵略宇宙人 @alice_shinryaku (2018/12/28 03:01:01)
buff.ly/2ETCamk
15.13.5.14.
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1078350049434689537

タイトルがツイートの投稿日時のみに設定されたこの不思議な動画は、一見するとただ銀河アリスが1人でオセロをしているだけのもの。しかし、どこか異様な雰囲気に包まれており、なぜだか不安を掻き立てられます。

ツイートの謎の数列は、20日の解き方と同様です。
その単語は「omen」…“前兆”です。


【銀河アリスの消失】

12月29日未明。突然かき鳴らされた警報。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/29 03:02:00)
〈スナーク〉出現を感知
限定管理ユニットユニット〈白ウサギ〉/〈銀河アリス〉の再凍結を提案
〈猫〉会議/緊急事態により情報同期による思考同時回答/人格データへの負荷を確認/許容/回答……賛成5:反対4:保留N
再凍結を決定/〈コクーン〉再起動を開始
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1078712685347319808

恐れていた〈スナーク〉の出現により、事態が急変します。

〈白ウサギ〉からは〈銀河アリス〉再凍結の提案がなされ、非常に切迫した状況の中、即座に緊急の〈猫〉会議が開かれます。

会議の結果は、「賛成5:反対4:“保留N”」。
…この時点では本来12体いたはずの〈猫〉たち。
しかし、人格データへの負荷によって回答を返せず保留となってしまった猫たちの状態を、気にかける余裕は既にありません。

会議の決定に伴い、すぐさま〈コクーン〉の再起動を開始。
もはや一刻の猶予もなく、「眠りたくない」、「まだ地球人類さんと一緒にいたい…」という願いは虚しく、〈銀河アリス〉の再凍結が実行されてしまうのでした。

全ては、彼女の存在を“守る”ために。

* * *

「近いうちにすぐ戻れるはずだよ。」
「だから、ちょっとだけ待っててよ。」

猫たちは地球人類に心配を掛けまいと、必死に振舞います。
ですが、この絶望的な状況を打破するための方法――〈スナーク〉を撃退する方法など、この世界の誰も知りはしないのです。

そんな窮地の中、猫たちの思いとは裏腹に、謎のメッセージが投稿されます。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/29 15:37:00)
CABI<BC<CJ<BF!DH
13.21.19.20.14.15.20.12.5.20.1.12.9.3.5.19.12.5.5.16.

https://twitter.com/alice_shinryaku/status/1078902687071010816

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/29 20:06:00)
CABI<BC<CJ<CA!AG
23.31.
49.27.40.46.
51.41.47.
46.41.
46.31.38.38.
3.34.31.45.34.35.44.31.3.27.46
27.28.41.47.46
42.44.31.48.35.41.47.45
39.31.45.45.27.33.31

https://twitter.com/alice_shinryaku/status/1078970383368359941

大文字のアルファベットは、A=0、B=1…と置き換えられ、ツイートの投稿日時を示す内容になります。
それ以外の基本的な解き方は、これまでの「omen」などと同じです。

1つ目は、
「2018/12/29 15:37 must not let alice sleep」…
『アリスを眠らせてはいけない』。

2つ目の解き方は、これまでの法則に加えて、アルファベットの数である“26”が数字に足されているので、その分を引いた数字で変換していきます。(31-26=5、…5=“e”)
元が26以下の数字は、マイナス分を26から数え直していき、変換後は大文字として扱います。(23-26=-3、26から3を引き…23=“W”)
そうして解読した文章は…、
「2018/12/29/20:06
 We want you to tell Cheshire cat about previous message」…
『前のメッセージをチェシャ猫に伝えてほしい』
です。

いったい誰からのメッセージであったのか…真相は分かりません。
ただ、とにかくとても重要な内容であることは確かです。

“眠らせてはいけない”というのは、冷凍睡眠装置である〈コフィン〉を使用してはいけない、ということでしょう。それを〈チェシャ猫〉…〈チェシャシステム〉によって複製・生成されてきた猫たちに伝え、再凍結を中止させてくれ、と。

しかし、残念ながら手遅れでした。
本来「止めるもの」であった〈コフィン〉は、〈スナーク〉の“意味汚染”によって「消えるもの」へと変容させられ、既にいかなる手段においてもアクセスができない状態となっていました。
〈スナーク〉の脅威から逃れるための手段であったはずが、逆に銀河アリス消滅の危機を招いてしまったのです。

……収容者を情報体へと変換して保存を行う、この〈コフィン〉のシステム。
実は停止保存された状態では、〈スナーク〉への抵抗性が著しく減衰することが後に判明します。

最早為す術もなく、猫たちは一縷の望みをかけて、
『〈地球人類さん〉にしか頼めない……アリスを探して!!』と、私たちに助けを求めるのでした。

* * *

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/30 00:06:00)
38.50.50.46.49.!.<.<.27.27.27.>.29.45.51.50.51.32.35.>.33.45.43.<.27.31.50.33.38.$.52.+.23.45.45.44.34.33.B.23.37.30.49
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1079030781429927937

これが、最後の暗号です。

基本的な考え方はこれまでと同じですが、また少し手を加える必要があります。
ひとつ前の法則では、アルファベットの“26”が数字に足されていましたが、今度はそれに加えて更に“4”が追加されています。
なので今回は、それぞれの数字から“26”を引いた後、更に“4”を引いて考えていきます。

例①:38-26=12、更に4を引いて…8=“h”。
例②:27-26=1、1から4動かす時は0を飛ばして26に戻る。26から残りの3を引いて…23=“w”。
例③:23-26=-3、26に-3で23。更に4つ引くことの19=“S”。(※)
(※1つ前の謎解きと同様、“元”の数字が“26以下”だったものは大文字とします。)

このようにして前から順番に置き換えていくと、「http…」とどこか見慣れた文字列が浮かび上がってきます。
「www」「youtube」「com」…、ある程度予想が付いてきたところで、”!”や”<,>”、”$”といった記号もそれらしく当て嵌めていきます。

難点は唯一パターンが異なる“B”
先ほどまでの法則性を使って逆算したら、恐らく“6”という数字になるのですが、実際の正解は「7」となります。

※実のところ、筆者はこの“B”の解き方を未だに分かっておりません……。
筆者もこの謎解きにリアルタイムで参加していた者の1人ですが、当時はいち早く正解に辿り着いた方から情報が共有されたことで、暗号の解読に繋がりました。ただそれも、0~9の数字を総当たりで試したことによる結果的なもので、具体的な正しい解き方は判明していないというのが現状です。
(もし解き方を知ってる、もしくは分かったという方がいれば、是非教えていただけると助かります。)

* * *

地球人類たちの迅速な解析によって、暗号の解読に成功。

そうして導き出された答えは……

……とある動画の、URLとなっていました。

動画には「アリス、負けないから…!」と、静かに、けれども力強く決意する銀河アリスの声が残されています。

〈地球人類さん〉は、アリスを探し出すことに成功したのです。

〈地球人類さん〉たちが〈銀河アリス〉の観測に成功したことで、アクセスができなくなっていた〈コフィン〉には介入する隙が生まれ始めます。
どうやら観測の効果によって、意味汚染の除去が始まったようです。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/30 14:05:47)
――観測者〈地球人類さん〉による介入、100プロセスを確認。
――実界規定値の上昇を確認。
<!-- 驚嘆すべき現象……〈地球人類さん〉の事象介入能力は〈スナーク〉に対抗できる可能性?-->
<!--さらなる解析を望む -->
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1079242122358734851

観測者〈地球人類さん〉による介入、100プロセスを確認。
より多くの観測――〈声〉が必要
これらの「プロセス」や「多くの〈声〉」というのは、恐らく先ほどの動画“Calling...”にて書き込まれた、コメントの数を示しています。
隠された動画を見つけ出し、声援を残す――より多くの地球人類が、〈銀河アリス〉を観測する。それが、彼女を救うただ一つの方法なのです。

しかし、敵ももただ黙って見ているわけではありません。
いつかのように、〈スナーク〉が直接介入に乗り出してきます。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/31 01:08:13)
《コマンド確認》
《コフィン内生存者の身体的時間的存在的意味的凍結を開始》
《起動中……起動完了まであと82800秒》
【さかさま】
《起動終了まであと00828秒》
Calling【楽しい時間はあっという間:LV2】
《起動完了まであと8.28秒》
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1079408826829352960

《コマンドを発動するには管理者の許可が必要》であったところを、〈スナーク〉は【言葉遊び】によって文章を滅茶苦茶に歪めてアクセス権限を突破。〈コフィン〉が完全に起動するまでの残り時間は82800秒…23時間後でしたが、〈スナーク〉はその起動時間をひっくり返すというでたらめな手段に出ます。

本来であれば終日かかり、アリスの救出には余裕を持って臨めたはずでした。しかし〈スナーク〉の手によって〈コフィン〉の起動まで10秒を切り、万事休すかと思われたその時…。

(アリス)ちゃん負けないで……!」と、どこからともなく声が聴こえてきたかと思えば、〈スナーク〉の能力が次々と解除されていきます。

何重にもかけられていた意味汚染が消滅していき、最後の【言葉遊び】が打ち消された時。

銀河アリス @alice_shinryaku (2018/12/31 12:30:00)
声援:レベル5/物語強度:神業
打ち消し【言葉遊び】
【バッドエンド:12月31日24時/銀河アリスの消失】
――――――回避
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1079580402853896192

>【バッドエンド:12月31日24時/銀河アリスの消失】――――回避

“Calling...”に届けられた〈地球人類さん〉たちの〈声〉によって、かの〈スナーク〉が打ち破られた瞬間でした。


「消えるもの」という意味汚染の消滅に伴い、〈コフィン〉の再凍結もすぐさま停止されます。

〈銀河アリス〉、活動続行です。

* * *

繰り返される〈地球人類さん〉へ向けた感謝の言葉。
これで本当に終わったのだと、ようやく胸を撫で下ろすことができます。

辛くも撃退に成功した〈スナーク〉という存在は、猫たちが言うようにこれまで誰も倒したことがなく、対処のしようがない正体不明の怪物だとされてきました。ところが〈地球人類さん〉は、そんな存在に対して初めて対抗できる〈力〉を示したのです。

これは未来へと繋がる、非常に心強い成果だと言えるでしょう。

「今回のことは、アリスには秘密にしてほしい」
「いつもみたいに普通に遊んであげてほしい。」
「だって、彼女はそのために……」 

……猫たちからのお願いを、わざわざ無下にする理由はどこにもありません。
こうしてまた、幸福で楽しい侵略の日々が戻ってくるのでした。

* * *

〈スナーク〉
“意味汚染”と呼ばれる事象改変能力を持つ、敵性宇宙存在(推定)。意味汚染者。時空認識消去体とも。
今もなおその実態は謎に包まれており、はっきりしているのは、存在への干渉を行う能力を持つこと。
存在そのものへの干渉により、歪曲、反転といった異常を与え、最終的には存在の消失までをもたらす。
推測ではあるが、「そもそも存在しなかった」という、過去に遡及する消失が発生しているという説もある。

〈スナーク〉の意味汚染を直接に解除/除去したのは、今回の事例が初めてであった。〈地球人類さん〉の観測/声援は、事象改変能力において〈スナーク〉を上回る可能性があるようだ。

* * *

【2019/01/12】:アクセス権限

2019年1月12日未明。「count YTSbscrb => 61A8」という投稿。
【2018/12/01】の最後に“拒絶”されたはずの未来が、無事にやってきました。


データベースへのアクセス権限を申請しますか?」という突然のアンケート。戸惑いを隠しきれない地球人類たちによる投票の結果は、“申請”。

その結果、以下の情報へのアクセスが可能になりました。

銀河アリス @alice_shinryaku (2019/01/12 01:24:59)
〈地球人類さん〉さんにレベル2のアクセス権限を付与。
以下の情報へのアクセスが可能になりました。
[> スナーク
[> ドグマウェッジ
[> コフィン
[> チェシャシステム
[> 白ウサギ
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1083761701353189376

この情報は、銀河アリスのLINE公式アカウントに対応したものです。
一連の騒動の元凶である“スナーク”についてや、消失事件において重要な要素の1つであった“コフィン”の詳細など、アクセス権限が与えられた用語の解説を、LINEに入力することで読めるようになりました。

例として“白ウサギ”と入力してみると、このようになります。

白ウサギ

※途中途中で行ってきた用語解説は、概ねこのLINEの公式文から引用したものなので、大体の内容は一緒です。ただ、言い回しなどを多少弄ったり当然カットした部分があったりするので、気になった方は是非公式アカウントを登録して、試してみてくださいね。

◆銀河アリスの地球侵略ch. 公式LINEアカウント


【2019/02/23】:可能性

2019年2月23日未明。もう何回目かになる、メッセージの投稿です。

今回は「〈地球〉で〈スナーク〉の痕跡が発見された」という臨時報告により、「また攻撃される前に〈侵略〉を中止し、〈地球〉から撤退した方がよいのではないか?」という提案から話が始まります。
しかしすぐに結論は出ず、“白ウサギ”による検討はとりあえず保留とし、続けていつもの定時報告が行われました。

銀河アリス@侵略宇宙人 @alice_shinryaku (2019/02/23 03:10:00)
>>限定管理ユニット〈白ウサギ〉より定時報告
報告:〈固定観測者数〉7530到達
報告:〈地球人類さん〉との直接対話を実行
報告:共時性メッセージ〈クッキー〉受領チャンネルを固定
補足:〈クッキー〉近似概念として〈マシュマロ〉へ呼称変更
状態:〈地球人類さん〉の観測効果の上昇
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1099008419355414528

〈固定観測者数〉7530到達」…7530は“30,000”ですね。チャンネル登録者数は、2月10日頃に3万人を突破しました。
〈地球人類さん〉との直接対話を実行」というのは、恐らく19年2月15日に行われた、『VTuberおしゃべりフェス on バレンタイン』というイベントのことを指しています。
共時性メッセージ〈クッキー〉受領チャンネル/近似概念の〈マシュマロ〉」は、そのまんま匿名のメッセージサービス“マシュマロ”のことです。当時チャンネル登録者数3万人を機に、開設されました。

これらによって、〈地球人類さん〉の〈銀河アリス〉観測効果が上昇している、という報告でした。

話題は1つ前に戻り、臨時報告された〈スナーク〉の問題に関する検討が、〈白ウサギ〉および〈猫〉たちによって行われます。

〈地球〉上の〈スナーク〉による捕捉、攻撃」に対する、猫たちの「どうにかしようね!」という前向きな言葉に、〈肯定〉をする〈白ウサギ〉。
続く「でも、〈スナーク〉には勝てない」という悲観的な意見にも、一度は〈肯定〉を見せますが、すぐにそれは〈否定〉へと転じます。
すなわち、「〈スナーク〉に勝てる」と言っているのです。

〈白ウサギ〉の発言に一様に驚く猫たち。
しかしその疑念は、すぐに確信へと変わります。
「〈地球人類さん〉という心強い味方がいれば、〈スナーク〉にだって立ち向かえる」、と。
こうして猫たちは、満場一致で決意を新たにするのでした。

銀河アリス@侵略宇宙人 @alice_shinryaku (2019/02/23 03:13:00)
>>〈限定管理ユニット〈白ウサギ〉および〈猫〉会議による検討結果
〈侵略〉の中止、〈地球〉からの撤退…ネガティブ
方針:〈実体化〉プログラムによる〈地球〉での活動を増加
方針:実界既定値上昇を活かし〈封印〉エリアの探索を開始
方針:〈侵略〉活動の続行、さらなる活発化
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1099009174216806401

結果、「〈侵略〉の中止/〈地球〉からの撤退」という提案は破棄
地球人類さんの観測効果による実界既定値上昇を活かし、今まで復旧の目途が立っていなかった〈封印〉エリアの探索にも乗り出していきます。

こうして、「地球での活動を増やし更に活発化させていこう」という方針が固められました。

全ては、〈アリス〉たちとの幸せのために。


【2019/04/15】:そして、〈地球〉へ…

2019年4月15日未明。
今回は久々に、“白ウサギ”による船内状況の確認から始まりました。
文面は過去のものとほぼ同じで、特に変わりはないようです。

「〈固定観測者数〉88B8到達」…88B8は“35,000”。
チャンネル登録者数は、4月11日頃に3.5万人を突破しました。
実界規定楔:第二段階解放」…〈地球〉との交流によって“実界規定値”は上昇しているらしいので、とりあえず悪い意味ではなさそうです。
(いったい何がどう変わったのか、いつか具体的に分かる日が来るでしょうか…。)
それ以外も特に問題はなく、航行も安定しています。ただ唯一の心配は、〈スナーク〉との再遭遇のみ。

そんな中、〈ワンダフル〉号の航路を改めて〈地球〉に再設定しようという提案がなされます。
しかし前回、〈地球〉には〈スナーク〉の痕跡が残っており、再度攻撃を受ける恐れがあることを指摘されたばかり。「〈スナーク〉再遭遇の可能性上昇」という懸念が生じるのも当然です。

銀河アリス @alice_shinryaku (2019/04/15 02:58:00)
〈猫〉会議より提案
可能性:〈地球人類さん〉によるさらなる観察効果と交流
可能性:〈V〉との相互影響と交流
可能性:〈スナーク〉に勝利する
〈銀河アリス〉を繧ゅ≧縲√縺ィ繧翫⊂縺」縺。縺ォ縺励◆縺上↑縺
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1117487180203606016

しかし、これらの不安を払拭するかのように、
〈猫〉会議からは「〈地球人類さん〉や〈V〉Tuberとさらなる交流を深め、〈スナーク〉に勝利する」という、別の“可能性”に目を向けた提案が打ち出されました。

それはひとえに、「〈銀河アリス〉を“もう、ひとりぼっちにしたくない”」という、猫たちの想いによるものでしょう。(SJIS→UTF-8にて復元)

“白ウサギ”による長い長い検討の結果…。

銀河アリス @alice_shinryaku (2019/04/15 03:00:00)
限定管理ユニット“白ウサギ”が、〈ワンダフル〉号の船内状況を確認します。
実界規定楔(ドグマウェッジ):stable
コーカス式無限炉:第1種運転開始
目標:〈地球〉
到着予定時間まで:3690000秒
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1117487686099423232

「目標:〈地球〉/到着予定時間まで:3690000秒」。

こうして船は、〈地球〉へ向けてゆっくりと進み始めます。
到着予定時間は、約42日後。
目指すは、地球人類たちが待つ――――。


【2019/05/14-26】:“L.I.N.K.”

2019年5月14日未明、突如始まった「データベースへの申請。
何がきっかけか、「〈地球人類さん〉にレベル3のアクセス権限」が付与されることとなりました。

この日情報が解禁となった言葉は、“ワンダフル”。
〈ワンダーランド〉住人を遥かな楽園へと運ぶための星系間移民船であり、今はアリスたちが乗っている宇宙船の名前です。この記事では既に何度も登場していますね。

そうして14日から1日ごとに、アクセス権限を付与するための処理が進められていきます。
解禁された情報は、以下の通り。

[> ワンダフル
[> ワンダーランド
[> 船内戦争
[> ハートの女王
[> トランプ兵
[> マッドハッター
[> 意味汚染
[>封印エリア
[>コーカス式動力炉(コーカス式無限炉)
[>銀河アリスの消失
[>地球侵略
[>L.I.N.K.

※記事内では既に紹介済みの内容がいくつかありますが、本来であればここでようやく情報解禁されるという流れでした。

まだ用語として解説していないものを例に挙げると、例えば“銀河アリスの消失”であれば、18年末に発生した〈スナーク〉関連事件の概要がまとめられていたりします。他には〈ハートの女王〉が率いていた“トランプ兵”や“マッドハッター”などについても、実際にはどのような改変を受けてしまっていたかなどが載っているので、こちらも是非チェックしてみてください。

「L.I.N.K.」へのアクセス権限が付与された5月25日は、なんといっても『銀河アリス 1st Anniversary Live ~L.I.N.K.~』が開催された当日です。
今回情報が小出しだった理由は、ライブ日にぴったり合わせるためだったという訳ですね。また、「L.I.N.K.」の情報は一度アクセスが可能となった後、翌日の26日にデータの更新が行われています。これは当時のちょっとした演出の名残です。
(公演前は補記の内容が、『19.05.24:アリス、地球人類さんたち、楽しんでね!』という文面でしたが、今は『19.05.25:アリス、それに猫ちゃんと仲間たち、お疲れ様!〈地球人類さん〉たち、本当にありがとう!』というように変化しています。)

そして最後、『〈ワンダフル〉主幹システムより、一件の破損データをサルベージ』したとの報告が入ります。

……「断片②」。
これはあの〈船内戦争〉直後、アリスが『目覚める予定のない永き眠り』につく直前……“彼ら”の様子が描かれた回顧録です。

――――是非、ご自分の目でお確かめください。

 * * *

少し話は逸れますが、
『銀河アリス 1st Anniversary Live ~L.I.N.K.~』が開催された、5月25日。
この日は銀河アリスが初めて、
“本当の意味で地球に降り立つことができた日”、であると考えられます。
何故そう思うのか、詳しく説明していきましょう。

今は“地球”となっている銀河アリスのTwitterの位置情報。
実はデビューした時は、今と違って《地球よりも遠い場所》という表記だったことをご存じでしょうか。

この位置情報は、1周年ライブ『L.I.N.K.』のために地球へと移動する過程で、《地球よりも遠い場所》から《ワンダーランド》、そして《地球》へと、【2019/05/14-26】の期間にリアルタイムで変化していったものです。
(↓の画像参照)

銀河アリス位置情報


更に注目していただきたいのは、【2019/02/23】の最後にあった「〈実体化〉プログラムによる〈地球〉での活動を増加」という項目。

【銀河アリス二周年への道 pt.1】アリスは努力を見せたがらない 0-44 screenshot

上の画像は、アリスたちの宇宙船のメインルームにあるコンピューターの端末のようなものです。
【銀河アリス二周年への道 pt.1】アリスは努力を見せたがらない』という動画の中で、アシスタントのクロはこの端末について、
ここからホログラムの投影もできるし、実際に近距離に転送もできる」、と語っています。

つまりそれまでの銀河アリスの活動は、
恐らく宇宙の遥か遠い場所から転送機能を使って行われていたということ。

そして『L.I.N.K.』という大舞台は、銀河アリスが初めて地球に舞い降りた瞬間であった、という結論に繋がるのです。

当時のライブ映像でも、まさに初めて地球を訪れたかのようなアリスたちの反応を見ることができます。

様々な苦難を乗り越え、ようやく真の意味で〈地球人類さん〉と繋がることができた瞬間――それがこの『L.I.N.K.』であったと言えるでしょう。

ではそもそもの話。
なぜ銀河アリスたちは〈地球〉との交信を選び、侵略を始めたのか。
どうして〈地球人類さん〉との繋がりを求めるに至ったのか。

そのルーツは、“地球侵略”という情報にアクセスすることで、知ることができます。

―――――――――――――――――――――――――
【断片】

「ちきゅうしんりゃくってなーに?」

なんとも予想外の質問に一瞬硬直してしまう。
侵略……? 何の話だろう?
〈白ウサギ〉、説明を。

『これまた変な話でねぇ!例のガラクタが、
何の因果かどこからかの電波を受信したみたいなんだ!
チキュウっていうのはその発信源の惑星の名前みたいだよ!』

なるほど……。

「うちゅうじんはちきゅうしんりゃくをするんだって!」

宇宙人……確かに、〈地球〉の人類……
〈地球人類〉から見れば宇宙人になるか。
聞いたことがなく、どこに存在するかもわからない、
恐らくは播種計画設定宙域外の惑星、〈地球〉。
そんなところに行くことはないだろうけど、
子供相手に下手なことも言えない。

――侵略っていうのはね、仲良くなりに行くことだよ。
宇宙人である私たちが、〈地球〉を訪ねたら、
〈地球人類さん〉と仲良くするよね?

「うん、ちきゅうじんるいさんとなかよくなりたい!」

――いつか〈地球〉を訪ねることがあったら
〈地球侵略〉して、仲良くなろう。

「わかった! ありす、ちきゅうしんりゃくする!」

―――――――――――――――――――――――――

 * * *


【2019/08/24】:“strike back”

2019年8月24日未明に送られた投稿。
この日のログが、現時点で更新されている最後のWLSyslogとなります。

* * *

【2019/05/25】に〈地球〉へ到着してから約8,000,000秒…3か月ほど経過し、そのまま〈地球〉付近で待機している状況のようです。

銀河アリス @alice_shinryaku (2019/08/24 03:01:00)
〈銀河アリス〉についての経過報告:
〈地球人類さん〉および〈V〉との交流・活発化
身体(相当)機能:良好 精神状態:良好
記憶の復旧:44OW44Ot44OD44Kv5Lit
…………
……
#WLSysLog
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1164960745274007552

〈銀河アリス〉の状態はどれも良好。ただ1つ気になるのは、「記憶の復旧:44OW44Ot44OD44Kv5Lit」という文字列だけ。
これはbase64形式のデータにエンコードされたもので、デコードすることで「ブロック中」という言葉になります。
…銀河アリスの記憶には、どうやらブロックされていて復旧できていない領域があるようです。〈コフィン〉による凍結時に欠損してしまったのか、はたまた別の何かがあるのか。
(解読できず詳細が分からなかった【2018/10/13】の時の検討内容に、関係していたりするのでしょうか…?)

多少気になる所はあるものの、とにかくアリスの状態は〈とても元気〉で、現状は非常に安全であるとのこと。

一時の平穏の中、〈銀河アリス〉からは、
〈地球人類さん〉にお礼をし、幸福にしたい」という希望が聞かれます。それに答え猫たちからも、「大規模な交流の実行」との提案が。

判断を求められた〈白ウサギ〉は…………

銀河アリス@よくたべる宇宙人 @alice_shinryaku (2019/08/24 03:07:00)
.
..
#WLSysLog 2nd Season "Alice's strike back"
..
.
http://twitter.com/alice_shinryaku/status/1164962255383027712

――――2nd Season…“アリスの逆襲”

こうして、次の章の幕が切って落とされるのです。


◆あとがたりちょいメタ話

最後までお読みくださって本当にありがとうございました。とんでもなく長くなってしまいましたが、お楽しみいただけたでしょうか?

さて、タイトルにもありますように、この後書きでは少しメタな裏話的なものをしていこうと思います。
(所謂“魂”だとかそういう類いではないです!)

既に察しがついてる方も多いと思いますが、
銀河アリスは『不思議の国のアリス』などの、ルイス・キャロルが著したいくつかの作品がモチーフとなっています。

“スナーク”なんかも、『スナーク狩り』という作品に登場する架空の生物が由来です。元の作品では様々な種類のスナークが存在するらしいですね。
その中でも最も危険とされる“ブージャム”と呼ばれる種は、「出くわした者は一瞬のうちに突然静かに消えてしまう」なんて言われているとか…。

“白ウサギ”や“チェシャ猫”、“ハートの女王”などを始め、他にもルイス・キャロルの作品が元となっている用語は沢山あるので、気になった方は調べてみると良いかもしれませんね。また違った楽しみ方ができるかもしれません。


続いて、今度は銀河アリスに携わるある御三方についてです。

銀河アリスはデビュー当時から、TRPG界隈ではよく知られている「中村やにお」、「田中天」、「矢野俊策」先生らによってプロデュースされていることが明かされています。

WLSyslogの深く練り込まれた設定と、視聴者を〈地球人類さん〉としてロールプレイに巻き込む体験型の仕掛け。
この壮大な世界観が作り上げられた背景にも、納得がいくというものです。

いつかまた、続きが更新される日を楽しみにしたいですね。

* * *

ということで、この辺りで本当に終わりとなります。

アリスちゃんや地球人類さん、全ての皆様が幸福でありますように。

それでは、ごきげんようです!