【読書感想】がまくんとかえるくんシリーズ
がまくんとかえるくんシリーズ アーノルド・ローベル/三木卓 文化出版局
『違国日記』に出てくる作品をなるべく全部鑑賞するため『ふたりはともだち』を借りに図書館へ行きました。会社帰りに寄ったので閉館ぎりぎりで急いで慣れない児童書のコーナーから探していたんだけど、アーノルド・ローベルだから「ア」の列にあるはず、ない、webにはあるって書いてあったのにと思ったら「ロ」の列にあった。……そうよね、確かに日本人も苗字で並んでるわな。
貸し出し中じゃないか事前に確認したときに知ったんだけどシリーズすべてがまとまっている本が出ているんですね。というか、子供のときにこんなにシリーズで出ているってよくわかっていなかった気がするな。『ふたりはしんゆう』は誰か借りていたのでそこに収録されている『ふたりはともだち』『ふたりはいっしょ』『ふたりはいつも』『ふたりはきょうも』の4作すべて借りました。
子供のときに読んだということは覚えていても内容はあまり覚えていませんでした。こどもの本ということになっていてもちろん子供のためのものであると思うけど、これは今回の私みたいにきっかけがあって懐かしく思い出して改めて読む、この作品に帰ってくる人を待っているような本に感じました。あるいは読み聞かせてあげる親にも寄り添っているように思います。
大人になって読むと、がまくんは"認知のゆがみ"がひどくてぐにゃぐにゃで、気分の落ち込みもあるように見られる。考えかたが違うけど仲良しの二人の話としてほのぼの読むのもいいけれど、そういう視点で読んだ時にがまくんにかえるくんがいてよかったなと本当に思います。それだけだとがまくんがもらうばかりにも見えるけど、かえるくんはかえるくんでがまくんの何となくちょっとずれた感じのする大きすぎる愛を受け取っているし、ふたりはバランスの取れた素敵な組み合わせだなあと思います。
特に『ふたりはきょうも』の『ぼうし』と『ひとりきり』が好きです。全て声に出して読むとより心に響くように感じました。