ピッチ・プレゼンは魅せ方が鍵~参考になるIR資料⑦市場編~
YJキャピタル(ヤフーのベンチャーキャピタル)の大久保です。本シリーズは、投資基準8選に対応する形で、プレゼンの際に参考になりそうな資料の備忘録です(随時更新)。今回は投資基準のPart7”市場”に対応してます。参考文献まとめはこちらです。資料は主に、上場タイミングで公開する「成長可能性に関する説明資料」から抜粋してます。
メルカリ:
潜在的市場規模の大きさ/成長余地の見せ方が上手です。特に、独自算出の7.6兆円の”不用品の推定価値”はアンケート結果を用いており、自ら計算して市場規模を推定してます。どこの資料にも市場規模が乗っていない場合でも、フェルミ推定的に市場規模を概算する事はできます。
フリー:
会計ソフトウェアのみならず、IT支出、会計以外のバックオフィスソフトウェア全体を市場規模とすることで巨大さをアピールしています。兆円単位の市場があると魅力的です。ただ、未上場時のVCとのmtgでは解像度の高い市場説明も必要でしょう。
ラクスル:
印刷全体とターゲットになるEC市場を説明しているのが特徴的です。EC化率が拡大する余地が見やすいです。兆円単位の市場2つもターゲットというのは魅力的に見える説明です。
ラクスル:
EC化率の伸び代の説明が分かりやすいです。他の国との比較、そして、国内の他商材カテゴリとの比較により説得力がUPしています。
ツクルバ:
円を3つ使うフォーマットも分かりやすいです。右には今後拡大する要因も記載されているのが特徴的です。
シフト:
品質保証・テストの工程が他工程と比較し、アウトソーシング率が低いことを可視化してます。工程ごとの市場規模を可視化しているのは特徴的です。市場も大きく、かつ、アウトソーシング率の伸びしろも大きく、競合も少ない、という魅力をふんだんに魅せられてます。
チャットワーク:
競合とのポジショニングを踏まえた説明であることが特徴的です。ターゲット顧客を2軸にし可視化し、社数・労働人口を元に市場規模を魅せてます。各セグメントでの獲得顧客数が可視化されているのも特徴的です。
ジモティー:
クラシファイドであるがゆえに、複数産業の市場規模を説明してます。具体的なターゲット市場は別途規模を表現しており、足元市場、およひ、今後広がる市場、双方を説明してます。多様なカテゴリでそれぞれのシェアを増やしていくという戦略が見えます。
フリー:
三角形型フォーマットはSaaS企業でよく見る図です。各セグメントの対象社数、そこにターゲティングされたプロダクト開発がされてることが説明されていることが特徴的です。
ベース:
三角形フォーマットを採用してます。副業希望者2200万人を市場規模に入れているのが面白いです。緑枠でロングテールをターゲットとしているのを説明しています。
SanSan:
各セグメントごとに、シェア(企業、従業員)を算出しているのか特徴的です。シェアをもとにまだまだ伸びるポテンシャルがあることを説明してます。
ランサーズ:
フリーランスのオンライン化率を海外比較した説明です。仕事獲得経路ごとのシェアもわかりやすいです。
フリー:
複数の外国と比較することで説明力upしてます。「同じ産業×海外」という軸での市場浸透率の比較は有用です。
フリー:
3つの図を使った分かりやすい説明です。「ソフトウェア自体も2倍の開拓余地」があり、「ソフトウェアの中でもクラウドは7倍の開拓余地」があることが上手く説明できてます。
フリーの:
クラウドサービスがこれから木市場の主流になることを、現時点のシェアが低いことで説明してます。一方で、最近導入する企業の主流はクラウドであることを用いて説明することでより説得力がupしてます。
カオナビ:
タレントマネジメントシステムが他種類システム比較し普及してないことを説明してます。他システムとの比較する観点は面白いです。
メルカリ:
ベンチマークサービスと比較したフォーマットです。ベンチマークは大きいほど良いですが、コマースサイトであるメルカリが、メディア、SNSを入れているのが面白いです。
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