【コマースチャンネル】ユニバーサルECアプリ/訪問サービスPF/著者とファンのコミュニティ/ロケーションベースマーケ/自動車故障のAI診断
先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします（日本でも投資したいと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひ、ご連絡ください!!）下記メルマガでも配信してます。
①ユニバーサルショッピングapp「nate」
設立年：2018/米国
調達金額：38Mドル(Series A)
主要投資家：Canaan Partners, Forerunner Ventures, Coatue, Renegade Partners
事業概要：
AI活用ユニバーサルショッピングアプリです。普段のecの買い物で気になった商品を、appleのシェアボタンからnateアプリ上に連携し、保存できるプロダクトを提供してます。複数ECサイトを横断してお気に入りリストを簡単に作成できる感じです。それに加え、nate上からワンクリック決済(普通は各ECサイトから購入)、銀行口座との連携により後払い決済、友人へのギフト機能や、ソーシャルコマース機能(クリエイターのお気に入りリストから購入した場合、そのクリエイターにキャッシュバックが入る)も備えられているユニバーサルアプリとなってます。昨年リリース以来、6週間ごとにユーザーは倍々で成長中。マネタイズは購入ごとにユーザーから1$チャージしているとのこと。
一言コメント：
ECサイトの多様化により、それを一括管理したいというニーズは加速しそうです！nateは一種のアグリゲーターなのに決済もサイト内で実現しているのがすごいです！
記事リンク：
https://www.finsmes.com/2021/06/nate-raises-38m-in-series-a-funding.html
②サービスECプラットフォーム「Thumbtack」
設立年：2008/米国
調達金額：275Mドル(Series I)
主要投資家：Sequoia Capital, Tiger Global Management, Jason Calacanis, Draper Associates, Javelin Venture Partners
事業概要：
訪問サービスのオンデマンドPFを提供しています。ハウスクリーニング、住宅設備・家電の修理等の訪問サービスの商材を扱っています。一時的にコロナの影響で売上は減少し、昨年３月には250人解雇に踏み切りました。その後、コロナへの危機感が薄まるにつれ、また、お家時間への関心が高まるとともに、V字回復、ここ一年て50％成長、今年は$2B超えの取扱高を見込みます。また昨年末には住居の健康診断サブスク「setter」を買収。定期診断によるタッチポイントとオンデマンドサービスでのシナジーを見込んでいます。同領域はオンデマンドPFの競合の他に、先月調達した同じく住宅診断サブスクの「super」等も競合現れるなど、注目を集めている領域です。
一言コメント：
訪問サービスのEC化は日本でもまさに立ち上がり期！単発利用が多い業態の中で、サブスクを組み込むのは面白いですね。また、「shopify for 訪問サービス」という切り口も個人的にはある気がしてます。
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/06/15/thumbtack-home-services/
③著者とファンが繋がるコミュニティサービス「Bookclub」
設立年：2020/米国
調達金額：20Mドル(Series A)
主要投資家：Backstage Capital, GSV Ventures, Maveron, Pelion Venture Partners, Signal Peak Ventures
事業概要：
著者と本のファンが繋がるコミュニティを提供してます。その本についての著者のロングインタビューや、著者とファン、モデレーター等の交流を促すPFを目指しています。現在オープンベータ版で、11種類の本が、掲載されています。著者の10時間にも及ぶロングインタビューがコンテンツとして提供されています。今回の資金調達により、著者獲得を強化していき、21年末までに200種類の本のコンテンツ作成を目標にしてます。また、創業者自身が本サービスを”Masterclass meets goodreads”と表現していますが、両会社の創業者も株主だとか。今後の課題として、存命でない名著や、シャイで出てこない著者の作品等カバレッジをどう上げるかがあるそうです。本調達にもあるクリエイターエコノミーは最もホットなジャンルになっています。
一言コメント：
クリエイターエコノミーは①トップorテール、②ジャンル、③提供機能の３軸で切ると面白いと思っており、その点、海外にあって日本にはないセグメントは要注目泣きがします。
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/06/15/bookclub-checks-out-a-shiny-new-20-million-series-a/
④ロケーションベースのマーケPF「uberall」
設立年：2012/ドイツ
調達金額：115Mドル(Private Equity)
主要投資家：Project A Ventures, United Internet Ventures, Level Equity Management, HPE Growth, Bregal Milestone
事業概要：
店舗ビジネス向けにロケーションマーケティングSaaSを提供しています。昨今インターネットで調べられる情報のかなりの割合がローカルに関するものです。その一方で店舗側は自社のオンライン上でのデータを統合できていない課題があります。uberallは店舗に対して、Google検索やyelp等の100超のプラットフォーム上の検索順位から店舗に関するクチコミ等のデータまで一括管理が可能となるPFを提供してます。ピザハット、マクドナルド、KFCをはじめとしたクライアントがおり、合計１３０万拠点で利用されてます。また、ロケーションベースの広告やSNSの管理機能など、集客面の支援機能も拡充しており、今回更なる拡大のためロケーションマーケティング会社MomentFeedを買収しました。
一言コメント：
店舗データの一括管理・集客支援は、まさに今日本でも盛り上がり始めている切り口です！各メディアも”ローカル”を重要視しているので楽しみな領域！
⑤自動車故障のAI画像診断「Tractable」
設立年：2014/英国
調達金額：60Mドル(Series D)
主要投資家：Entrepreneur First, Insight Partners, Future Fifty, Acequia Capital (AceCap), Charlie Songhurst
事業概要：
自動車保険会社と連携して、車の事故のAI診断を行っています。事故発生時に写真を送るとその場で、修理にかかる金額等の算出が可能となります。AIによりわずか数分で完了し、従来のプロセスの10倍の速さだそう。また正確性でも人以上とのことです。世界のTOP100の自動車保険会社の20取引があり、2年で600％成長、年間売上も10億円単位に到達する勢いとか。日本の大手保険会社も顧客であり日本が最大のマーケット。今後は、事故のみならず、自然災害、経年劣化、中古車等の隣接領域へテクノロジーを応用していきたいとのことです。
一言コメント：
住宅・車・家電等の故障/劣化をAI画像診断で即時に判定し、診断結果をもとに、訪問サービスや修理パーツECにつなげるという取組が流行っている気がします。「診断＋EC」は面白い切り口ですね。
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