【コマースチャンネル】NFTs作成shopify/ハイパーローカルマケプレ/建築資材サンプルマケプレ/ECサブスクマネジメントSaaS/最新科学栄養管理

2021年5月10日 20:22

　先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします（日本でも投資したいと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひ、ご連絡ください!!）メルマガ「コマースチャンネル」でも配信してます。

①NFTs作成のShopify「bitski」

設立年：2016/米国
調達金額：19Mドル
主要投資家：Founders Fund, Coinbase Ventures, Andreessen Horowitz, Galaxy Digital, Village Global
事業概要：
　クリエイターやブランドに対してNFTのカスタムストアを作成するシステムを提供してます（NFT版Shopify）。購入者の方も、イーサリウム等の暗号通貨は不要で馴染みのあるクレジットカードでデジタルグッズを購入できるというのも特徴です。adidasや後述するRTFKTを始めとした300appsで利用実績があります。マネタイズは月額サブスク＋トランザクション手数料10%となっています。先週は、NFTデジタルスニーカーを販売し同じくアンドリーセンから調達した”RTFKT”、そして、アバターのデジタルグッズのプラットフォーム”Genies”が調達するなど、NFT、デジコンの領域の盛り上がりが続いています。
一言コメント：
　めちゃ面白いです。売り手、買い手のNFTに対する障壁が下がれば一気にマスに行きそうです。NFTsはメタバース文脈でのデジタルグッズでも面白いですし、それに加えてブランド・クリエイターのファンエンゲージメントツールとして一般的なマーケ手段になる気がしてとてもワクワクします。BASE・Storesのように日本ローカルなプレイヤーが出てくることに期待！
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/05/06/bitski-raises-19-million-from-a16z-to-become-the-shopify-for-nfts/

②ハイパーローカルマーケットプレイス「nearby」

設立年：2020/米国
調達金額：21Mドル
主要投資家：GV, Redpoint,Sound Ventures, Obvious Ventures, Cowboy Ventures
事業概要：
　ローカル店舗に特化したマーケットプレイスを運営してます。地元の店舗からの購入に特化したサイトで、複数店舗での購入でもカートは一つで決済可能です。注文後の配送は全てnearbyが行っており、ハイパーローカルだからこそ効率的な配送網を構築しているようです。オークランドの17店舗からスタートした彼らは今では店舗数で倍に、売上でこれまで$100kに達しているとのこと。SNSアカウント名は「Keep Oakland Alive」となっており、コロナ禍でのローカルコミュニティ愛に訴求してます。マネタイズはトランザクション手数料型（出店料無料）だそうですが、アマゾン等と比較しかなり低い料率とのこと。slack、TwitterでPMをしていた創業者が率いており、今回調達した資金で他エリアへの展開する計画です。
一言コメント：
　GMV実績に比して大型調達であり、とても期待されていそうです。ハイパーローカルという切り口は一つのトレンドになっている気がします。都市ごとにwebサイトも分けるというのは面白いです。ローカルが故に、スケーラビリティに課題が出そうな気もしますが、ローカルマケプレという第一想起を取れると一気に横展開できるのかもしれません！
記事リンク：
https://www.cbinsights.com/research/nearby-series-a-funding/

③建築資材サンプルのマーケットプレイス「material bank」

設立年：2018/米国
調達金額：100Mドル＠$1B
主要投資家：General Catalyst, Bain Capital Ventures, Bond, Lead Edge Capital, Raine Ventures
事業概要：
　建築家・デザイナー向けに建築素材サンプルのマケプレを提供してます。従来はそれぞれメーカーから探していましたが、時間・コストもかかりかなり非効率だったところを、テクノロジーの力で圧倒的に検索しやすくしました。400を超えるブランドから即時に、カーペットからタイル、壁紙まで必要なサンプルを無料でオーダーでき、複数素材が一箱にまとめられて、翌朝には届きます。50万SKUに及ぶ商品を、翌朝に届けるロジスティクスは驚異的です（LOCUSロボットを150台導入）。今では、建築家・デザイナーの登録者数は6万に及ぶそうです。マネタイズはブランドの月額出店料金＋トランザクション手数料とのことで、売上は昨年3倍になり今年は$50Mを突破する勢いの大注目ユニコーン。
一言コメント：
　ココにしかない価値（商品数、独自の探し方提案、無料サンプルの翌日配送）を提供している点で、バーティカルコマースのお手本のような強いビジネスモデルです！日本においても、調達・仕入れ領域でまだ見ぬ巨大潜在市場がありそうです。
記事リンク：
https://www.forbes.com/sites/amyfeldman/2021/05/06/the-latest-hot-marketplace-material-bank-raises-100-million-to-source-architectural-and-construction-products---with-help-from-robots/?sh=534057b74f32

④サブスクECマネジメントSaaS「Recharge」

設立年：2014/米国
調達金額：227Mドル＠2.1Bドル
主要投資家：Bain Capital Ventures, ICONIQ Growth, Summit Partners
事業概要：
　サブスクリプションECのマネジメントSaaSを提供してます。shopify等とも連携可能で、ブランドはReChargeをサブスクリプションを簡単に開始できます。サブスクリプションに関わるあらゆる機能（カート、データ分析、レコメンド、CRM）を提供し、顧客のロイヤル化を支援します。2020年にはARRが146％成長し、1.5万の顧客、2000万人のサブスクライバーを180カ国でかかえています。2014年以降$5.3Bのトランザクション実績があるそうです。今後は、連携プラットフォームの拡大（BigCommerce、Commerce Cloud等）、EUへのエリア拡大を計画してます。
一言コメント：
　SaaS向けのZuora等は有名ですが、ECに特化したサブスクマネジメントは面白いです。ECもただのモノ売りから、サービス化・顧客ロイヤル化が重視されており、これは日本においても同様のトレンドです。記事リンク：
https://news.crunchbase.com/news/recharge-raises-277m-to-plug-into-merchant-subscription-programs/

⑤パーソナライズ栄養管理「Zoe」

設立年：2017/米国
調達金額：20Mドル
主要投資家：Osi Umenyiora, Accomplice, Daphni, Tim Kendall, Ahren Innovation Capital
事業概要：
　最新科学に基づいたパーソナライズ栄養管理を提供してます。ユーザーは、家に届いた専用のテストキットで血液検査、弁検査を行い血中脂肪、血糖値、腸内環境の検査を行います。その分析結果(独自の健康スコアZoe Scoreを算出)と食事記録をもとに、最適な食生活を提案、コーチングするプログラムを提供してます。このアイデアの前提にあるのは、体質によって最適な食生活は変わると言う考えであり、最新科学を用いて究極のパーソナライズを追求しています。プランは6ヶ月プランで月$59と月$149の2つあります。2019年時点ではテストキットだけで$1000かかっていたとのことで大幅なコストカットを実現してます。チームは、ハーバード、スタンフォードの研究者で研究結果をもとに創業しているサイエンス企業となってます。パイロットユーザーの86%は効果を実感しており、健康促進につながったとのことです。
一言コメント：
　ビヨンドミートのような健康文脈でのフードテックが注目を浴びていますが、ZOEのように、個人の健康データをiot等で分析し、それに基づいたパーソナライズは今後ますます進んでいくと思われます。こういった分野ではドメスティック企業は安心感があるので国内企業にも注目です！
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/05/04/personalized-nutrition-startup-zoe-closes-out-series-b-at-53m/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+Techcrunch+%28TechCrunch%29

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