【コマースチャンネル】NFTマケプレ/ダークストア/需要予測AI/EC特化マーケSaaS/EC進出一括管理
先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします(日本でも投資したいなぁと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方、準備中の方ぜひ、ご連絡ください。)※コマースチャンネルでも配信
①NFTマーケットプレイス「OpenSea」
設立年:2017/米国
調達額/:$23M
シリーズ:シリーズA
投資家:a16z他
事業概要:
NFTのマーケットプレイスを運営しています。商品数は1400万にも及び、NFT版のeBayやAmazonのようなプロダクトです。先日、本ブログでも紹介したサッカートレカのSorareのカードも取引できるなど、各プラットフォームのデジタルコンテンツが一挙にOpenSeaに集約されており取引が可能です。この6ヶ月で100倍のトランザクションにも急成長しており、1日で$10Mのトランザクションに達する規模だそうです(下図はブログより)。マネタイズは売買手数料を売り手から2.5%貰う形(買い手の手数料はゼロ)であり、他マーケットプレイスと比較し圧倒的に手数料率が低いとのこと。
一言コメント:
NFTについては専門家が沢山語っておりますが、コマース文脈でも大変注目しております。メタバース時代におけるデジタルアイテムの唯一性を保証するという点は、現実世界に世界でモノが実体として一つしかないということと、ほぼ同義になるのではないかと思います。デジタル生活時代における”所有物”の概念がまさに今立ち上がり始めたと思うとワクワクします。
リンク:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/19/2021-03-18-nft-marketplace-opensea-raises-23-million-from-a16z/
②食品店向けの需要予測AI・自動発注「SHELF ENGINE」
設立年:2015/米国
調達額/:$41M
シリーズ:シリーズB
投資家:GGV Capital、General Catalyst他
事業概要:
食料品店向けに需要予測AI・自動発注システムを提供してます。これにより食品廃棄・在庫切れ問題を解決し、利益の最大化を実現しています。用いるデータは、実売データに加え、天気、周辺のイベント状況等、多岐に渡ります。特徴的なのは予測した売上よりも下回った場合は、下回った分の商品をSHELF ENGINEが買い戻す(売上保証)ということです。マネタイズは実際に販売された売上に対しての卸売粗利となっています。卸売粗利が収益源という点では、仕入れ先業者と食料品店の卸売マケプレの側面も有ります。導入した店舗では利益率が平均50%以上増え、食品廃棄物を32%減らせるという結果も。すでに85社、2000店舗以上で導入されているようです。
一言コメント:
”AI需要予測・自動発注システム”×”売上保証”×”卸売れマケプレ”といった3つの側面があり、かつ、実績として、利益率の向上、食品廃棄の削減を実現していて、かなり面白いです。日本においても、こういった複合的な訴求ポイントを組み合わせたソリューションに期待したいです!
リンク:
https://foodtech-japan.com/2021/03/19/shelf-engine/
③ブランドのEC進出一元管理PF「Cymbio」
設立年:2015年/イスラエル
調達額/:$7M
シリーズ:シリーズA
投資家:Vertex Ventures他
事業概要:
ブランドがEC進出する際の各チャネルの一元管理PFを提供しています。FARFETCHやShopeeのようなマケプレもあれば、walmartやmacy'sのような小売店もあるなど多種多様なチャネルとなっております。通常多様な”売り場”で販売する際はデータフォーマットをそれぞれの”売り場”に合わせる必要があり面倒なのですが、Cymbioを利用すると"売り場"に合わせたデータフォーマットに自動変換してくれます(下図イメージ)。また、Cymbio上でデータ分析、在庫・価格変更、キャンセル等の運用なども一元管理することが可能となり、ブランドにとって容易に新たな市場への進出が可能となってます。既に300+のブランド、600+のRetailerが利用しており、ブランドの売上は平均65%Up、販売個数は平均47%Up、新しい売り場の立ち上げ時間91%カット、といった実績が出ているようです。
一言コメント:
販売チャネルが多様化しているECにおいて”一括管理PF”という切り口はまだまだチャンスがある領域です。国内大手モールのみならず、海外モール、SNSチャネルといった新しいチャネルが次々に出てくるので、それらに簡単に参入できるよう支援するプロダクトはニーズが有るはずで、期待です。
リンク:
https://jp.techcrunch.com/2021/03/19/2021-03-17-cymbio-series-a/
④15分配送のダークストア型グローサリーEC「Fridge No More」
設立年:2020年/米国
調達額/:$15.4M
シリーズ:シリーズA
投資家:Insight Partners他
事業概要:
15分でお届けするダークストア型グローサリーECです。ゴーストストアとは店舗を持たず都市部に倉庫のみを保有し、そこから配送を行うECの形態のことです。対象エリアは倉庫(200 – 300平米)から半径1マイルだそうです。現在は2000SKUを揃えており、注文単価に関わらず送料無料で配送してます。昨年10月にサービスを開始し、今では2000以上のユーザーから毎日平均200注文を受け、注文単価は$40だそうです。現在はブルックリンで利用可能ですが、今回の調達で周辺領域での拠点数拡大をしていく計画です。同米国ではビジョンファンドからも調達したgopuffや、EUでもFlink初めとして多数のダークストアスタートアップが誕生してます。また、今週もJiffy(英)の調達ニュースが出るなど盛り上がってます。
一言コメント:
毎週のようにダークストアの資金調達がリリースされていますね。日本でもコンビニがいくら便利といえども、15分で送料無料なら頼んじゃいますw倉庫・配送を徹底して内製することで、1配送の黒字化を達成しさえすれば、頻度の向上・拠点数の拡大等で資金さえあればグロースの再現性が高そうです。日本でも期待大の領域!
リンク:
https://news.crunchbase.com/news/instant-food-deliverer-fridge-no-more-bags-15-4m-series-a-to-change-grocery-habits/
⑤EC特化マーケティングSaaS「Yotpo」
設立年:2011/米国
調達額:$230M/$1.4B ユニコーン
シリーズ:シリーズF
投資家:Bessemer Venture Partners、Tiger Globa他
事業概要:
EC特化のマーケティングSaaSを提供しています。ワンストッププラットフォームを目指しており、現在は4つの主なプロダクトライン(SMSマーケティング、ロイヤリティ&リファラル、レビュー、Visual UGC)を提供してます。Shopify, Salesforce Commerce Cloud, BigCommerce等のEC構築SaaSとの連携やAppStoreのような形で様々なマーケティングツールと連携されています。過去、リワードのswell、SMSマーケのSMSBumpをM&Aするなど積極的に機能を拡充しており、今後はLTV予測や、顧客とのコミュニケーション領域を強化していくとのこと。ARRは$100M を突破しており、3万の有料顧客がいるとのことです。
一言コメント:
こちらも一元管理系SaaSです。マーケツールも多種多様に存在するのでワンストップ化のニーズはありますよね-。yotpoの場合は外部の多種多様なツールとインテグレーションしつつ、コアな部分は内製化する等してバランスを取りながらワンストップを実現しているのが戦略的にも面白いです。shopifyを想起させます。
リンク:
https://techcrunch.com/2021/03/18/yotpo-series-f/
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