【コマースチャンネル】テレビ番組EC/住宅サービスDX/家電サブスク/ピザ店DX/ソーシャルコマース

2021年4月20日 22:09

　先週のEC/OMO/マケプレ領域の注目資金調達ニュースをお届けします（日本でも投資したいと思う企業をpickしてます。関連領域で起業している方/準備中の方ぜひ、ご連絡ください!!）※コマースチャンネルでも配信中

①アルコール特化テレビ番組EC「NBTV」

設立年：2008/米国
調達金額：10Mドル
主要投資家：John Esposito, David Nichols他
事業概要：
　アルコール特化版ネットフリックスにEC機能が追加されたようなサービスを提供してます。動画コンテンツは、お酒の製造過程や、歴史、品種の紹介などかなり高級感あふれる内容になっています。動画コンテンツ自体は無料で視聴可能で、物品の購入や、サブスクサービスなどで課金しています。元々動画制作会社からスタートしたNBTVですが、培ってきたノウハウを活かす形で、2018年に本事業を開始しました。35%の購入は日常使いによるもので、$100-$200の平均注文単価だとか。また、いくつかの都市では当日配送事業も行っています。資金調達により、動画コンテンツの拡充、更には、アルコール以外にも、スポーツや健康領域への参入をしていくそうです。
一言コメント：
　リッチな動画コンテンツからコマースへの誘導という切り口は第三世代プラットフォーマーぽい切り口だと感じました。この切り口はファンが付きやすい商材カテゴリにおいての横展開可能性が高いと感じました。記事メディアと比較しコンテンツ製作コストが掛かるので、高単価な商材で、ストック性の高いコンテンツ制作ができるかが、収益性の観点で鍵になりそう。
記事リンク：
https://news.crunchbase.com/news/exclusive-nbtv-secures-10m-series-a-for-netflix-meets-qvc-spirits-purchasing-experience/

②住宅サービスの遠隔コミュニケーションPF「HomeX」

設立年：2017/米国
調達金額：90Mドル
主要投資家：New Mountain Capital
事業概要：
　家の所有者と家周りの業者とのコミュニケーションを円滑にするPFを提供しています。商品としては、水道、エアコン、電気系統、家電などの修理・メンテナンスが主な対象です。遠隔でビデオを映しながら修理部分の状況確認を行い（無料）、その後、修理の複雑性を軸に、$20～$50と遠隔でのアドバイス料が変動する仕組みとなっております。遠隔での解決が難しい場合は業者の派遣も行って解決します。チームはもともとAlexaのAI部分の開発者であり、HOMEXのサービスでも、画像認識や、解決策提案でAIが重要な役割を担っているようです。ユーザーからすると訪問無しで修理が完了するので＄100ドル程度の節約になるようです。コロナ禍の影響もあり1年で400％成長をしており、業者数も5倍に増員したとのこと。
一言コメント：
　日本でのホームサービス領域はまだまだアナログ領域が大きいと感じています。集客サイトは日本でも出てきていますが、ホームサービス業者のDX SaaSは少なく、一方で、ポテンシャルが大きいと感じています。shopify for Xの文脈でも楽しみな領域！
記事リンク：
https://jp.techcrunch.com/2021/04/19/04-13-with-a-team-that-helped-build-the-brain-behind-alexa-homex-raises-90m-to-help-pair-contractors-with-homeowners/

③最新家電のサブスク「Grover」

設立年：2015/ドイツ
調達金額：53Mドル
主要投資家：Augmentum Fintech, Global Founders Capital, Seedcampほか
事業概要：
　最新電化製品のレンタルプラットフォームを運営してます。1ヶ月あたり小売価格の約5％のレンタル料で借りられます。壊れた場合には修理代の90％をGroverが補填してくれたり、また、レンタル期間が長く製品価格と同程度の支払総額になった場合は購入したことになる仕組みとなってます。現金支出を抑えたい人や、高額商品故にまずはお試しで利用したい人に利用されているとのこと。欧州では16万5000人の顧客をかかえているとのことで、今後は、エリア拡大、金融サービスの開発（低金利ローンなど）に進出していくとのことです。Groverの株主にはサムスンも並んでおり、メーカーの新たな販路・PR手段として、また、購入→所有マーケットのポジションも期待されているようですね。
一言コメント：
　ヤフーショッピング時代に、レンタル事業者への獲得営業をやっていたこともあり、楽しみな領域！お試し利用のような観点の他に、高額商品だとフィンテック的な要素も多分にあるプロダクト（カーリースはフィンテック要素大）。ライフスタイル自体をサブスクで提供していく切り口は衣食住の幅広い領域でトレンドが加速していきそう。
記事リンク：
https://jp.techcrunch.com/2021/04/17/2021-04-12-grover-raises-71m-to-grow-its-consumer-electronics-subscription-business/

④独立系ピザ屋のDX「Slice」

設立年：2010/米国s
調達金額：40Mドル
主要投資家：Contour Venture Partners, Primary Venture Partners, GGV Capital他
事業概要：
　独立経営のピザ屋のDX支援をしています。自社EC構築、マーケティング支援、データ分析、モール集客支援、デリバリー代行等、独立系ピザ屋のデジタル化全般を支援してます。また、注文者からすると独立系ピザ屋のポータルサイトになっており、pickupやデリバリー等での購入が可能となっています。2020年には、Instoreという企業を買収しPOS機能の提供に参入、また、利用者向けリワードプログラム等によりサービスのクロスセル促進等にも取り組んでいます。ライバルはドミノ・ピザと述べていることもあるように、独立店舗をエンパワーしデジタルオリエンテッドなプロダクトに仕上げています。既に、1.5万店舗が利用しており、年末まで2万店舗を目指す予定（5.7万店舗の市場）です。また、Slice Accelerate なるピザ屋特訓プログラムを開始しており、ピザ屋自体のパイを10万店舗に拡大していこうという取り組みも注目です。
一言コメント：
　日本でも"Slice For X"での切り口は面白いと感じました。個人経営の多い業種（中華、カレー、カフェ、バー）でデジタル化が進んでいない業種があれば、一括でDX支援しつつ、ポータルサイト化するというのは面白そうです。また、アクセラレーターのような形で、開業支援をすることで市場のパイ自体を広げる取り組みは面白いと思いました。
記事リンク：
https://jp.techcrunch.com/2021/04/15/2021-04-14-slice-series-d/

⑤共同購入型ソーシャルコマース「DealShare」

設立年：2018/Jaipur, Rajasthan, India
調達金額：100Mドル
主要投資家：DST Global, Tiger Global Management, Falcon Edge Capital, Matrix Partners India, Omidyar Network：
　インドの共同購入型ソーシャルECです。家族や友人など情報をシェアして、購入数が増えるごとに商品の割引を受けられる仕組みとなっています。食品、日用品を中心とした商品がメインの売上構成となっているようです。中国と同様に、2-4級都市の顧客が主なターゲットになっており、商品もローカルブランドが80－90％の売上構成となっているようです。インドEC市場は、amazon・Flipkartが2強となっていますが、先週紹介したmeesho含めソーシャルコマースという軸で新たな企業が挑戦していくトレンドとなっています。
一言コメント：
　世界的なトレンドであるソーシャルコマースは、日本でも注目領域です！ソーシャルコマースも共同購入型、KOL型、コンテンツ型、会員型、コミュニティ型等様々あるのでぜひ合わせてこちらもご参考ください！
記事リンク：
https://techcrunch.com/2021/04/12/tiger-global-leads-100-million-investment-in-indian-social-commerce-dealshare/

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