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「なんとなく」で生まれた価値によせて

インターネットが好きだ。
SNSを通じて、たくさんの友達ができた。中には対面で会ったことはないけど、リアルでよく会う人以上に親近感を持っている人も多くいる。

さとうさんはそんな「出会ったことないけど好きな人」のひとりだ。


さとうさんは猫のアイコンでTwitterをやっているので、僕は彼のお顔を知らないし、ビジネスの発信を積極的にされているさとうさんであっても、ものすごく具体的な仕事内容までは知らない。そもそも彼が猫なのか人間なのかもわからない。

しかし、彼が猫アイコンで発信しているやさしい言葉、にじみ出る誠実な人柄(猫柄)にすごく魅力を感じている。

そんなさとうさんと先日、ひょんなことから初めてDMでやり取りをした。

僕としては、本当にちょっとしたやり取りだったのだけど、そのときのことがさとうさんにとって印象的だったらしく、noteにまとめられていた。

読んでいてすごくあたたかい気持ちになったので、思ったことを残しておく。

まずは↓のさとうさんのnoteを読んでいただきたい。

勇気を出して送った一通のDM

僕は人見知りだ。
何かのパーティやビジネス系交流会、人が集まる場所にいっても、基本的にはしっこの方で家では作りにくいタイプの料理をモソモソ食べながら、冷えたビールをチビチビやっているタイプの人間だ。

リアルでの姿勢がソーシャルでも反映されると思うのだけど、SNSでも話したことがない人と初めて会話をするのにはちょっとだけ緊張する。
酔っ払っているときは、そこのリミットがちょっと外れていろんな人にリプライを飛ばしてしまったりもする。(すんません!)

だいぶシャイな人間なので、自分から出会ったことのない人に「よかったらご飯いきましょう!エイヤー!」みたいなDMを送るのはものすごくハードルが高い。(克服せねば…)

そんな僕だけど、先日、さとうさんにおもむろにこんなDMを送った。

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10月末、ふじじゅんさんひらやまさんなかむらさんのお三方と蒲田温泉に行く会を企画していた。

ふじじゅんさんもひらやまさんもなかむらさんも、noteを通じてマーケティングについての有益なTIPSや、人と人との関わり方を深く考えさせられるような記事を発信されている。

一言でいうと、めっっちゃやさしいお兄さんたちだ。

素敵な彼らと一緒に、蒲田のツルツル黒湯に浸かり、餃子を食べて、ビールを飲む。想像するだけで肌ツヤがよくなるような最高の座組である。
(ちなみにこの企画は、#note酒場 でみんなで集まったときに思いついた)

ふと、そんな最高な座組を、もっと最高な座組にするにはどうすればいいかを考えてみた。

そして、お三方と同じように、いつもnoteで人の背中を押す投稿をされているさとうさんを呼ぶのはどうだろうか?というアイデアを思いついた。

しかし、前述したとおり僕は筋金入りの人見知り。スジガネーゼ。
Twitterで何度もやり取りをしたことのあるさとうさんと言えど、まだ出会ったことのない人に声をかけるのはなかなか勇気がいる。

「ウーム…さとうさんには会いたい…でもいきなりDMしてビックリしないだろうか…いや、でも…ウーム…」

その姿はさしずめ「妖怪ウームウーム」。
ウームウームと言いながら、スマホ片手に部屋の中を3周ほどウロウロしてから、「ええい!ままよ!」とメッセージの送信ボタンを押してみた。
まるで思春期の恋する高校生である。指先で送る君へのメッセージ。

さとうさんはnoteで書かれている通り、結果的には都合がつかずに来れなかったのだけど、いきなりのDMにもかかわらず丁寧に返信してくださった。個別DMでのやり取りを通じて、改めて誠実でやさしい人だなぁとあたたかい気持ちになった。

そして一ヶ月ほど経って、さとうさんから「実はあのときDMをいただけて、すごく嬉しかったんです。当時のやり取りをnoteにしてもいでしょうか?」と、noteの下書きが送られてきて、記事が公開されたという流れだ。

「なんとなく」が「価値」になった

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noteを読んで知ったのだけど、さとうさんは僕がDMを送ったとき、なかなか仕事が大変な状況だったそうだ。

最初にnoteを読んだときは、「そんな状況もわからずに、ズケズケとなんてのんきなDMを送ってしまったんや…!」と一瞬自己を省みたが、さとうさんが感謝の言葉を文中にたくさん綴られていて、すごく嬉しい気持ちになった。

僕が、なんとなく一緒にお風呂に行きたい!と思って、ちょっと食い気味に勇気を出して送った一通のDM。

そのなんでもない数キロバイトの情報が、さとうさんの背中を押すことになった。

しかもさとうさんがこれまで発信されてきたアウトプットには僕自身も何度も勇気づけられたことがある。

さとうさんがこれまで書いてきた記事が、なんとなく書いたものなのか、全力直球150kmで書いたものなのかはわからないけど、僕はさとうさんにたしかに背中を押されてきた。

25歳で社会人兼大学1年生。必死に人生を取り戻そうとしていた #社会人1年目の私へ
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そんな彼に、自分の言葉で何かしら恩返しができたなら、こんなに嬉しいことはない。同じ「書くこと」を商いにする人としてもそうだし、ひとりの人間としてもそう。

「なんとなく」で送った言葉が、「価値」になった。

自分の些細な行動の結果を「価値」と呼ぶのは少し気が引けるし、単なる偶然が重なっただけかもしれないけど、さとうさんが喜んでくれた。
その事実がすごく嬉しかった。

ラッキーパンチでも、何か相手のためにポジティブな行動や声掛けをし続けることで、生まれる価値があるんだなと感じた。

横道世之介のように生きていきたい

話は変わって、これを読んでいるあなたは「横道世之介」という作品をご存知だろうか。

高良健吾と吉高由里子が出ていて、アジカンが主題歌を担当している160分の長〜い映画だ。

簡単にあらすじを説明すると、「横道世之介」という変な名前の青年が大学進学のために上京してきて、いろんな人に出会う。世之介は、おっちょこちょいでいつもボーッとしているんだけど、その人懐っこさとやさしさによって、出会った人たちの人生をなぜだか良い方向に導いていくという話だ。

この話の面白いところは、ヒーローものみたいに大義名分を持った超人ではなく、「ただのいいやつ」の世之介が、「なんとなく」相手のために起こした行動が、「結果として」他人の人生を好転させるきっかけを生むところにあると思う。

こちらのnoteでも話しているように僕はあまり人に憧れることがない人生を過ごしてきたのだけど、この横道世之介の世之介についてはけっこう憧れている。彼の影響で何年か前にフィルムカメラもはじめた。

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彼は地球を救うようなエラいこともしてなければ、経済的成功をおさめているわけでもない。

ただただ、「彼と出会ったからみんな楽しくなった」のだ。

彼のことを思い出すと、登場人物たちは、みんな懐かしく、あたたかい気持ちになっている。
顔を想像するだけで、直接会ってなくても、時間が経っていても相手を笑顔にさせる。とんでもない人間である。

願わくば、僕も彼のような、思い出すだけで笑えてくるような「最強のいいやつ」になりたい。

パッとしていなくても、頭がよくなくても、相手のことをなんとなく感じ取って、へんてこでも行動を起こす。
それはまぁ、パッとしていた方がいいし、頭がよいことに越したことはないけども、思いやりを持つことは忘れないようにしたい。

さとうさんがnoteのタイトルにされている「あなたの日常が、今日も誰かを助けてる」という考えはすごく今の時代にとって価値ある考えじゃないかと思う。

主語がでかいけども、今の時代はなんとなく「自分のなんでもない言葉や発信が、誰かに迷惑をかけてしまうんじゃないか」と思わされてしまうことが多いように感じる。
人は言葉を飲み込んだ数だけ息が詰まってしまう生き物だ。

きっと、今回のように、なんとなく起こした行動が誰かのためになることだってたくさんあるはずだ。
根拠はなくても、そう思っていた方が気が楽だし、謎の同調圧力に心を使うこともなくなる。

のんきでいいじゃないか。のんきでいこうじゃないか。

きっと僕もへこんだり、何か言葉を発するのが難しくなることもこれから何度もあるのだろう。
そんなときこそ、またさとうさんのnoteを読み返して、自分が持っていた価値、これから生んでいくべき価値について考えていこうと思う。

「僕らが降りた終着駅は、誰かの旅の始発駅でもある。」

さとうさんの「あなたの日常が、今日も誰かを助けてる」というタイトルを見て、なんとなく青春18きっぷのポスターのコピーを思い出した。

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「僕らが降りた終着駅は、誰かの旅の始発駅でもある。」

引用元:https://www.pinterest.jp/pin/10977592821236818/

今書いてるこのnoteもそうだけど、何かを書き残したり、想いを形にして伝える仕事とは「置き手紙」を書くようなものだと最近教えてもらった。

何かを終えた自分の思考の切れ端が、誰かにとっての始発駅になるかもしれない。そのために、なんとなくでもいいから手を動かして置き手紙を書き続けること。この考えを忘れずに生きていきたい。

対面でもインターネットの上でも、声をかけた数だけ何かの機会が生まれると思う。言葉を残すことだけは死ぬまで辞めないように。

いつの間にやら令和元年ももうすぐ終わる。
来年は、ふじじゅんさん、ひらやまさん、なかむらさん、そしてさとうさんとタイミングを見てみんなで温泉に行きたいなぁと思う。
これを読んでくれたあなたもよかったら一緒に。

改めて、さとうさん、この度はありがとうございました!

それでは、みなさん、よい年末を!


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