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【美女と野獣】ビーストはサラリーマンとは最も遠い存在だ
ぼくはディズニープリンセスが好きだ。
白雪姫、シンデレラ、オーロラ姫、アリエル、ジャスミン、ラプンツェル、モアナ、ポカホンタス、ムーラン、ティアナ、ラーヤ…みんな異なる魅力があって全員好き。
ただ、唯一「好きだ!」と胸を張って言えないプリンセスがいる。
『美女と野獣』のベルだ。
ベル自体は好きだけど…
ベルに何か思う所があるわけではない。
野獣に立ち向かう度胸、実父のために身を捧げる慈愛、城の家来たちに対する思いやりや気遣い。
それらは他のプリンセスに引けを取らず、彼女が持っている特筆すべき長所だ。
ぼくも好ましく思っている。
『美女と野獣』が嫌いなわけでもない。
魔法の力で王子様と結ばれる王道のストーリーだし、ルミエール・コグスワースはじめ個性的な脇役も多い。
むしろ本編+OVAシリーズ二作品も観たのだから、どちらかというと好きな部類だろう。
じゃあ『美女と野獣』と他のプリンセス作品で何が違うのか…と考えた時に、自分の中で答えが出た。
「野獣の感情移入できなさ」がそれだ。
野獣の生き方はサラリーマンとは相入れない
野獣の欠点は、怒りで全てを台無しにすることだ。
自分の中で感情を制御しきれず、暴発してしまう。
その価値観がぼくの中の正義と真っ向から反発するから、野獣に感情移入できない。それも無視できないレベルだ。
「こうはなるまい」という自戒の念もあれば、「子供っぽい」という嫌悪感ももちろんある。
ただ、そのマイナスな感情には羨ましさも含まれていると思う。
こう生きれたら楽だろうなあ、気持ち良いだろうなあ、という気持ち。
けど現実世界でやるわけにはいかない。だって人間関係とかしがらみとか色々あるから。
ちくしょう!野獣!
ここまで書いて、ディズニープリンセスには2通りの存在価値があると思った。
一つはプリンセスとしての存在価値で、もう一つは作品の顔としての存在価値だ。
そしてぼくは前者のベルが好きなのであって、後者のベルは好きという気持ちになれない。
その原因は野獣に感情移入できないことだ。
ベルの美しさも、魅力的な脇役の存在も、感動的なストーリーも、全てが野獣の存在でマイナス方向に振れてしまったといえる。
これだけ書くとどれだけ野獣に憧れてるんだ、という話になってしまうかもしれない。
だが、勘違いしてほしくない。ぼくは野獣になりたいとはカケラも思っていない。
断じて。