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高津駅の岡本太郎さん
東急田園都市線高津駅の改札を入った正面にある階段の壁面に岡本太郎さんの作品「高津」があります。
岡本太郎さんは高津の生まれで、現在の地名では神奈川県川崎市高津区二子です。
その様な縁でこの作品が駅に飾られているのだということを何かで読んだことがあります。
二子玉川駅から高津駅まで
渋谷から東急田園都市線に乗って中央林間に向かっていくと多摩川を渡る手前に二子玉川駅がありますが、多摩川を渡る手前といっても改札口だけが手前にあるのです。
プラットホームは多摩川の土手を越えて川の上にまで伸びています。
そのホームは、とても見晴らしがよくて多摩川の河川敷や楽天本社がある高層ビルやマンションが周辺の緑と品よくマッチしています。
また遠くには武蔵小杉の高層マンション群が見えます。
天気のよい日には川風に吹かれながら電車を数本やり過ごして風景をしばらく眺めてしまうことがあります。
電車が多摩川を渡るとすぐに二子新地駅です
下車してすぐの多摩川の堤防下の二子神社の隣に岡本太郎さんの母、岡本かの子文学碑があります。
碑文の書は川端康成、文は文芸評論家亀井勝一郎、モニュメントは岡本太郎、台座は建築家の丹下健三の各氏が携わっています。すごっ!
「高津」の作品は二子新地から見える二子玉川の景色そのものです
多摩川を渡った川崎市の二子新地の堤防から世田谷区の二子玉川を望むとこの絵のような印象をうけます。
青は多摩川、茶色は向こう岸の堤防もしくは街道、緑は丘の木々の緑、黄色は太陽の光、このあたりの景色を普段見ている人ならすぐに気が付くと思います。
その景色を背景に土俵入りをしているように躍動している「髙」と、二子の渡しの舟着き場から舳先を上流に向けながら高津の船着き場を目指してやって来る渡し舟を思わせる「津」の文字が印象的に踊っています。
岡本太郎さんの子供のころ感じた高津への象徴的な心象が、この絵を眺めていると伝わってきます。
ひとり立ちする人に向けての岡本太郎さんからのメッセージ
この本は特に芸術分野で食べていく、ひとり立ちを考える人への岡本太郎さんからのメッセージです。
哲学的でもありますが、文筆、写真、絵画、などの芸術系分野で食べていこうと決意してもなかなか食えなくて葛藤している人達のためのメッセージです。
私は本文の最初のページで薄っぺらな受け売りの自分の理屈をコテンパンにやっつけられてしまいました。
それを一番最初に書いてあるということは「お前は凡庸なそのレベルでしかないという現実を知れ!」。と読者に知らしめるためのメッセージだと気付かされます。
「職能的な芸術とか芸術屋」との表現もあります。
本物と偽物。
お前、俺を驚かせてみろ。
岡本太郎さんの「魂」がそう言いながらこの本を読む自分に迫って来るような気がします。
普通自分に忠実だなんていう人間に限って、自分を大事にして、自分を破ろうとしない。・・・・と同時に自分に対しても闘わなければならない。これはむずかしい、きつい。社会では否定されるだろう。・・・。
終わり