#20 ドブロブニクを超える?マケドニアのオフリドを勧める
ワクチン接種が進み、気兼ねなく海外旅行に行ける日を夢見ている人も多いことでしょう。
そうなったら、まずはNYのマンハッタンでビールを飲むんだ!とか、タイの屋台でビールを飲むんだ!とか、グアムのビーチでビールを飲むんだ!とか人によって様々かと思います。
先日、旅行好きの友人と話していた時のこと。
「クロアチアのドブロブニクに行ってみたいけど、ちょっとメジャーになりすぎちゃってね~……」
と言っているわけです。
行きたければメジャーだろうが行けばいいじゃんと思ったのですが、言いたいことはわかる気もします。ドブロブニクは恐らく素敵な場所だろうけど、旅好きであるがゆえにもう少し他の人が知らない街並みを体感したい、そういうことなのかなと思います。
僕も大好きだった深田恭子が「神様、もう少しだけ」で大ブレイクを果たした時、同じような気持ちになったので何となくわかります。違うか。
さてこのドブロブニク。魔女の宅急便の舞台とも言われ、確かに、アドリア海に突き出た半島に広がる赤い屋根を持つ城塞都市、という非常にフォトジェニックな場所です。
ですが、この旧ユーゴ圏の近隣諸国には、ドブロブニク的な景観を持つ町が他にもあることは案外知られていません。
例えば、モンテネグロのコトルなんて非常にいい例だと思います。コトル湾に突き出た城塞都市ですが、まさにドブロブニクのような赤い屋根屋根の町なんです。
ちなみにコトルにはドブロブニクからバスで1時間半くらいで行くことができますね。
そして僕が今まで行った中で、誰も知らないけど圧倒的におすすめしたい場所が、マケドニアのオフリドです。
マケドニアという国
さてオフリドというのは、東ヨーロッパにあるマケドニアという国の南西部に位置する、このあたりなんですが…… そもそもマケドニアがどこだかわかりますか。
まったくどこだかイメージ出来ていない皆さんの顔が浮かびます。もう少し引いてみましょう。
ギリシャの北側すぐといったところですね。そして南西部にオフリド湖というかなり大きい湖があるのですが、そのほとりにある町がオフリドになります。
かつてのユーラシア大陸の覇者「アレキサンダー大王」がまさにマケドニア帝国の英雄ですよね。ですので、近現代史ではだいぶ影の薄いマケドニアですが、歴史を紐解けばこの土地にまつわる話は腐るほど出てきます。中世以降はオスマン帝国だったりユーゴスラビアだったりの統治下時代があり割と歴史と権力に翻弄されてきた土地のイメージがありますね。
ちなみに余談ですが、古代マケドニア帝国の領土の大部分は現在のギリシャにあることから、現マケドニアが「マケドニア」と名乗るのはいかがなものかという国名問題がギリシャとの間でずっと続いていました。
最終的には、EUとNATOの一員となりたいマケドニア側が改名を行う形で、割と最近国名が「北マケドニア共和国」になることで決着しました。
これは僕の地元湘南で度々話題になる、車の「湘南ナンバー」に平塚市が入っているのはどうなのか問題に酷似していますね。してないか。
というわけで、今は僕が行った時の「マケドニア」という国は存在せず、「北マケドニア」があるということになります。
湖畔都市オフリド
さて、早速ですが、オフリドの写真を紹介しましょう。
素敵ですよね。
オフリド湖に突き出た湖畔都市であり、オレンジ色の屋根屋根が非常に空に映えます。この手の水辺都市に共通しますが、町や人の雰囲気もゆったりと落ち着いており町を愛している雰囲気に満ちています。
旧市街の奥の湖を見渡せる場所には聖ヨハネ・カネオという教会があり、毎日オフリド湖を見守っています。
僕はこのオレンジ色の旧市街の近くの家に民泊していたのですが、お家のお母さんにも非常に良くしてもらっていましたし、湖畔でボート乗りをやっている爺さんと酒盛りしたり、優しい人にばかり出会っていた、とても印象の良い町ですね。
泊まってたおうちの屋根裏部屋です。
非常に快適でした。
酒タダでくれた笑。
オフリドがいいらしいというのは何となく一部の情報から知っていたのですが、あまり情報のない国でしたし周囲に行ったことあるという者もいませんでしたので、実際行ってみるまではかなり未知というのが正直なところでした。こんなに素敵な町だなんて。
嗚呼、未知の冒険心に溢れながらも、そこには優しく美しい世界があったなあ。まさに日本人にとっては、まだまだ知られざる欧州の秘境といっても差し支えない。
「マケドニアのオフリドはどう?」と提案してみましたが、「そういうことじゃないんだよね」と言われました。
……。
にゃにが違ったんにゃ。
ちょっと未知が過ぎたかにゃ。