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#25 エジプトで世界不思議発見を発見した話

僕がこのnoteを放置している3年の間にも、様々なネット系番組が話題となり、一方でご長寿テレビ番組がどんどん終了していきました。

国民的TV番組「世界!ふしぎ発見」が番組終了となったのももう一年ほど前でしょうか。普段テレビをあまり見ない僕も、この歴史的な最終回はしっかり番組録画をして見させてもらいました。

昔は、土曜日の21:00といえば世界ふしぎ発見の時間であり、割とそれなりの頻度で見ていた気がします。大学生になって海外バックパッカーになったのにも多少なりとも影響はあったと思っていますね。

エジプトのカイロ

僕は初めてバックパッカー旅行をしたのが、エジプトでした。なぜ最初にエジプトなんて難易度のそこそこ高い国を選んだかというと、特に理由はなく、ただ何となく選んだだけなのですが、もしかすると「世界ふしぎ発見」で頻繁に取り上げられる国だったからというのも今思えばあったのかもしれません。知らんけど。

エジプトという国はとにかく遠く、成田空港から悪名高きロシアのアエロフロートでモスクワを経由し、カイロまで狭い機内の席でひたすら時間をつぶすのも大変でした。
僕は、せっかく海外にこの身ひとつで行くのだから、日本で触れている文化なんて全部脱ぎ去っていこう!と、CDプレイヤーや本、もちろん携帯電話など、すべてのエンタメ要素を日本に置いていったのですが、搭乗して1時間くらいしたらもう暇で暇で仕方なく、なんでそんな意味わからんことをしてしまったのやと後悔をしていました。

気の遠くなるような時間が経ち、いよいよカイロに到着するという機内アナウンスが流れた時に見下ろしたカイロ市内の情景は、20年以上経った今でも忘れられません。

とにかく遠くまで続くカイロの街並みと、深い闇の中に橙色の灯がいっぱいに灯っているどこか異様な雰囲気。羽田空港などに夜に到着すると色彩豊かなネオンに彩られた美しい東京の街並みを見ることができますが、それとは対照的である均一な黒と橙の世界観に、これから旅が始まってしまうんだと気持ちが引き締まったのを覚えています。

と、到着が深夜でしたので警戒心いっぱいで入国したカイロですが、昼間の世界観にも本当に圧倒されました。僕は、今でも初めて降り立った異国の地がカイロで本当に良かったと思っていて、イスラム圏で文化も街並みも全く違うエジプトに最初に触れたことで、旅のドライブが一気にかかってそのまま旅人になったような感覚があります。最初が韓国とか中国のような近い文化圏の国だったらこんなにハマッていなかったんじゃないかと思います。


まさかの発見

そんなエジプトに入国した翌朝のこと、まだ旅というものをしたことがない僕の完全初日の朝、恐る恐る宿の外に出て「クフ王のピラミッド」を見に行ったわけですが、ここで思わぬ出会いがありました。

事実は小説より奇なりとはよく言ったものです。

エジプト入国しょっぱなのこの日、僕はピラミッド、スフィンクスのエリアで、なんと「世界!ふしぎ発見」のテレビクルーに会ったのです

最初は、「あー、なんか撮影しているな」と思ったくらいでした。エジプトのどこかのテレビ局がやってきているのかなと。

ですが、近づいてよくよく見てみると、なんだかアジア人たちの集団が、日本語で会話をして、撮影をしているのです。


これは、美女の気配がする……!
この気なんの気 気になる気!!

まさに、スフィンクスの真ん前で、ミステリーハンターの女の子が「来週の~、世界ふしぎ発見は!!」と、定番の次回予告シーンを撮影しているところでした。

問答無用で興奮しました。ふしぎ発見の撮影をしていたことよりも何よりも、そのミステリーハンターが、当時何人かいたミステリーハンターの中でも僕が最推しの子だったからです。

旅の初日にこんなことが起こるなんて……!
旅ってすごいんだな!!
と、スフィンクスとピラミッドをバックに一緒に写真まで撮ってもらい、すでにエジプト旅行に満足し帰っても良いくらいでした(初日)。

とにかく何か気の利いたことを伝えたかったのですが、このミステリーハンターの子は、グラビア活動をしていたこともあり写真集を何冊か出しており、当時、持っていたわけでもないが中身を見たことのあった僕は、

「し、しゃ、写真集も見てます!」

と、咄嗟に大変キモい発言をしてしまい、

「……あー ありがとうございます……」

反応悪。。。
黒歴史だったのか、もしや。

いや、古着のヨレヨレTシャツに無精ひげの若者が写真集云々いっているその姿を純粋にキモがられたのかもしれません。というか絶対そうでしょう。

そんなキモい雰囲気を見かねてか、マネージャーさんが
「すみません、そろそろ次の撮影が……」 と、あっけなく僕の時間はボッシュートされました。

やっちまった。
一発で決めなければいけない場面だった。
次はもうない。
僕にInspire the NEXTはやってこない。


当然、海外旅行をしていて日本の芸能人やセレブに会った経験などこれ以降40ヵ国を旅する中で一度もなく、この最初の旅の最初の行動日にこんなことが起きたというのは、面白いものです。

そんな世界ふしぎ発見を発見した話。

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オカザキッチン
感謝の極みです。どうもありがとうございます。