お看取りカルテ case:7
70歳代 男性 脳幹梗塞
11月初旬に退院され訪問診療となる。脳梗塞が起きるまではとても元気なお爺ちゃん。妻と2人暮らしで、向かいのお家は息子さんのお家。毎日、お孫ちゃんが遊びに来る様なお宅だった様です。
初回訪問の際も印象的だったのが、壁一面に飾られたお孫さんの写真たち。素敵な写真ばかりでした。本人は脳幹梗塞の影響でlocked-in-syndromに近い状態で、反応はあり、お孫さんの話をすると大きなリアクションがありました。
りんごを作っていた様で、収穫シーズンに脳梗塞になってしまった様です。せっかくだからといただきましたが、めちゃくちゃ甘いりんごでした。
さて、家族は医療・介護関係者でしたので、静脈点滴を行いながら自宅で過ごしていました。自宅に帰られて数日で点滴が漏れたので皮下点滴に切り替えて経過を見ておりました。
初回訪問後、8日目に亡くなられましたが思ったより急な経過でした。一応病状は落ち着いていたと思ったのですが、2−3日前から呼吸が苦しそうと連絡があり在宅酸素を導入。
亡くなった日の日中も往診させてもらったのですが、自分が見た感じは比較的落ち着いていたので厳しい話はせずに診療を終えました。
生き死にって難しいなと思いました。
そこで、何があっても家で見ますか?と確認だけはしましたが・・・主介護者の娘様からは力強い返事をいただいていたので、そこはよかったかな。
予後予測って難しい・・・特にがんではない疾患は読めないなぁ。
時々、DEATH NOTEの死神の目が欲しくなります。寿命は半分にして欲しくないけどね。
たった1週間でも家に帰れてよかったのかな?在宅医としては、あまり力になれなかった。。。それでもいいのかな?
何が正解かわかりませんが、自分が正しいと思ったことをやろうと思います。そして、その正しさが本当のものなのかは振り返りたいと思います。