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【リアル美容室経営】年間広告費●億円運用経験者が集客ノウハウを語ってみた〜まずお店を「知られる」には?前編〜

お疲れ様です。
hairstudy編集部中の人、おかゆ社長です。

本日は、hairstudyのお話ではなく、
美容室の店舗経営についてのリアルな経験、実践してきたノウハウを元に持論を書きたいと思います。

第一回は「集客」についてです。。


「え、、あなたhairstudyの中の人では??」


という声が聞こえてきましたのでお答えします。

実は、年間1.5億円以上の集客予算を運用していました

とある美容室チェーンの販売促進責任者として
集客広告に関する運用をしていた経緯がございます。

全国に30店舗ほど展開するお店の予算を運用。
出店計画の際は、出店予定エリアの集客状況調査も実施し
可否判断をしておりました。

主には、以下のような業務内容です。

  • ホットペッパービューティーの最適化(プラン最適、サイト内SEO、表示アルゴリズム最適、クーポン内容変更、クリエイティブ変更)

  • google my businessの最適化(GMBのアルゴリズムへの最適化、データ更新)

  • SNS広告の配信・運用・インフルエンサーPR(facebook、instagram、youtube、Line@の広告配信)

  • リスティング、リマーケティング広告の運用(google、yahooの広告配信)

  • 来店きっかけの検証(看板、紹介などリアルな施策も含めたアンケート分析)

2年の担当を経て、現在は後任に引き継いでおりますが、
実は、この経験から得たもので2つ「商品化」することができました。

外食チェーン様にご導入頂いているgoogle my business商材化と
SNS関連業務はhairstudyの運営会社で提供しているサービスのきっかけになりました。

(タイミングを見て上記の個別データやノウハウもnote化する予定)

美容室の集客の捉え方

実店舗の集客を考える際、

お客様が「知る」→「興味を持つ」→「調べる(比較する)」→「予約する」→「共有する」→「再来する」とステージに分けて考えます。

今回は「知る」という最も重要なステージを考察していきたいと思います。

何故、重要と言い切れるかというと、、
googleにしろ、facebokにしろ収益のほとんどは広告収入。
つまり「知られる」ことが一番大変でお金と労力がかかります。

美容室を「知る」導線と4つのパターン

  • 美容室検索サイト(ホットペッパービューティー等)で知る

  • 美容師検索サイト(minimo等)で知る

  • SNS(instagram等)で知る

  • 通りかかった看板で知る

  • チラシで知る

  • 知人からの紹介で知る

  • 地図検索(google MAP等)で知る

  • 雑誌で知る

上記のような「知る」導線が考えられます。

店舗の存在する場所によって状況は大きく異なり、
「ユーザー層」「競合店の動向」を見て
「知られる」ことへの費用対効果を最適化していくことが求められます。

例えばですが、
(A)ターミナル駅から遠い繁華街にお店がある
(B)ターミナル駅から近いところにお店がある
(C)ローカル駅の近くにお店がある
(D)ローカル駅の遠くにお店がある*所謂ロードサイド店舗
A~Dの4つのパターンに分類した際にそれぞれ見ていきましょう。

(Aパターン)ターミナル駅から遠い繁華街にお店がある場合に「知られる」には?

このパターンが集客難易度が高いパターンが見受けられます。
ターミナル駅から遠い繁華街は商業系のテナントが多く、
入れ替わりも激しいエリアです。

東京だと原宿・表参道・銀座…
愛知だと栄…
大阪だと心斎橋…
福岡だと天神…

分析すると

ユーザー層(質):トレンドに敏感な若年層や美意識の高い層、県外住民も多数
ユーザー層(量):住んでいる人は少ないが、昼間(週末)の活動人口はピークだが昼夜/平日週末総じて多い
競合店の動向:全国的に見てもトップレベルの美容師が所属するサロンが多く存在

勝ちパターンは「〇〇化」

(1)尖った「ニッチキーワード」で引っ掛ける(専門特化サロン)
(2)営業時間を伸ばす(朝8:00~23:00や24Hのサロン)
(3)超低料金で引っ掛ける(カットカラー2,000円台など破格のサロン)

このエリアに必要なのは他のサロンがやっていないことをすること!
そう「差別化」です。

明確な「差別化」がなく、このエリアは集客サイトに課金してしまうのは
ドブにお金を捨てるようなものです。

私の過去の経験から言っても、
「差別化」がなければ、一人当たりの集客相場は1万円前後くらいが当たり前になります。

(1)は一見、顧客層を狭めるので勇気の居る決断ですが、非常に効果的です。
2022年12月のホットペッパー内6~9席
サロンランキング一位のfifth 原宿店さん
(2位のYU HOUSE本店さんはシールエクステ特化型サロン)

2022年12月データ*HPBサロンボードより転載

「ヘアカタログ」ページは波打ちパーマが8割を占めています。

fifth 原宿店のスタイル写真
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000184852/style/

「クーポン」はなんと、「49件中27件」が「パーマ」が含まれています。

心の声(なんと、、hairstudyではfifth原宿さんのパーマの技術動画が無料でみれちゃいます。。)


攻略は難しいが得られる果実も大きい

このエリアは県外からわざわざ美容室へ来店するため
ユーザー数が多く様々な趣味趣向があります。

ニッチワードでも検索上位を捉えられれば、
月間数百人以上の集客ができてしまうのです。

「〇〇といえばここ!」と言われることが重要です。
「〇〇」という領域にライバルがいない(少ない)ために
「知る」以降のプロセスでも離脱が少なく固定客化していきます。

結果、ニッチな内容でも全国1位の売上となるのです。

(Bパターン)ターミナル駅から近いところにお店がある場合に「知られる」には?

このパターンは集客難易度が低いパターンが見受けられます。
ターミナル駅から近いエリアは大手企業のオフィスビルが多く、
商業テナントで「美容室」は相対的に少ない傾向があります。

東京だと東京駅・新宿駅周辺…
愛知だと名古屋駅周辺…
大阪だと大阪駅周辺…
福岡だと博多駅周辺…

分析すると

ユーザー層(質):オフィスワーカー、観光客等、転入転出が多いが県内住民
ユーザー層(量):周辺に住んでいる人は少なく、昼間(平日)の活動人口は多いが週末は中程度
競合店の動向:回転数が高いチェーン展開しているサロンが多い

勝ちパターンは「コ○パ」と「立地」と「広告」

(1)コストパフォーマンスが求められる(安すぎず高すぎず無難なサービスレベル)
(2)店舗前交通量が多い場所にある(看板などが有効)
(3)検索サイトの掲載順位が上位(ホットペッパーが上位プラン)

このエリアはAパターンに比べて競合店数は少ない傾向。
オフィス街なので年齢層としては20代後半以降がターゲット。

(1)について
「目立つトレンドヘアスタイル」
というよりは
「無難で清潔感のあるスタイル」が受け入れられやすい。
来店頻度も高いため通いやすい価格が伸びやすい。
但し、安すぎると不安という声も。

(2)について
駅から職場までの道中でお店の看板があれば目に留まる可能性も高いです。
Aパターンとは異なり生活動線が同じパターンが多いため、
店舗前をどれだけの人が通るか?が鍵になります。

(3)について
ホットペッパー等のサイトで広告費をかければ、
上位表示が担保される傾向があるので勝ち易いといえます。
目安は、同エリアの25店舗以下がプラチナプランの場合は激アツ。

(1)〜(3)を満たした某店では新規獲得が月間360人、CPAは1,000円程度という時期もありました。
(※)ただし、近年はターミナル駅周辺の出店が増加傾向のため
広告の費用対効果は悪くなっています。

前半の終わりに

集客に関しては、
「ツール(部分)からで語る派」と「戦略(全体)から語る派」の2パターンあります。

勿論、両方が大事なのですが、
今回は戦略(全体)から語るパターンで書いてみました。

集客(マーケティング)の極意は
「誰に」「何を」「どう伝える」の掛け算と
社内ではよく言っています。

お客様にわざわざ来てもらわないと成立しないモデルなので
美容室経営は「出店場所」が大きな制約条件になります。

そして「出店場所」の勝ちパターンを知らないと大きな戦略ミスをしてしまう可能性があります。

集客に悩む美容室さんや
これから独立してお店を出したいと思っている美容師さんの
一助になれれば嬉しいです。

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