#2 喉の違和感が気になり病院へ行くと…
2020年 11月のある夜
その夜ベットに入ったのは午前1時くらい…
一睡も出来きなかった。
気になっていた首のしこりと喉の違和感をネットで念入りに調べいた。
重病系の画像やクリニックサイトで
咽喉頭異常感症…
特発性食道拡張症…
頸部リンパ節炎…
なんだか怖い文字の羅列を見ては、
この前見つけた脂肪瘤や粉瘤、ヒステリー球に戻って安心したりを繰り返した。
あーーー!もうやめだ!
よし!今日病院に行って診てもらおう!
横で寝ているゆうちゃんを起こし、病院に行きたいと伝えると
ゆ「え?本当に?そんなに気になるなら行って診てもらった方がいいよ」
ゆうちゃんと眠たい目をこすりながら携帯で病院を探し出し、2人で近所にある大きめな病院へ自転車で向かうことにした。
朝7時。
どんよりとした鉛色の冬の空はなんだか平べったく冷たくて、少し不安になった。
ゆ「ちょっと!!
オープン時間より40分早く着いちゃったじゃん!」
オープン時間?を間違えてちょっと揉めた。
どうして時間を調べてないのか、寒空の下40分どうするのとか。
そんな話をしているとロビーまでは開いたのでそこで待つことに。
吹き抜けた広いロビーにはまだ誰も座っていない沢山の椅子が並んでいる。
受付が開き一番乗りで耳鼻咽喉科で診察してもらう事になった。耳鼻科の前で名前を呼ばれるのを待つ。
何でもありませんように!!
先「岡安さーん」
診察室入ると見たことない器具や機械があり少し緊張しちゃう岡安。
先「ではこちらにお座りください」
先生は首回りを触診しながら、
いつ頃から?
痛みはある?
大きさは変わっている?
色々質問された。
先「ではエコーで見てみましょう」
別室に通され人生初のエコー検査に。
ベットに横になり、首にぬるぬるを塗り、念入りに撮影。終わって再び診察室へ戻った。
先「エコーで見た感じだとちょっと何とも言えないですが、小さい頃この辺に水が溜まったりしましたか?」
岡「いや、一回もないと思います」
先「このしこりを生体検査するにはエコー当てながら注射で細胞を採取しないといけないんですが、この病院だと出来ないので大きな病院で診てもらう方が確実かと」
え?
ここもまあまあ大きいな病院なのに出来ない?
嘘ぉー!
首のしこりやばいんじゃないの?
先「悪いものじゃないと思いますが念のため。
招待状書きますか?」
ゆ「はい、お願いします」
ゆうちゃんが即答した。
先「じゃあエコーのCDーROMも渡しますね。
ただ、今日は無理かな?11時に向こうの病院の受付が
終わっちゃうから」
ゆ「今日11時までに行きます。お願いします」
先「わかりました、では急いで用意しますね。少しお待ちください」
招待状とCDーROMをもらい、間に合わなそうなので自転車を置いてタクシーで向かった。ゆうちゃん判断。
ゆ「〇〇病院へお願いします」
タ「え?〇〇病院?あら、大変ですね、次もお見舞いですか?」
ゆ「違います、検査です。11時に間に合いますか?」
タ「そうでしたか、すいません。空いてれば大丈夫だと思いますよ」
ゆうちゃんは頼もしくテキパキとしていた。
朝からこのキャプテンシーはどこからきているのか?
言われるがまま従う。
そんな岡安はタクシーの中で少し胸をなで下ろしていた。
『悪いものじゃないと思いますが…』
この言葉が頭の中で何回も繰り返された。
よし!その更に大きな病院で調べてもらって結果を聞こう。
そして、大きな病院の先生が言う。
先「特に問題ないですね、抗生物質のお薬出しときますね」
と。
んで、家に帰って大好きな焼酎ハイボールでも飲もう。
大好きなチャーハンと青椒肉絲焼きそばも作って
何でもなくてよかった祝賀会だぁ!
心配して損したよ記念だぁ!!
初エコー検査&初ぬるぬるおめでとうパーティーだぁ!!!
よーし飲むぞ!!!!!!
15分後。病院に到着。
大きなタクシープール、バスが何台も止まるスペース。
『確かにこっちの方が大きいな』と思っていると、
タクシーが停車する直前に、会計は岡安、
受付はゆうちゃんっと二手に分かれる指示が。
はい!かしこまりましたキャプテン!
タ「〇〇円になります」
岡「はい、じゃこれで」
タ「おつりです…大変ですね検査。何もないといいですね」
岡「はい、ありがとうございます」
優しい言葉とおつりを受け取り病院内へ。
これまた大きく吹き抜けたロビーが出迎えた。
うちのキャプテンを探すと新規受付に並んでいて、どうやら受付がギリギリ間に合いそうだ。
さすが我が主将!ありがとうございやす!
耳鼻咽喉科の待合所。
問診表を書きながらまた少しずつ不安になって来た。
変な病気だったらどうしよう、喉じゃないところになんかあったら?
…まさかそんなわけないか…
待合室のモニターに
『712の番号札の方2番の診察室にお入り下さい』
と表示された。
診察室にゆうちゃんと入ると
凛として優しそうな女性の先生が座っている。
触診、再び詳しく問診。
先「では内視鏡診てみましょう」
と細長いコードの先にカメラがついた機械がテンポよくスタンバイされた。
え?
なにこれ?さっきの病院には無かったよ。
これをどんすんだ?
先「はい、では上を向いて、鼻からカメラ入れていきますねぇ」
カメラを鼻に入れるの?嘘!!!!
絶対「オエ!」ってなるやつじゃん?!
そんな事考えているとあっという間に鼻の麻酔。
シュ、シュ!
カメライン!!
ズボボボ
どんどん奥に進んで行く。
これはきついなぁー。
でもこれが我慢できたら特技でうどんを鼻から啜って口から出すやつできるようになるかな?
鼻、口、喉をあっという間に通り過ぎ、未開の喉奥地までカメラが入ってきた。
涙、鼻水、嗚咽が止らない。
先生は岡安の首の角度を何度も変えて、まるでお気に入りのインスタ映えする写真を撮るかのようにシャッターを切っていた。
もしインスタに載せてくれるならフォローしなきゃ。
その後、一度カメラをだし、先端に今度は小さなスプーン?ハサミ?みたいな器具を取り付け、鼻の中へ。
挿入のおかわり。
先「ちょっと調べる用にもう一度入れますよ」
オエエエエエエエエエエーーーー!!!
喉の奥のなんかの採取が終わる。
涙目のボロボロ岡安に看護師さんが、
看「すごいですねぇ、初めてですか?」
岡「ふぁい、初めてぇでふぅ」(←うまく喋れない)
看「普通の方は嫌がったり耐えられなかったりするのに、すごいですねー」
どうせみんなに言ってるんでしょ?
と素直じゃない岡安は思った。
ふとカメラの画像が機械のモニターに写し出されていた。自分の喉の奥に何とも言えない色の不気味な物体が写ったのをはっきりではないが一瞬見えた。
先「次は首のしこりに注射しますね、
奥様は外でお待ちください」
エコーを当てながら注射。
最初の病院で言ってたやつだ…
じゃあ今のカメラの検査は何だ?
もう初めてだらけでてんやわんや。
先生がモニターでエコー画像を確認しながら注射針を刺す。こちらはあっという間に終わった。
先「では少し外でお待ちください」
待合の椅子に座り鼻の内視鏡の痛みをゆうちゃんに
説明するが、何だか上の空。
そう言えば内視鏡の映像をゆうちゃんはずっと見ていた。
ならばと岡安は自分診療所の時にネットで見つけた
粉瘤や扁桃腺の腫れの画像をゆうちゃんに見せた。
ゆ「・・・そんな感じじゃなかったなぁ」
そこには岡安の喉の奥に写ったものはなかった。
つづく