note conte『本登録』
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スマホを睨みながらマッチングアプリの登録に四苦八苦している。
男は出会いを求め一歩を踏み出そうとしていた。
「えっと…入力漏れはないし…後はメールアドレスを入れて、この後通知がメールで来るんだな」
かれこれ1時間、この登録と格闘し、ようやくメールを
待つところに辿り着いた。
男の携帯が鳴る。
ティロリン♪
早速メールが届いた。
「えー仮登録だったの?本登録じゃないの?
まだなんかあるの?まぁしょうがないか。悪用とかする奴がいるからなぁ」
不満げに先へ進むと、とある画面が現れた。
「あーはいはい。私はロボットじゃありませんってやつね。俺はロボットじゃないよ、人間だよ。簡単簡単。」
カチッカチッ
得意げにクリックして確認を押す。
「よし、これでいいのかな?」
ゆっくりと確認ボタンを押した。
すると、新たに画面が出てきた。
「えーなに?!ロボットの可能性?嘘!気動車?
全部電車じゃないの?なんだよもう一回だよ。」
男は再度テストを受けた。
「今度は新幹線って!また鉄道?これ偏ってない?
普通、山とか道路とか信号とかじゃないの?」
焦りながら画像をクリックする。
「もう、ロボットじゃないから本登録させてよ」
確認ボタンを押す。
「おい!なんだよこれ!現美新幹線なんて初めて見たぞ!ホビートレインってなんだよ!おお!リニアってこんな感じなんだぁー!じゃねぇよ!…山形新幹線…独特な写真だな!俺はロボットじゃないよ!登録させろ!」
男は諦めずにもう一度受けるが更に難しいテストが出てくる。
「おい!連接台車ってなんだよ!もう鉄道いいって!
もうなったらこうだ!」
男は当てずっぽで選び[確認]をクリックした。
すると
「やったー!当たったぜ!ってなんだったんだよこのテスト!説明もいらないよ!」
ようやく登録が終わりほっと胸を撫で下ろす。
「いや、俺こんなのに登録してねぇわ!!
どこでこのアプリになったんだよ!なんだよ鉄道占いって
出会いだよ!俺が求めてるのは!・・・ん?あれ?
好きな人と相互乗り入れしたい?・・・試しにやってみるか・・・」
完